西武鉄道 池袋線・新宿線の三線連絡乗車券

秋津から小平への片道乗車券です。西武鉄道の特別補充券による発売です。

この乗車券の経路は秋津(池袋線)池袋(山手線)高田馬場(新宿線)小平です。
経由欄は「池袋 高田馬場」、同区間でJR線を経由する三線連絡の乗車券です。

営業キロ・運賃は西武鉄道 池袋線区間が21.8km 300円、JR線が2.1km 140円、西武鉄道 新宿線区間が20.6km 300円です。三線合計で44.5km、740円となります。JR線の通過連絡とは異なり、前後の西武線営業キロは通算されません。時間帯によりますが所要時間は約1時間です。
所沢経由の秋津(池袋線)所沢(新宿線)小平の場合は9.3km、運賃210円(IC206円)、所要時間約20分です。運賃・所要時間とも三線連絡とする理由はあまりありません。


新秋津から新小平、西武線の発着駅名に「新」を付けた区間のJR線片道乗車券です。
券面のとおり武蔵野線経由で営業キロ5.6km、運賃は160円(IC154円)です。

秋津と新秋津は徒歩5分ほどですが小平と新小平は徒歩で30分、約2km離れています。新小平からであれば多摩湖線 青梅街道の方が小平より近くに位置します。
秋津→小平よりも新秋津→新小平は安価ではありますが、代替路とはなり得ません。

なお、新秋津→秋津、新小平→小平の連絡乗車券は池袋・東飯能高田馬場国分寺・拝島の各接続駅経由で発売可能です。
西武鉄道では武蔵野線を連絡範囲外としているようです。武蔵野線JR東日本が発売する場合のみ連絡範囲ということになります。


かつて首都圏のJR線と会社線では普通乗車券における三社・四社連絡、三線連絡といった複雑な連絡運輸が規程上は多数設定されていましたが、2014年4月1日以降ほぼ全廃となっています。
消費税増税に伴い、首都圏においてはICカード利用時1円単位の運賃が設定されるようになり多くのケースで運賃が乗車券≧ICカードとなること、ICカードと手帳提示で出場駅にてIC運賃に対する割引が受けられることが各社で定められたことから、2社・2線を超える連絡運輸を残しておく理由が薄れたことが理由と思われます。なお、定期乗車券においては現在も引き続き多数の連絡運輸が設定されています。

一方で平成26年4月1日現在の東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則別表・旅客連絡運輸取扱基準規定別表の(232)西武鉄道株式会社線においては、普通乗車券としてJR線池袋・高田馬場間を介した西武鉄道三線連絡運輸が記載されています(JR東日本では発売しない旨の記載あり)。
社線発着ですのでJRでは発売しませんが、西武鉄道では現在でも有効な連絡運輸のようで、連絡範囲・運賃を確認のうえ発売可とのことでしたので発券頂きました。
西武鉄道の特別補充券はJRの出札補充券のように指定席を記入する欄もあり、臨時列車「おくちちぶ」の記載もあります。事由欄にあるとおり特急券としても使用可能なようですが、実際使われることはまずないでしょう。


現在、首都圏でJR東日本が関係する普通乗車券での三社連絡・三線連絡は以下の2例のみです。
(1)JR東日本-東京メトロ-東葉高速鉄道(三社連絡運輸)
(2)西武鉄道-JR東日本-西武鉄道(三線連絡運輸)
京浜急行電鉄JR東日本→私鉄各社(京王電鉄経由小田急電鉄小田急電鉄経由京王電鉄の4社含む)、相模鉄道JR東日本→私鉄各社の三社・四社連絡は、東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸取扱基準規程別表上では2014年4月1日以降も「JR東日本では発売できない」の記載を含め、なぜか削除されず残っていますが社線側でも発売していないようです。連基別表の削除漏れと思われますが、詳細は不明です。

(1)は直通電車の運転があるための発売で自動券売機でも取り扱っていますが、(2)についてはどのような利用を想定しているのかがよくわかりません。
普通乗車券における西武鉄道-JR東日本-会社線各線(東武鉄道京成電鉄小田急電鉄京王電鉄東京急行電鉄京浜急行電鉄)の三社連絡は全て廃止されていますので、三線連絡運輸については何らかの意図があって残しているものと思われますが、それが何なのか残念ながら知る方法はありません。


JR線を介した西武鉄道三線連絡範囲は以下のとおりです。
西武鉄道池袋線 椎名町〜秋津間、西武有楽町線 新桜台
JR東日本高田馬場・池袋間(経由)
西武鉄道新宿線 西武新宿・下落合〜小平間
※東日本会社線では、発売が出来ない。