新幹線&鉄道博物館きっぷです。
ゆき券・かえり券は「発駅→乗換駅→着駅」という変わった表記になっています。
東京都区内〜大宮のJR線乗車券、東京・上野〜大宮間の新幹線自由席特急券(※)、大宮〜鉄道博物館(大成)の埼玉新都市交通ニューシャトル伊奈線乗車券のそれぞれの往復分と、鉄道博物館入場引換券がセットになった特別企画乗車券です。
※JR東日本の案内ページでは在来線特急・急行の普通車自由席も可となっています。
最初の発売は2012年9月で、通年発売ではありませんが長期休暇に合わせ定期的に発売されています。なお、発売は改札外の指定席券売機に限られ、窓口での発売はありません。発売価格は大人3580円、小児1010円です。発着駅は東京都区内に限られますが、発売箇所は広く首都圏のJR東日本の駅の指定席券売機で扱っています。
東京・大宮間のJR乗車券大人550円小児270円、新幹線自由席特急券大人1070円小児530円、大宮・鉄道博物館間のニューシャトル乗車券大人190円100円、鉄道博物館入場料金大人1000円小中高生800円で、正規運賃・料金・入場料の合計は大人4620円(22%引)、中高生4420円(19%引)、小学生2600円(61%引)で小児が非常に安く、親子連れを想定した価格設定となっています。
JR東日本と埼玉新都市交通の連絡運輸は定期乗車券のみとなっており、普通乗車券は発売していません。特別企画乗車券だからこそ発売できたといえます。
また、JR側の発着駅は「東京(都区内)」となっています。特定都区市内の条件を満たさないケースでも特別企画乗車券で例外的に設定する場合もあります(※)が、東京・大宮のような近距離で設定されるケースは他に知りません。
※例えばあずさ回数券においては東京・甲府134.1km、東京・竜王138.6kmと特定都区市内を満たさないケースでも、「新宿(都区内)⇔甲府・竜王」のように設定されています。
ところで、この乗車券の下部には「(2− )」の印字があります。
発売会社のJR東日本自社完結でありJR他社が関係しないことを意味するのですが、JR東日本のおトクなきっぷの説明では東海道・山陽・九州新幹線においてのぞみ・みずほ、その他の新幹線(ひかり・こだま・さくら・つばめ)とも全設備で運賃のみ有効を示す「▲」となっています。
つまり東京都区内に含まれる東海道新幹線である東京・品川間は、新幹線&鉄道博物館きっぷと同区間の特定特急券で利用できるということになります。
もちろん、このきっぷに新幹線特急券を買い足してまで東京・品川間で新幹線を利用したいという需要は皆無と言っていいでしょうが、実際にかえり券で試してみたところ新幹線&鉄道博物館きっぷ+東京→品川の特定特急券で東京駅の新幹線自動改札機を通過出来ました。入場印字にも対応しています。
【鉄道博物館 入館引換券 大人用】です。
入館証引換時に鉄道博物館オリジナルグッズがプレゼントされます。現在は鉄道路線図です。
なお、引換券には有効日の印字がありません。使用時は有効なかえり券の提示が必要です。また、入館引換券使用後は乗車券部分が未使用であっても払戻しができなくなります。券面右下の「※80大人」は何を意味するのでしょうか。鉄道博物館側の管理で必要な印字なのかもしれません。
【きっぷのご案内】です。
券面最下行には「東海道新幹線は利用できません」とあります。JR東日本公式サイトの記述と矛盾し、また自動改札機の挙動とも一致していません。
これは「このきっぷだけで東海道新幹線は利用できない、新幹線特急券が別途必要」という趣旨の記述なのでしょうか。そうは読み取れません。東海道新幹線については乗車券としても無効、という意味で記載しているものと思われます。
公式サイト、自動改札機の挙動ときっぷのご案内券の内容が一致していない状態ではありますが、もちろん前述のとおり東京・品川間だけで新幹線を利用する旅客など通常考えられませんから、現実的には現状のままで何も問題はありません。
【おまけ】
JR東日本の特別企画乗車券で東京山手線内・東京都区内で有効なものについて、東海道新幹線の利用可否をまとめてみました。
初めから東海道新幹線を対象とするもの、JR6社共通のものなどは除いてあります。
▲は運賃のみ有効、×は使用不可を示します。
商品名 | のぞみ号 | ひかり号 こだま号 |
---|---|---|
大人の休日倶楽部会員限定 北陸フリーきっぷ ※1 | ▲ | ▲ |
世界遺産 ・富士山フリー乗車券 ※1※2 | ▲ | ▲ |
南伊豆フリー乗車券 ※1 | ▲ | ▲ |
南房総フリー乗車券 ※1 | ▲ | ▲ |
富士五湖ぐるり乗車券 ※1※3 | ▲ | ▲ |
みなみ北海道フリーきっぷ ※1 | × | ▲ |
北海道全線フリーきっぷ ※1 | × | ▲ |
新幹線&鉄道博物館きっぷ | ▲ | ▲ |
N’EX往復きっぷ(グリーン車) | ▲ | ▲ |
JR・東武 日光・鬼怒川往復きっぷ ※1 | ▲ | ▲ |
N’EX往復きっぷ(普通車) ※1 | ▲ | ▲ |
大人の休日倶楽部パス(東日本) | × | × |
大人の休日倶楽部パス(東日本・北海道) | × | × |
休日おでかけパス | × | × |
三連休乗車券 | × | × |
週末パス | × | × |
都区内パス | × | ▲ |
東京フリーきっぷ | × | ▲ |
新幹線回数券(グリーン車) ※4 | ▲ | ▲ |
新幹線回数券(普通車) ※4 | ▲ | ▲ |
新幹線自由席回数券 ※4 | ▲ | ▲ |
あずさ回数券 | ▲ | ▲ |
首都圏週末フリー乗車券 | × | × |
中央線東京週末フリー乗車券 | × | × |
東京フリー乗車券 | × | × |
※1 東京都区内発着の場合のみ
※2 2015/9/30までの発売
※3 2015/9/15からの発売
※4 JR東日本の新幹線の回数券 詳細はリンク参照
東京都区内発着の場合は可の傾向が見えますが、それ以外の規則性は見えてきません。のぞみ号を除外する基準も不明です。
利用できたとしても東京・品川間のみであり実際の需要がまずない区間であるため、商品設定の時期により異なっているのだと考えられます。