POS端末設置駅での旧運賃乗車変更(JR西日本)

広島市内から大阪市内への片道乗車券です。
3月30日に購入した乗車券を、5月3日から有効のものとして4月30日に変更しました。


広島市内〜大阪市内は営業キロ345.4kmで現行の運賃では5620円ですが、消費税増税前の3月30日に購入した原券からの変更であるため旧運賃の5460円となります。

この乗車券は紀勢本線紀三井寺駅で変更しました。紀三井寺駅にはみどりの窓口はなくPOS端末設置の出札窓口があります。
前回の記事で触れたとおりJR西日本のPOS端末は旧運賃での乗車変更に対応していないようで、管理駅(または大阪指定席計画?)に増税前運賃を問い合わせ、出札補充券で発券となります。
とはいえ乗車変更自体を取り扱わない駅、旧運賃の乗車変更だけは不可としている駅など、実際にPOS端末設置駅で出札補充券を用いて旧運賃での乗車変更を行う駅は少なかったようです。例えば奈良線呉線内のPOS設置駅では旧運賃での乗車変更は扱っていなかったようです。
紀三井寺駅で旧運賃の乗車変更が可能かどうか伺ってみたところ、手書きの乗車券となるため少し時間がかかりますが出来ます、とのことでしたので発券頂きました。


券面を見てみます。
もともと和歌山駅にあった出札補充券の発行箇所を修正して使用しています。「和歌山駅D」が「和歌山駅紀三井寺)」になっていますが、2つの駅名が記載されているのはどういう意味なのでしょうか。
事由が「1 片道」「2 往復」だけで「3 新在往」「4 新在復」がありません。また、再掲は「連社1」「連社2」ではなく「自動車運賃」「連社運賃計」となっています。
発行日欄に至っては「昭和」とあるものを「平成」に修正しています。かなり古い様式のようです。

JR発足が昭和62年で昭和は64年まででしたので、JR発足時に和歌山駅に設備されたものが使い切る前に紀三井寺駅で使われるようになったということなのでしょうか。
一部の私鉄の補充券では昭和のものが今もありますが、JRの補充券では初めて見ました。
紀三井寺駅は料金専用補充券で指定券を発売しているようですが、出札補充券を用いた乗車券の発売はほとんど行われていないのでしょう。


裏面です。

特定都区市内や大都市近郊区間の表記が旧制度のままというのはよくありますが、「グリーン料金及びA寝台料金には、通行税1割が含まれています」とあるJRの補充券も初めて見ました。
通行税は平成元年4月の消費税導入により廃止されましたので、昭和の時代に設備された出札補充券であれば、この表記もある意味当然とも言えます。


ところで、平成26年4月1日から仙台近郊区間が大都市近郊区間に追加されました。
現在では途中下車に関連した表記は、「(2)片道の営業キロが100キロメートル以内の区間の乗車券並びに東京、大阪、福岡、新潟及び仙台近郊区間内各駅相互発着の乗車券として発行したものは、途中駅で下車したときは、前途は無効です。」が正しい内容ということになります(東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第225条第1号)。
「仙台近郊区間」が反映された出札補充券・改札補充券というものは、現時点で実在するのでしょうか?

2015年2月10日追記 紀三井寺駅は2014年11月27日から出札窓口にマルス端末が設置され、みどりの窓口のある駅となりました。