大阪・新大阪から大阪駅JR高速BTの自動車線連絡乗車券

大阪・新大阪から大阪駅JR高速バスターミナルへの片道乗車券です。
津山を接続駅とするJR西日本西日本JRバスの連絡乗車券で、着駅の印字は「大阪駅JR高速BT」とあります。大阪駅から大阪駅の乗車券です。


この乗車券の経路は大阪(大阪環状線・内回り)天王寺(関西本線)久宝寺(おおさか東線)放出(片町線)京橋(JR東西線)尼崎(東海道本線)神戸(山陽本線)岡山(津山線)津山(中国高速線)大阪駅JR高速バスターミナルです。
JR線営業キロ270.5km、運賃計算キロ276.4kmで運賃4750円、JR自動車線163.1kmの2750円で合計7500円です。

この乗車券のJR線営業キロは片道200kmを超えています。大阪市内に含まれる駅からの乗車券ですので、発駅は[阪]大阪市内となりそうなものですが、一旦大阪市内の外であるおおさか東線を経由した上で再度大阪市内を通過していますので、西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則(以下、連規)第46条の規定により大阪市内は適用されません。
一方で大阪を発駅とし、姫路を経由し、姫路以遠を着駅としていますので、西日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第88条及び第187条第6号(連規第45条及び第83条で準用)の規定により発駅は「大阪・新大阪」となっています。
大阪市内は除外規定がありますが、大阪・新大阪については除外規定がありません。201km以上では特定都区市内が適用されるため敢えて除外する必要がないためとの判断なのかもしれませんが、特定都区市内が除外されるというケースを想定していないのかもしれません。
発駅「大阪・新大阪」、着駅「大阪駅JR高速BT」、経由欄「大阪環」(大阪環状線)「おおさ東」(おおさか東線)に加え、大阪駅入場スタンパー、大阪駅JR高速BTの指定券発行印と券面が大阪だらけです。

この乗車券は大阪〜天王寺間を西九条経由で運賃計算しています。
連規第48条第1号イの規定により、JR区間については規則第69条第1項第7号の規定に従い大阪〜天王寺間は、本来は京橋経由での運賃計算を行いますが、その後に片町線JR東西線経由で京橋を通過するため、京橋経由とすると環状線一周となり運賃計算が打ち切られてしまいます。
これを回避するために西日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程第109条第1項(西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸取扱基準規程第31条で準用)では規則第69条・第70条区間の再通過の際は実際の乗車経路で運賃計算できると緩和しています。



JR自動車線連絡で片道100kmを超え、大都市近郊区間とそれに接続する連絡会社線相互の乗車券ではないため、連規第75条第1項第1号イのbの規定によりJR自動車線以外の有効日数3日とJR自動車線の有効日数1日を合算した4日間有効となります。
※連絡乗車券の有効日数はJR線と会社線の切上げて合算した営業キロに対して旅客営業規則の規定を適用することになっていますが、JR自動車線連絡の場合に限っては鉄道区間単独で計算した有効日数にバスの有効日数1日(固定)を加算、としています。ただし片道100km以下の場合は1日です。今回の場合は結果としてJR自動車線以外の連絡乗車券の計算方法と差はありません。

なお、中国ハイウェイバス運賃のマルスシステムへの収容は、大阪・新大阪接続は一部区間に限りされています。津山駅については接続する経路の候補に「中国高速線」自体が表示されません。運賃収容も無いのでしょう。
この乗車券は金額入力-自・社区間で発売されました。接続駅コード6057(津山)、社線営業キロ163.1km、社線運賃2750円であったように思います。西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則別表・旅客連絡運輸取扱基準規程別表の西日本JRバスのページには接続駅コードと社線運賃の記載はありますが、社線営業キロは記載がありません。


