北陸新幹線並行在来線の乗継割引・連絡運輸範囲

本日2014年10月27日、北陸新幹線開業による並行在来線を受け持つ第三セクター各社の運賃の上限認可申請の発表がなされました。
各社ともJR線よりも割高な体系となることに加え、会社をまたぐと原則合算となり急激に値上がりすることを緩和するため、乗継割引を設定することも発表されました。

しなの鉄道
 ・北しなの線運賃上限認可申請等について
えちごトキめき鉄道
 ・えちごトキめき鉄道の上限運賃の申請について
 ・えちごトキめき鉄道とJRとの乗継割引運賃の設定について
 ・えちごトキめき鉄道としなの鉄道またはあいの風とやま鉄道との乗継割引運賃の設定について
あいの風とやま鉄道
 ・あいの風とやま鉄道線の上限運賃認可申請について
 ・JR西日本との乗継割引運賃の設定について
 ・IRいしかわ鉄道との乗継割引について
 ・えちごトキめき鉄道との乗継割引ついて
IRいしかわ鉄道
 ・鉄道旅客運賃の上限設定認可申請について
 ・上限運賃
 ・開業時の所定運賃(予定)
 ・IRいしかわ鉄道が発売する範囲図(予定)
 ・IRいしかわ鉄道とJR西日本との乗継割引運賃の設定について
 ・IRいしかわ鉄道とあいの風とやま鉄道との乗継割引運賃の設定について
JR西日本
 ・乗継割引運賃の設定について
 ・あいの風とやま鉄道とJR西日本との乗継割引運賃の設定について
 ・IRいしかわ鉄道とJR西日本との乗継割引運賃の設定について
JR東日本
 ・北しなの線とJR線の乗継割引運賃の設定について
 ・【えちごトキめき鉄道・JR東日本・JR西日本)】乗継割引運賃の設定について

これらの発表から連絡乗車券を発売する範囲を推測してみます。



しなの鉄道
しなの鉄道は軽井沢〜篠ノ井間のしなの鉄道線と、長野〜妙高高原間の北しなの線の2路線となります。
篠ノ井〜長野間は引き続きJR東日本 信越本線となることから篠ノ井・長野を経由とする通過連絡運輸が設定されるとのことです。
「(北しなの線は)しなの鉄道線とは距離を通算して運賃を設定」の記載があります。社〜JR〜社の形態での通過連絡運輸というのは珍しいのではないでしょうか。

通過連絡運輸
JR東日本:長野・篠ノ井間を経由し、しなの鉄道北しなの線 北長野〜黒姫間としなの鉄道線 軽井沢〜屋代高校前間
しなの鉄道篠ノ井・小諸間を経由し、:JR東日本篠ノ井線 松本〜稲荷山間、信越本線 今井〜長野間と小海線 小海〜東小諸間(※1)

【長野接続】JR東日本篠ノ井線 松本〜稲荷山間、信越本線 篠ノ井・安茂里としなの鉄道北しなの線 北長野〜黒姫間
【豊野接続】JR東日本飯山線 信濃浅野〜森宮野原間としなの鉄道 北しなの線 長野〜三才間・牟礼〜黒姫間
妙高高原接続】しなの鉄道北しなの線 長野〜黒姫間とえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン 関山〜直江津
篠ノ井接続】JR東日本篠ノ井線 松本〜稲荷山間、信越本線 今井〜長野間としなの鉄道しなの鉄道線 軽井沢〜屋代高校前間(※1)
【小諸接続】JR東日本小海線 小海〜東小諸間としなの鉄道しなの鉄道線 軽井沢〜平原・滋野〜屋代高校前間(※1)
※1 しなの鉄道線の連絡運輸範囲は発表されていないため現行の連絡範囲から推測したものです。



えちごトキめき鉄道
えちごトキめき鉄道は接続駅からそれぞれ10km以内の区間に設定される乗継割引運賃のみ発表しています。
これが連絡運輸範囲全ての可能性もありますが、現状ではまだ不明です。

直江津接続】JR東日本信越本線 黒井〜潟町間とえちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 上越妙高〜有間川間
糸魚川接続】JR西日本大糸線 姫川〜根知間とえちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 能生〜親不知間
上越妙高接続】えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン 関山〜直江津間としなの鉄道北しなの線 長野〜黒姫(※2)
※2 しなの鉄道が発表している連絡運輸区間と一致しています。
【市振接続】えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 糸魚川〜親不知間とあいの風とやま鉄道線越中宮崎・泊(※3)
※3 あいの風とやま鉄道の発表では「富山〜越中宮崎間と市振〜直江津間」となっています。



あいの風とやま鉄道
発表されている連絡範囲にJR西日本 北陸本線が含まれていますので、あいの風とやま鉄道〜IRいしかわ鉄道JR西日本の三社連絡運輸を行うとみられます。

