大阪・新大阪の乗車券

新大阪駅のエクスプレス券売機で購入した新大阪から岡山へののぞみ121号の特急券です。
「乗車券・新幹線特急券」とあるように、特急券に運賃加算を行なっています。

運賃加算を行う際、乗車券の発着駅が特定都区市内・東京山手線内の適用対象である場合は新幹線の発着駅名に市内・山手線が括弧書きで追記されます。
たとえば「東京・品川→名古屋」の新幹線自由席特急券に対しては「東京・品川(都区内)→名古屋(市内)」となります。

今回の「新大阪(大阪・新大阪)」とは一見したところ、どういう意味なのか分かりづらいのですが、どういう意味なのでしょうか。
大阪市内の駅である新大阪から岡山まで乗車する場合、大阪市内の中心駅である大阪から岡山は176.5kmで、200kmを超えていません。このため特定都区市内は適用されず、原則どおり新大阪〜岡山間の営業キロに従って運賃が計算されます。
新大阪から岡山は180.3km、運賃計算時は1km未満を切り上げ181kmとなります。181kmから200kmに該当する運賃は3,260円で、券面の運賃2940円と異なっています。

これは東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第88条の規定によるもので、大阪・新大阪から姫路以西は大阪から運賃を計算するというものです。今回の場合、乗車区間が新大阪〜岡山に対して、運賃は大阪〜岡山で計算され、2940円となります。
なお同第187条(6)の規定により、発駅は「大阪・新大阪」と印字されます。


このような特例がある理由は、山陽新幹線の開業により大阪から姫路方面への在来線の長距離列車が廃止され、大阪→新大阪→姫路(以西)の乗車が必要となりました。大阪〜新大阪間の折り返しにより運賃が上昇する場合があることへの救済措置的な位置づけです。
大阪から片道200kmを超える駅については[阪]大阪市内が適用されるため、大阪と新大阪の運賃の差は発生しなくなります。この特例は大阪と新大阪に限り特定都区市内のような制度を制定したものと考えられます。

なお運賃計算に関する特例ですので、特急券への運賃加算に限らず、乗車券単独購入の場合にも適用されます。

新大阪駅又は大阪駅発又は着となる片道普通旅客運賃の計算方)
第88条 新大阪駅又は大阪駅と姫路駅以遠(英賀保京口又は播磨高岡方面)の各駅との相互間の片道普通旅客運賃は、姫路駅を経由する場合に限り、大阪駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによつて計算する。

(乗車券類の駅名等の表示方)
第187条 乗車券類の駅名及び旅客運賃・料金の表示方は、次のとおりとする。
(6)第88条の規定により旅客運賃を計算する場合の乗車券の駅名の表示方は、「新大阪・大阪から」、「大阪・新大阪ゆき」の例により表示する。