なお、連絡乗車券は乗車券のみであり座席指定がありませんので、事前に日時・便を指定した座席券の交付を受ける必要があります。
JR西日本の窓口ではバスの座席指定はできないため、西日本JRバスの窓口で連絡乗車券を提示し指定席を確保しました。津山駅の窓口では扱った例がないと断られるかもしれないと思い、指定券の発行は大阪駅JR高速バスターミナルでお願いしました。
大阪駅のJRバス窓口の方はJRマルス券の連絡乗車券をご存知で、発券自体はスムーズでした。回数券で座席指定を受けるのと同じようなイメージなのかもしれません。津山駅で連絡乗車券を提示し、指定券の交付を受けることは可能なのでしょうか。



JR西日本西日本JRバスの連絡範囲は以下のとおりです。
JR西日本:各駅
西日本JRバス
・中国高速線 大阪・新大阪接続:西宮北インター〜津山間
       津山接続:大阪駅〜中国勝間田間
・若江線   近江今津接続:上中・小浜
       上中・小浜接続:近江今津
※2016年3月以降、京都接続の高雄・京北線への連絡乗車券は廃止されました。



なお、この乗車券の着駅名「大阪駅JR高速BT(おおさかえきじぇいあーるこうそくばすたーみなる)」はカナ23文字です。
日本一長い駅名で知られる南阿蘇鉄道高森線「南阿蘇水の生まれる里白水高原(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげん)」及び鹿島臨海鉄道大洗鹿島線「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前(ちょうじゃがはましおさいはまなすこうえんまえ)」のカナ22文字を上回っていますが、バス停留所名は一般的に「駅名」には含まれませんね(※)。
※ただし、連規第3条第12号においては「駅」を「旅客の取扱いをする停車場・自動車営業所又は取扱所」と定義しています。規定の上ではバス停も「駅」です。

この乗車券ですが、マルス券ではありますがバス区間で終了する乗車券でもあるので下車時には回収されてしまいます。使った上で残すというのは難しいと思います。
中国高速線は20年くらい前の資料では美作インター駅において途中下車が可能となっていたようですが、現在はその他の駅を含めて途中下車可否自体が不明です。

連規上は乗車券について途中下車可を原則(連規第76条本文)とし、途中下車できないケースを別に定めています(同条第1号〜第3号、第5号)。一方で自動車線区間については途中下車不可を原則とし、特別に認めた場合は可としています(同条第4号)。鉄道区間とは考え方が逆で、自動車線においては途中下車しない前提(※)ということなのでしょう。
※ただし、東名ハイウェイバスにおいては栄、千種駅前、本山、星ヶ丘、名古屋インター、浜松インター、霞が関の停留所以外では途中下車可としています。公式サイトにも記載されています。

【旅客営業規則】
(特定区間における旅客運賃・料金計算の営業キロ又は運賃計算キロ)
第69条 第67条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる区間の普通旅客運賃・料金は、その旅客運賃・料金計算経路が当該各号末尾のかっこ内の両線路にまたがる場合を除いて、○印の経路の営業キロ(第9号については運賃計算キロ。ただし、岩国・櫛ヶ浜間相互発着の場合にあっては営業キロ)によって計算する。この場合、各号の区間内については、経路の指定を行わない。
(1)〜(6)略
(7)大阪以遠(塚本又は新大阪方面)の各駅と、天王寺以遠(東部市場前又は美章園方面)の各駅との相互間
  福島経由大阪環状線
 ○天満経由大阪環状線
(以下略)

(新大阪駅又は大阪駅発又は着となる片道普通旅客運賃の計算方)
第88条 新大阪駅又は大阪駅と姫路駅以遠(英賀保京口又は播磨高岡方面)の各駅との相互間の片道普通旅客運賃は、姫路駅を経由する場合に限り、大阪駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによって計算する。

(乗車券類の駅名等の表示方)
第187条 乗車券類の駅名及び旅客運賃・料金の表示方は、次のとおりとする。
(1)〜(5)略
(6)第88条の規定により旅客運賃を計算する場合の乗車券の駅名の表示方は、「新大阪・大阪から」、「大阪・新大阪ゆき」の例により表示する。
(以下略)


【旅客連絡運輸規則】
(用語の意義)
第3条 この規則におけるおもな用語の意義は、次のとおりとする。
(1)〜(11)略
(12)「駅」とは、旅客の取扱いをする停車場・自動車営業所又は取扱所をいう。
(以下略)

