大和西大寺から大和西大寺への乗車券・特急券

大和西大寺から大和西大寺への片道乗車券です。近畿日本鉄道の特殊補充券で発売頂きました。
過去にご紹介した一周乗車券と発着駅は同じですが、経路が異なっています。

今回の経路は以下のとおりです。
大和西大寺(橿原線)大和八木(大阪線)布施(奈良線)大和西大寺

片道73.5km、運賃は1040円となります。近鉄は同社旅客営業規則第99条で途中下車を取り扱わないと定めているため、改札外乗り換えとなる駅を除き距離にかかわらず途中下車はできません。
経由は「大和八木・布施」とあります。この乗車券では大阪線奈良線の乗換駅が布施となっていますが、布施を通過する列車を利用している場合は隣の鶴橋での乗り換えが認められています。奈良線特急はすべて布施を通過しますので、別途運賃を支払うことなく鶴橋で乗り換え出来ます。



大和西大寺から大和西大寺への特急券です。特急券についても特殊補充券で発売頂きました。
乗車券と同じく、同一駅に帰ってくる一周の特急券です。

一周乗車券はJRや環状線をもつ鉄道会社で発売されることがありますが、JRを含め一周の特急券というものは見たことがありません。近鉄の大和八木〜鶴橋〜大和西大寺〜大和八木間相互が現在唯一の事例ではないかと思うのですが、どうなのでしょうか(※)。
※かつては函館や岡山で指定席を連結し環状運転を行う列車がありました。

近鉄特急券は、同第52条の2の規定により乗換駅における乗り継ぎが30分以内であれば特急料金が通算されます。
経由は「大和八木・鶴橋」とあり、乗車券の経由の記入と異なっています。これは、特急券には乗車券のように折り返し区間である布施〜鶴橋間を無料とする特例がないことが理由と思われます。このため乗車経路に従い布施〜鶴橋の往復分を含む経路で特急料金が計算されます。

以下の3列車を乗り継ぎました。
(1) 大和西大寺→大和八木 (賢島行き 大和西大寺16時45分発 20.5km)
(2) 大和八木→鶴橋 (大阪難波行き 大和八木17時05分発 33.7km)
(3) 鶴橋→大和西大寺 (近鉄奈良行き 鶴橋17時46分発 25.3km)

合計79.5kmですので、41〜80kmまでの特急料金である870円が一周の特急料金になります。
乗車券の営業キロとは6.0kmの差があり、これは布施〜鶴橋間の往復に相当します(片道3.0km)。

近鉄ASKA端末ではこのような特急券は発売できないようで、端末で乗り継ぎ3列車分の指定席のみを確保した後、特殊補充券に発車時刻・席番号を転記し発売頂きました。指定欄は1列車分の指定席しか記入できないため、2列車目・3列車目は記事欄に記入されています。

特別急行券の乗継ぎ発売)
第52条の2 旅客が特別急行列車の運行形態等の事由により乗継ぎをする場合は、乗継駅での接続時分が30分以内に限って、1枚の特別急行券でキロ程を通算した特別急行料金により発売する。但し、特別車両Aから特別車両Aを乗り継ぐ場合を除く。

(途中下車)
第99条 旅客は旅行開始後、その所持する乗車券によって、その券面に表示された発着区間内の着駅以外の駅に下車して出場した後、再び列車に乗り継いで旅行することができない。但し、次の各号に定める駅を除く。