【高岡接続】あいの風とやま鉄道線越中宮崎〜石動間とJR西日本氷見線 越中中川〜氷見間、城端線 新高岡〜城端
【富山接続】あいの風とやま鉄道線越中宮崎〜石動間とJR西日本高山本線 西富山〜猪谷間
倶利伽羅接続】あいの風とやま鉄道線越中宮崎〜石動間とIRいしかわ鉄道倶利伽羅〜金沢間
【市振接続】あいの風とやま鉄道線:富山〜越中宮崎間とえちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン 市振〜直江津
【接続駅不明※4】あいの風とやま鉄道線:石動・高岡・小杉・富山・滑川・魚津・黒部・入善・泊と富山地方鉄道:本線 宇奈月温泉立山立山
【津幡接続】あいの風とやま鉄道線:石動〜富山間とJR西日本七尾線 津幡〜和倉温泉
※4 富山・滑川・魚津の何れかもしくは複数が考えられますが、発表されている資料からは不明です。

三社連絡運輸
IRいしかわ鉄道倶利伽羅・金沢間を経由し、あいの風とやま鉄道線:石動〜富山間とJR西日本北陸本線 西金沢大聖寺



IRいしかわ鉄道
IRいしかわ鉄道は発売範囲のみを発表しています。具体的な発売区間については触れられていません。
JR七尾線経由のと鉄道あいの風とやま鉄道線経由JR氷見線城端線高山本線との三社連絡運輸が開始されるようです。
また、現在は西金沢接続で石川線とのみ連絡運輸を行っている北陸鉄道について、金沢(北鉄金沢)接続で浅野川線とも連絡運輸を行うとあります。

倶利伽羅接続】IRいしかわ鉄道あいの風とやま鉄道線:石動〜越中宮崎間
【津幡接続】IRいしかわ鉄道JR西日本七尾線 中津幡和倉温泉
【金沢接続】IRいしかわ鉄道北陸鉄道浅野川線 七ツ屋〜内灘
西金沢接続】IRいしかわ鉄道北陸鉄道石川線 野町・西泉・押野〜鶴来間

三社連絡運輸
JR西日本:津幡・和倉温泉間を経由し、IRいしかわ鉄道のと鉄道七尾線 田鶴浜〜穴水間
あいの風とやま鉄道倶利伽羅・高岡を経由し、IRいしかわ鉄道JR西日本氷見線 越中中川〜氷見間、城端線 新高岡〜城端
あいの風とやま鉄道倶利伽羅・富山を経由し、IRいしかわ鉄道JR西日本高山本線 西富山〜猪谷間



直通列車がありませんので、JR西日本IRいしかわ鉄道〜あいの風とやま鉄道〜えちごトキめき鉄道しなの鉄道(北しなの線)〜JR東日本しなの鉄道(しなの鉄道線)を通し発売するような長距離の連絡乗車券はやはり設定されませんでした。

3線以上に跨るものは、今わかっているので以下の区間です。
JR西日本(金沢)IRいしかわ鉄道(倶利伽羅)あいの風とやま鉄道
IRいしかわ鉄道(津幡)JR西日本(和倉温泉)のと鉄道
IRいしかわ鉄道(倶利伽羅)あいの風とやま鉄道(高岡)JR西日本
IRいしかわ鉄道(倶利伽羅)あいの風とやま鉄道(富山)JR西日本
しなの鉄道 北しなの線(長野)JR東日本(篠ノ井)しなの鉄道 しなの鉄道線


また、8月に発表された特急・快速列車の運転体系では
・新潟(JR線)直江津(えちごトキめき鉄道線)糸魚川間には直通運転の快速列車を1往復運転
・大阪(JR線)金沢(IRいしかわ鉄道線)津幡(JR線)和倉温泉に特急サンダーバードを1往復運転
となっています。新潟〜糸魚川間(直江津接続)の連絡運輸や、金沢・津幡間経由のJR線通過連絡運輸が考えられます。
特に後者は特急ですので、通過連絡の特急券を含めはくたかのような形態でJR6社間相互になる可能性もあります。

この他のJR線の通過連絡運輸ですが、
「長野・豊野間経由、信越本線篠ノ井線飯山線(北しなの線経由)」
「高岡・富山間経由、氷見線城端線高山本線(あいの風とやま鉄道線経由)」
「富山・津幡間経由、高山本線七尾線(あいの風とやま鉄道線経由)」
「高岡・津幡間経由、氷見線城端線七尾線(あいの風とやま鉄道線経由)」
距離的にあり得る区間はこれぐらいでしょうか。
会社線を通過する列車自体がなさそうですのでJRの通過連絡運輸は設定されないかもしれません。