弘南鉄道の車内補充券

10月に日比谷公園で開催された鉄道フェスティバル弘南鉄道ブースでは車内補充券を発売していました。


黒石から弘前への車内補充券です。

かつては駅にも特別補充券があったようですが、現在はないとのことでした。
営業キロ16.8km、運賃は460円です。

第18列車乗務員発行とあります。現行ダイヤでは黒石駅9:50発、弘前10:19着の列車です。
弘南線は沿線高校登校日の朝、4両編成の1往復(※)に限り車掌乗務の列車があるようです。それ以外は全てワンマン運転です。
※黒石7:20発弘前行き第8列車、弘前8:00発黒石行き第9列車

裏面です。
「通行税」や「国鉄線各駅」といった時代を感じさせる表記が残っています。この車内補充券が使用される機会がほとんどなかったのでしょう。
車内補充券らしく精算欄や概算収受の記載があります。




弘南線の下り車内片道乗車券です。
弘前から黒石までの区間のものを販売していました。黒石駅乗務員発行とあります。

区間の運賃は券面では370円となっていますが、現行運賃では460円です。
「運賃変更」のはんこが押印され、その下に「¥460-」と手書きされています。

現行の弘南線と比べると、以下の点が異なっています。
・運賃が異なる(前述)。
・廃止された黒石線 前田屋敷・川部の記載がある。
・駅名が異なる。東工業高前→弘前東高前。
・駅名の記載がない。尾上高校前・田んぼアート


弘前東高前駅の駅名の変遷は以下のとおりです。
松森町(1927年)→南弘前(1929年)→東工業高前(1998年4月1日)→弘前東高前(2005年)

黒石線は1998年4月1日に廃止されました。尾上高校前駅の開業は2005年、田んぼアート駅の開業は2013年です。
弘南線の運賃は資料がないためこの乗車券がいつのものかは不明ですが、1998年に南弘前が東工業高前に改名され、黒石線が弘南バスに転換された際に作成されたものではないかと思われます。前田屋敷・川部が太線で囲まれているのは、バス路線であることを強調しているのでしょうか。




大鰐線の下り車内片道乗車券です。
こちらは大鰐から中央弘前への区間13.9kmのものを430円で発売していました。


券面は340円ですが、現行運賃では430円です。
中央弘前駅乗務員発行とあります。大鰐線も基本的にはワンマン運転であり、この乗車券が使用されることはまず無いといえるでしょう。

現行の大鰐線との差を見てみます。
・運賃が異なる(前述)
・駅名が異なる。城南→聖愛中高前、西弘前弘前学院大前。
・駅名の記載がない。石川プール前。

石川プール前の開業は2002年、聖愛中高前、弘前学院大前駅の改名は2008年です。
駅に関する変更が近年のものに限られており、いつ頃のものなのか残念ながら見当もつきません。




以上の乗車券は全てイベントで購入したものですが、探してみたところ現地で購入した弘南線の車内片道乗車券が見つかりました。
黒石から境松への上り片道乗車券として発券いただいたものです。車内ではなく駅で購入しました。


黒石→境松間は170円になっていますが、購入した当時の運賃は200円でした。
・運賃は現行運賃、2014年消費税増税前の運賃、前述の車内片道乗車券記載の運賃、どれとも異なっている。
・黒石線は削除されている。
・東工業高前が弘前東高前になっていない。
田んぼアート駅がない。
・尾上高校前が開業している。

弘前東高前に改名後、尾上高校開業後ということは2005年以降のものです。初乗り170円は2007年頃の運賃のようです。
2007年以降に作成されたものなのでしょうか。