都区内から西日暮里→千代田線経由東日本線都区内への区間変更券です。
都区内から西日暮里→都区内とどういう変更なのか一見したところ分かりづらいのですが、この区間変更券は[名]名古屋市内→[区]東京都区内の片道乗車券を原券として、西日暮里駅の精算所で西日暮里〜北千住間を東京メトロ線経由で金町までの変更を申し出て発券されたものです。
着駅が[区]東京都区内であれば発駅に関係無くこのような区間変更券が発券されます。
原券の乗車券は[区]東京都区内までですので、通常は都区内の駅である西日暮里で東京メトロ線に乗り換えた時点で、JR線の乗車券としての効力は終了します。
しかしながら常磐線の各駅停車のみが停車する駅は上野・日暮里からの常磐線では必ず乗り換えが発生することから、西日暮里〜北千住間の東京メトロ線の運賃相当額を支払うことで都区内着の乗車券のまま東京メトロ線を経由できるという特殊な区間変更を扱っています。
JR東海および名古屋は東京メトロとの連絡範囲外ですので本来は区間変更が扱えないのですが、これも特別に区間変更が可能となっています。
この区間変更券、「千代田線経由の都区内」となっています。
西日暮里で千代田線・常磐線経由各駅停車に乗り換え、常磐線の都区内の駅で下車することを想定しているのは明白ですが、例えば名古屋(東海道新幹線)品川(山手線)田端(東北本線)西日暮里(千代田線)北千住(常磐線)日暮里(東北本線)神田(中央本線)四ツ谷のような経路での乗車は可能なのでしょうか。
千代田線経由で東日本線の都区内の駅で下車しているため可能と思われますが、磁気情報は自動改札機に対応しているのでしょうか。
着駅について、この区間変更券は「都区内」とのみ印字されています。東京都区内を着駅とする場合、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第187条第3号および東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程第185条の2の規定により「[区]東京都区内」とするよう定められていますが、規則第187条第4号においては「都区内」と簡記できることも定められています。
マルスシステム・POSシステムで発券する場合は簡記されることはありませんが、「都区内」という表記も規則上根拠のあるものであることがわかります。
【旅客営業規則】
(乗車券類の駅名等の表示方)
第187条 乗車券類の駅名及び旅客運賃・料金の表示方は、次のとおりとする。
(1)乗車券の発駅名及び着駅名は、旅客運賃の計算に従つて表示する。ただし、団体乗車券及び貸切乗車券の乗車区間については、乗車する列車の発駅名及び着駅名を表示する。
(2)大都市近郊区間内各駅相互発着及び発着区間の営業キロが片道100キロメートル以下の乗車券にあつては、発駅名及び着駅名を略図をもつて、また、着駅名を金額をもつて表示することがある。
(3)第86条及び第87条の規定により旅客運賃を計算する場合の乗車券の駅名は、次の例により表示する。ただし、団体乗車券及び貸切乗車券の行程・料金欄の発駅及び着駅については、実際に乗降する駅名を表示する。
(例) (和文) (英文)
第86条の場合 東京都区内 TOKYO WARD AREA
横浜市内・川崎・鶴見線内 YOKOHAMA CITY ZONE
「横浜市内・川崎」又は「横浜市内」と表示することがある。
大阪市内 OSAKA CITY ZONE
「大阪市内（新加美駅を除く。）」と表示することがある。
神戸市内 KOBE ZONE
「神戸市内（道場駅を除く。）」と表示することがある。
広島市内 HIROSHIMA CITY ZONE
「広島市内（海田市駅・向洋駅を含む。）」と表示することがある。
福岡市内 FUKUOKA CITY ZONE
「福岡市内（姪浜駅、下山門駅、今宿駅、九大学研都市駅及び周船寺駅を除く。）」と表示することがある。
第87条の場合 東京山手線内 TOKYO LOOP ZONE
(4)前号本文の規定による駅名の表示は、特別補充券等にあつては、「都区内」又は「赤羽」の例により簡記し、又は略図をもつて表示することがある。
（以下略）【旅客営業取扱基準規程】
(特定都区市内等の略号の印刷方)
第185条の2 規則第86条及び同第87条の規定に関連する常備乗車券について、同第189条第1号様式裏の案内事項を準用して表示する場合の特定都区市内等の略号は、特定都区市内等の頭文字を使用して[名]の例により印刷する。ただし、次に掲げる特定都区市内等にあつては、それぞれについて定めるものによる。
東京都区内にあつては、[区]
横浜市内にあつては、[浜]
大阪市内にあつては、[阪]
北九州市内にあつては、[九]
東京山手線内にあつては、[山]
