津接続の近鉄連絡乗車券(POS端末120mm券)

関から江戸橋への片道乗車券です。
JR西日本のPOS端末で発売された連絡乗車券です。

経路は関(関西本線)亀山(紀勢本線)津(名古屋線)江戸橋です。
関東にありそうな江戸橋という駅名ですが、三重県にある近鉄名古屋線の駅です。駅名標の表示は副駅名付きの「江戸橋(三重大学前)」です。
※駅名の由来は地名及び駅の近くにある志登茂川に架かる江戸橋で、江戸橋自体の由来は参覲交代時に橋の傍まで見送りに来たこと、とされています。関東には東京メトロ有楽町線江戸川橋東武アーバンパークライン江戸川台京成本線江戸川の3つの「江戸」の駅があります。
JR線営業キロ21.2km 運賃410円と近鉄営業キロ1.2km 運賃150円、合計22.4km 560円です。自動改札機に対応しない120mm券で発券されました。

これはJR西日本のPOS端末には津接続の近鉄線運賃が登録されていないためのようです。理由は不明ですが近鉄連絡はJR6社各駅とのような広範な連絡運輸ではないことに加え、接続駅の津はJR東海が管理する他社管理駅のためでしょうか。
津接続の近鉄線はJR東海JR西日本で連絡運輸を行ってはいますが、JR西日本の連絡範囲は関西本線の関・加太・柘植の3駅のみです。加太は無人駅、関・柘植はPOS端末設置の簡易委託駅(指定券扱い有り)です。
簡易委託駅には出札機器としてマルス端末の代わりにPOS端末が設置されることも多く、加えて委託駅は契約上連絡乗車券を発売できないこともあります(例:京王線分倍河原駅)。JR西日本のPOS端末で津接続の連絡乗車券が発売される機会はほとんど無いと思われます。

POS端末に運賃が登録されていない場合においても、連絡乗車券の発売は可能です。
運賃が登録されていない会社線についてはマルス端末でいうところの金額入力操作に相当する単価入力操作を行います。社線運賃「150」円と有効日数「1」日を入力することで発売できます。JR線区間の運賃は自動的に計算されます。経由欄は接続駅の「津」まで印字されます。
単価入力という特殊な操作が必要ですがこの乗車券を発売頂いた駅では出札の方が慣れておられたようで、旅客連絡運輸規則別表・旅客連絡運輸取扱基準規程別表から近鉄線運賃を調べたうえで発売頂けました。

運賃と有効日数のみを指定し、社線営業キロの指定が不要というのは金額入力の基準額入力・収受額入力操作に近いですが、経由欄が接続駅まで印字されるのは金額入力の自・社区間入力操作に近く、両者を組み合わせたような操作・印字となっています。

JR西日本のPOS端末で120mm券となる乗車券は、大垣接続の近鉄養老線(現・養老鉄道)連絡、宮島航路(現・JR西日本宮島フェリー、宮島口・宮島間相互のみ)などがありました。
現在では前者は養老鉄道転換に伴い普通乗車券の連絡運輸廃止、後者は会社移管により社線完結となりJR西日本のPOS端末では発売できなくなっています。


亀山から関と、関から江戸橋への連続乗車券です。
連続1はJR完結、連続2は津接続のJR→近鉄の連絡乗車券です。こちらはマルス端末で発売されたものです。


連続1は営業キロ5.7km 運賃190円、連続2はJR線営業キロ21.2km 運賃410円と近鉄営業キロ1.2km 運賃150円、合計22.4km 560円です。有効日数は連続1と2を合算した2日間となります。
連続2の区間は先のPOS端末で購入したものと同じ区間です。津接続近鉄線の運賃はマルスシステムに登録されており、自動改札機に対応した85mm券での発売が可能です。経由には「近鉄線」と社線名まで印字されます。


津接続のJR→近鉄の連絡範囲は以下のとおりです。片道・往復乗車券の他、連続乗車券の発売も可能です。
JR東海紀勢本線 亀山〜松阪間
JR西日本関西本線 関〜拓殖間
近畿日本鉄道名古屋線 伊勢中川・久居〜高田本山間・豊津上野・磯山〜白子間