(準用規定)
第45条 旅客規則第71条、第74条の4、第74条の5、第75条、第76条、第88条及び第89条の規定は、この節に準用する。
(注)準用する旅客規則の内容は、次のとおりである。
第71条 営業キロを定めていない区間の旅客運賃・料金の計算方
第74条の4 特別急行列車の個室を占有使用する場合の旅客運賃・料金
第74条の5 急行列車の設備定員が複数の寝台個室を使用する場合の旅客運賃・料金
第75条 旅客運賃・料金の概算収受
第76条 旅客運賃・料金割引の重複適用の禁止
第88条 新大阪駅又は大阪駅発又は着となる片道普通旅客運賃の計算方
第89条 北新地駅発又は着となる片道普通旅客運賃の計算方

(特定都区市内にある旅客会社線駅又はこれに接続する連絡会社線駅発着旅客に対する旅客会社線区間の片道普通旅客運賃の計算方)
第46条 東京都区内、横浜市内(川崎駅、尻手駅八丁畷駅及び川崎新町駅並びに鶴見線各駅を含む。)、名古屋市内、京都市内、大阪市内(新加美駅を除く。)、神戸市内(道場駅を除く。)、広島市内(海田市駅及び向洋駅を含む。)、北九州市内、福岡市内(姪浜駅下山門駅今宿駅九大学研都市駅及び周船寺駅をく。)、仙台市内又は札幌市内(以下これらを「特定都区市内」という。)にある旅客会社線の駅又はその駅に接続する連絡会社線の駅を発駅又は着駅とする場合であって、旅客規則第86条に規定する当該特定都区市内の中心駅(以下「中心駅」という。)から、旅客会社線営業キロが片道200キロメートルを超える区間内にある駅との場合の旅客会社線区間の片道普通旅客運賃は、当該中心駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによって計算する。
ただし、特定都区市内にある駅又はその駅に接続する連絡会社線の駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内の外を経て、再び同じ特定都区市内を通過するとき、若しくは特定都区市内にある駅又はその駅から接続する連絡会社の駅を着駅とする場合で、発駅からの普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内を通過して、その特定都区市内の外を経るときを除く。
(以下略)

(大人普通旅客運賃)
第48条 大人普通旅客運賃は、次の各号に定めるところにより計算した額とする。
(1)大人片道普通旅客運賃は、次に掲げる旅客会社線と連絡会社線の大人片道普通旅客運賃を併算した額とする。
イ 旅客会社線 旅客規則の定めるところによって計算した運賃
ロ 連絡会社線 別に連絡会社線ごとに定める旅客運賃
(以下略)

(乗車券の有効期間)
第75条 乗車券の有効期間は、別に定める場合を除いて、次の各号による。
(1)普通乗車券
 イ 片道乗車券
  (イ) 一般の場合
   a JR自動車線にまたがるものを除き、旅客会社の営業キロと連絡会社の営業キロ程(旅客運賃計算キロ程の定めのあるときはそのキロ程、旅客規則第14条、第69条から第71条まで、第86条及び第87条の規定により旅客会社線の旅客運賃を計算するときは、同第154条第2項に規定する営業キロ。以下、この章において同じ。)を通算し、旅客規則第154条第1項第1号イ本文の規定によって算定する。
   b JR自動車線にまたがる場合の有効期間は、次の各号の期間を合算したものとする。ただし、全区間のキロ程が100キロメートルまでのときは、1日とする。
    (一)JR自動車線以外の区間 aの規定により算定した期間
    (二)JR自動車線区間 1日
(以下略)

