相模鉄道からJR東日本への往復連絡乗車券

平沼橋から桜木町への往復の連絡乗車券です。特別補充券により発売されました。

経路は以下のとおりです。
平沼橋(相鉄本線)横浜(根岸線)桜木町

相模鉄道:0.9km、140円
JR東日本:2.0km、130円
この区間は乗継割引10円が適用されますので、片道の運賃は260円、往復乗車券の場合は2倍で520円が発売額となります。
相模鉄道は自社線完結を含め通常は往復乗車券を発売しないのですが、制度上は自社線完結の他にJR東日本連絡の往復乗車券の発売も可能です。自動券売機では片道乗車券しか発売していないため、特別補充券による発売となります。
ただし、制度上は発売可能とはいえ横浜を除き下車できない乗車券です。あらかじめ往復乗車券を購入しておかなければならない理由は特に無く、自動券売機で発売していないことから往復乗車券の発売実績は皆無といっていいでしょう。駅での発売は、まず断られるものと思われます。
なお、相模鉄道株式会社 旅客営業規則第18条(1)において、普通乗車券として片道乗車券・往復乗車券を発売する旨は規定されています。

券面はご覧のとおりかなり傷んでおり、相当古いものと思われます。
裏面を見てみます。

(1)列車のグリーン料金及びA寝台料金には、通行税が含まれています。
(2)発駅または着駅が、札幌市内(略)、その区間内にある国鉄各駅で乗車又は 下車できますが、(後略)

「通行税」「国鉄線」……。この他、福岡市内から筑肥線の各駅が除外されることが言及されていません。
これは一体いつの補充券なのでしょうか。そう思って表面を見ると、発行日欄は「平成」とあります。

時系列順に並べてみると、以下のようになります。

1983年3月22日 筑肥線一部廃止、姪浜周船寺間が福岡市内から除外
1987年3月31日 日本国有鉄道廃止
1989年1月8日 元号が平成に
1989年3月31日 通行税廃止


発行日が平成となっていることから1989年以降に印刷されたものであることは間違いありませんが、国鉄は昭和のうちに廃止されています。また平成となって3ヶ月あまりで通行税が廃止されています。
このことから推測すると、おそらく国鉄・JRや税制が変更されても裏面の表記は過去に作成した当所のまま修正していないものと思われます。元号が平成となった時に表面の発行日欄のみ修正しましたが、裏面の記述はそのままとしたためこのようになっているのではないでしょうか。

なお通行税は1989年4月1日の消費税導入の際に廃止されましたが、それ以前はグリーン料金とA寝台料金は10%の通行税を含む料金となっていました。過去の料金券には「料金税共」などの表記がありました。