ICカード乗車券使用時の東京山手線内の適用

新宿駅発行のSuica残額ご利用明細です。


甲斐大和入場時に2007円あった残額は、新宿駅出場時で117円になりました。
1890円が減額されたことになります。

甲斐大和〜新宿間は96.2kmですが、運賃は91〜100kmに該当する1620円ではなく、甲斐大和〜東京間の106.5kmに該当する101〜120kmの運賃1890円となります。
これは着駅である新宿が東京山手線内の駅であり、東京山手線内の中心駅である東京から101〜200kmの範囲にある駅は東京からの営業キロに相当する運賃となるためです。明細上は印字の都合か「甲斐大和→新宿」となっていますが、運賃計算上は「甲斐大和→[山]東京山手線内」となります。すなわち、紙の乗車券と同額となる運賃が減額されたことになります。

ICカード利用時は特定都区市内・東京山手線内の制度は適用されず、発着駅単駅からの営業キロで運賃を計算すると過去にどこかの掲示板で見たのですが、東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則 第27条にあるとおりそのような制度はなく、紙の乗車券とICカード乗車券で運賃計算方法は異ならないということがわかります。

第3章 運賃の減算
Suica乗車券を使用する場合の運賃の減算)
第27条 Suica乗車券を第21条第1項の規定により使用する場合、出場駅において、入場駅から同一の取扱区間内を経由して最も低廉となる運賃計算経路で算出した普通旅客運賃をSF残額から減算します。この場合、小児用Suica乗車券にあっては小児の普通旅客運賃を、その他のSuica乗車券にあっては大人の普通旅客運賃を減算します。

どこかの掲示板で見た誤解は、上記規則の「最も低廉となる運賃計算経路」に起因しているのでしょう。
例えばICカード乗車券を使用し、「[区]東京都区内→[横]横浜市内」や「[山]東京山手線内→[山]東京山手線内」となるような運賃を減算させることはできません。
片道となりうる経路でどのような遠回りをしても、最も低廉となる運賃計算経路では100キロを超過せず、発着駅単駅の運賃が減算されるのみです。このことから特定都区市内・東京山手線内制度が適用されないと誤解したのではないでしょうか。