(途中下車)
第76条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によって、その券面に表示された発着区間内の着駅(旅客運賃が同額のため2駅以上を共通の着駅とした乗車券については最終着駅)以外の駅に下車して出場した後、再び列車等に乗り
継いで旅行すること(以下「途中下車」という。)ができる。ただし、次の各号に定める駅(連絡接続駅を除く。)においては、途中下車をすることができない。
(1)全区間のキロ程が片道100キロメートルまでの区間に対する普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅。ただし、列車等の接続等で、接続関係等の理由により、旅客が下車を希望する場合を除く。
(2)第46条及び第47条の規定によって発売した乗車券を使用する場合は、当該乗車券の券面に表示された発駅又は着駅と同一の特定都区市内又は東京山手線内の旅客会社線
(3)前条第1項第1号イの(ロ)に規定する区間に発着する普通乗車券所持の旅客は、その区間内の駅
(4)自動車線区間の駅。ただし、運輸機関が指定した駅を除く。
(5)運輸機関が特に途中下車できない駅を指定した場合は、その指定した駅
(以下略)

(準用規定)
第83条 旅客規則第184条・第187条及び第188条の規定は、この節に準用する。
(注)準用する旅客規則の内容は、次のとおりである。
第184条 この章に規定する乗車券類の様式の変更又は補足等
第187条 乗車券類の駅名等の表示方
第188条 旅客運賃・料金の割引等に対する表示

【旅客営業取扱基準規程】
(特定区間を再び経由する場合の普通旅客運賃の計算方)
第109条 規則第69条及び同第70条に規定する区間の一方の経路を通過した後、再び同区間内の他の経路を乗車する場合の普通旅客運賃は、旅客の実際に乗車する経路の営業キロ又は運賃計算キロによつて計算することができる。
(以下略)

【旅客連絡運輸取扱基準規程】
(準用規定)
第31条 旅客規程第108条、第109条、第111条、第113条、第116条、第119条から第120条の2まで、第122条から第127条まで、第130条、第130条の2、第131条の2から第133条の2まで、第136条の3及び第136条の4の規程は、この章に準用する。この場合、旅客規程第120条の2の規程により期間を調整して発売する定期乗車券の運賃及び同第125条の規定により団体に附加する個人割引の旅客の運賃は、旅客会社線(JR自動車線を含む。以下この条において同じ。)及び各連絡会社線(JR自動車線を除く。以下この条において同じ。)ごとに計算(旅客会社線区間については端数整理し、連絡会社線区間については10円未満の端数を10円に切り上げた額)したものを併算した額とする。
(注)準用する旅客規程の内容は、次のとおりである。
第108条 旅客運賃及び料金の消費税の免除
第109条 特定区間を再び経由する場合の普通旅客運賃の計算方
第111条 旅客の区分による旅客運賃及び料金適用上の特例
第113条 概算額の収受方
第116条 西小倉・小倉間及び吉塚・博多間の区間外乗車に係わる大人片道普通旅客運賃計算方の特例
第119条 2区間以上の区間に対する定期旅客運賃の計算方
第120条 事業所と指定学校とに通う場合の定期旅客運賃の計算方
第120条の2 有効期間を調整して発売する場合の定期旅客運賃の計算方
第122条 一部人員の乗車区間が異なる場合の無賃扱人員等の取扱方
第123条 団体旅客が所定の人員に満たない場合の団体旅客運賃の計算方
第124条 団体旅客運賃計算方等の特例
第125条 団体構成の特例扱いの場合の団体旅客運賃の計算方
第126条 実際乗車人員が責任人員に満たない場合の団体旅客運賃及び料金の計算方
第127条 団体旅客運賃を計算する場合の営業キロ又は運賃計算キロ通算方等の特例
第130条 団体旅客が所定の人員に満たない場合の急行料金の計算方
第130条の2 一部人員の利用施設が異なる場合の無賃扱人員に対する急行料金の取扱方
第131条の2 特別車両料金を計算する場合の営業キロ通算方の特例
第132条 一部人員が特別車両に乗車する場合の無賃扱人員に対する特別車両料金の取扱方
第133条 団体旅客が所定の人員に満たない場合の特別車両料金の計算方
第133条の2 団体旅客又は貸切旅客に対する特別車両料金収受の特例
第136条の3 団体旅客が所定の人員に満たない場合の座席指定料金の計算方
第136条の4 一部人員が指定席を使用する場合の無賃扱人員に対する座席指定料金の取扱方