第三セクター線通過連絡の乗車券

2015年3月14日の北陸新幹線 長野〜金沢間開業に合わせ、並行在来線第三セクター線に転換されます。3月14日から有効開始となる通過連絡の乗車券がJR東日本指定席券売機で発売できるようになっていたので、いくつか購入してみました。


黒井から飯山への片道乗車券です。


この乗車券の経路は黒井(信越本線)直江津(妙高はねうまライン)上越妙高(北陸新幹線)飯山JR東日本-えちごトキめき鉄道-JR東日本の形態となる通過連絡の乗車券です。
運賃はJR線が黒井〜直江津間幹線2.7km、上越妙高〜飯山間幹線29.6kmで合わせて幹線32.3kmで運賃は580円、えちごトキめき鉄道線の直江津上越妙高間240円と合わせて820円となります。

上越妙高から北陸新幹線の飯山以遠はJR東日本糸魚川以遠はJR西日本です。糸魚川(以遠)を着とするものも発売可能でした。名古屋(市内)を発駅とするものでも発売可能でした。未確認ですが、おそらくえちごトキめき鉄道直江津上越妙高間はJR6社各駅相互間と通過連絡運輸を行っているのではないでしょうか。
これは新潟〜上越妙高間(直江津接続、えちごトキめき鉄道線経由)で特急しらゆき号を運転しており、直江津を経由し上越妙高で新幹線と乗り継ぐ場合の乗継割引が新たに設定される(3月14日乗車となるものから適用される東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第57条の2第1号のイ)ようになったためと考えられます。

経由欄は「信越直江津・トキめき・上越妙高・新幹線・飯山」とあります。えちごトキめき鉄道は「トキめき」と印字されています。



西金沢から中津幡への片道乗車券です。


西金沢(北陸本線)金沢(IRいしかわ鉄道線)津幡(七尾線)中津幡、金沢と津幡間でIRいしかわ鉄道線を経由しています。北陸本線七尾線ともJR西日本の路線で、JR東日本区間を経由していませんがJR東日本の駅で発売できることから、金沢・津幡間の通過連絡もJR6社相互間で発売可能なのでしょう。
金沢・和倉温泉間に特急能登かがり火5往復、大阪・和倉温泉間に特急サンダーバード1往復で計6往復の特急列車が運転ことと関連していると考えられます。

運賃はJR線が西金沢〜金沢間幹線3.7km、津幡〜中津幡地方交通線1.8kmの合計5.5km 190円とIRいしかわ鉄道線金沢〜津幡間270円で460円となりますが、乗継割引が適用されるため発売額は350円となります。IRいしかわ鉄道のプレスリリースではJR-社の割引しか言及していませんが、通過連絡の場合にも割引の設定があるようです。IRいしかわ鉄道は経由欄で「IRいしかわ」と印字されています。


越後湯沢から春日山への片道乗車券です。


越後湯沢(上越線)六日町(ほくほく線)犀潟(信越本線)直江津(妙高はねうまライン)春日山の経路で、JR東日本-北越急行-JR東日本-えちごトキめき鉄道の形態となる三社連絡+通過連絡の乗車券です。
この連絡運輸の範囲ですが、えちごトキめき鉄道のプレスリリースによるとJR東日本 越後湯沢・塩沢間と、えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン妙高はねうまライン各駅のようです。
JR東日本は現在北越急行を経由して、のと鉄道富山地方鉄道との間で三社・通過連絡運輸を行っていますが、北陸新幹線開業後はこの形態の連絡運輸は廃止されるものと見られています。

運賃はJR東日本が越後湯沢〜六日町間幹線17.6kmと犀潟直江津間幹線7.1kmの合計24.7km 410円に、北越急行六日町〜犀潟間970円、えちごトキめき鉄道直江津春日山間140円を合わせて1520円です。
経由欄は「ほくほく」「トキめき」とあります。


越中八尾から越中中川への片道乗車券です。


この乗車券の経路は越中八尾(高山本線)富山(あいの風とやま鉄道線)高岡(氷見線)越中中川です。
富山・高岡間であいの風とやま鉄道線を経由しています。券面の経由は「あい風とやま」と省略して印字されています。

JR線越中八尾〜富山 地方交通線17.1km、高岡〜越中中川間 地方交通線1.7kmで合わせて地方交通線18.8kmで320円、富山〜高岡間360円と合わせて680円が発売額となります。
高岡からはJR西日本の路線のまま残る氷見線城端線があり、どちらも富山経由高山本線方面との通過連絡運輸を行うことになるようです。


犀潟から姫川への片道乗車券です。


犀潟(信越本線)直江津(日本海ひすいライン)糸魚川(大糸線)姫川の経路です。JR東日本信越本線JR西日本大糸線を、えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン直江津糸魚川経由で連絡しています。

運賃は犀潟直江津間 幹線7.1km、糸魚川〜姫川 地方交通線3.2km(換算キロ3.5km)で運賃計算キロ10.6kmに対する運賃240円と、えちごトキめき鉄道直江津糸魚川間670円の合計で910円となります。経由欄には「トキめき鉄道」とあります。


現在、青森・野辺地・八戸間相互の通過利用の場合に限り青い森鉄道線でも青春18きっぷが利用できる特例がありますが、北陸新幹線開業によりこの特例区間にあいの風とやま鉄道線 富山・高岡間、IRいしかわ鉄道線 金沢・津幡間が追加されることが発表されています。
この2区間については普通乗車券もJR6社各駅相互間で通過連絡が設定されているものと思われます。

なお3月14日現在、JR東日本えきねっとの乗車券申し込みメニューにおいては経営移管される第三セクター線の駅名は反映済み、路線情報は未反映のようです。
したがって(1)長野→金沢(北陸新幹線経由※)、(2)上記の通過連絡の乗車券、(3)JR東日本→社の連絡乗車券はいずれも発売できない状態となっています。
北陸新幹線特急券+乗車券のセットであれば購入可能でした。

【旅客営業規則】
(乗継急行券の発売)
第57条の2
(1)本文略

  急行列車 乗換駅
 新幹線の特別急行列車
○その他の各線区の急行列車(本四備讃線を経由する急行列車と四国内の急行列車を坂出駅又は高松駅で相互に乗り継ぐ場合は、岡山駅を乗継駅とする急行列車に限る。)
ただし、次に掲げる急行列車は除く。
(イ)新青森駅又は青森駅を乗継駅として乗車する寝台車を連結した特別急行列車
(ロ)奥羽本線を経由する急行列車(新青森・青森間のみを乗車する場合に限る。)
新横浜・新下関間の新幹線停車駅、新青森駅青森駅(新青森駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る。)、長岡駅新潟駅長野駅直江津駅(上越妙高駅に直通して運転する急行列車に乗車し、上越妙高駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る。)、金沢駅津幡駅(金沢駅に直通して運転する急行列車に乗車し、金沢駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る。)、大阪駅(新大阪駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る。)、又は坂出駅若しくは高松駅(いずれも岡山駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る。)

(以下略)