近鉄名古屋から京都への特急券

近鉄名古屋から京都への特急券です。


近鉄の特急列車はJRの一部の区間と同じように、途中で列車を乗り継いでも特急料金を通算するという特例があります。
ただし、JRは乗換駅が指定されるのみなのに対し、近鉄近畿日本鉄道株式会社 旅客営業規則第52条の2の規定により乗換駅で30分以内に乗り継ぐことが条件という独自の制度が定められています。

(特別急行券の乗継ぎ発売)
第52条の2 旅客が特別急行列車の運行形態等の事由により乗継ぎをする場合は、乗継駅での接続時分が30分以内に限って、1枚の特別急行券でキロ程を通算した特別急行料金により発売する。但し、特別車両Aから特別車両Aを乗り継ぐ場合を除く。


今回は以下のように乗り継ぎました。

列車1:近鉄名古屋(17:10)〜伊勢中川(18:10)、名伊乙特急 78.8km
【伊勢中川乗り換え】
列車2:伊勢中川(18:11)〜鶴橋(19:29)、阪伊乙特急 107.8km
【鶴橋乗り換え】
列車3:鶴橋(19:46)〜大和西大寺(20:09)、阪奈特急 25.3km
大和西大寺乗り換え】
列車4:大和西大寺(20:20)〜京都(20:50)、京橿特急 34.6km

合計246.5kmです。近鉄線の特急料金は40/80/140/180kmまでと、181km以上の5種類にわかれています。
今回は181km以上ですので、特急料金は1850円となります。


近鉄線の特急券券売機は3列車2乗り継ぎ、窓口のASKA端末は4列車3乗り継ぎまで対応しています。
今回は4列車3乗り継ぎなので窓口端末で発売が可能と思われたのですが、ご覧の補充券での発売となりました。券面は2回までの乗り継ぎにしか対応していないため、3回目の乗り継ぎは記事欄に記載されました。

補充券となったのは、鶴橋での乗り換えが原因です。
大阪線奈良線の分岐駅は鶴橋ではなく、一つ手前の布施となっています。つまり布施〜鶴橋間が重複しています。
ただし布施に停車する列車が少ないことから、JRでいうところの分岐駅通過列車の特例が近鉄線にも設けられ、布施通過の列車に乗車する場合はこの区間の折り返し乗車が認められています。

ただし折り返し乗車をする場合、運賃は重複区間を含めない布施折り返しで計算できるのですが、特急料金は乗車経路通りに鶴橋折り返しで重複区間を含めて計算します。
鶴橋経由としたため最短でない経路の特急券となります。このような乗り継ぎの場合は窓口のASKA端末で発売できず、補充券での発売となります。

なお近鉄線で補充券にて特急券を発売する場合は、今回のような補充式の特急券ではなく特殊補充券で発売するのが一般的なようです。なぜ補充式特急券となったかはよくわかりません。
セールスNOナコ〜ツル 1016-1048-0、ツル〜キト 1016-1228-0と書かれているのは近鉄名古屋・鶴橋・京都を意味するものと思われますが、何なのでしょうか。その下の「解_____」も何を意味するのかよくわかりません。

なお特別車両券の右隣の括弧は、特別車両(デラックスカー)を利用する際に「特別車両券」と記載されるとのことです。


裏面です。


「コンピュータ故障により指定不可又はまつ線の表示がある場合は、座席の使用を条件としていません」とあります。
この記述から、補充式特急券は端末で発券できない特急券の代用というより、端末故障時などの緊急時の使用を想定しているものと思われます。