東京から御茶ノ水への初乗り運賃の乗車券4種類

東京から御茶ノ水へJR線で向かう場合の乗車券を考えてみます。

東京駅1番・2番線からの中央線(快速・各駅停車)で2つ目の停車駅が御茶ノ水であり、この方法が最も一般的です。
東京から御茶ノ水への片道乗車券、営業キロは2.6kmで運賃140円です。


この乗車券の経路は東京(東北本線)神田(中央本線)御茶ノ水で、「経由:東北・中央東」となりそうなものですが、印字されているのは「経由:中央東」のみです。
これは先日の記事で触れたとおり東京・神田間はマルスシステム上、東北本線(トウホ)と中央東線(チユト)の重複区間となっているためです。東京から御茶ノ水まで全区間中央東線マルスシステムに要求することにより「経由:中央東」のみが印字されます。



マルスシステムに経路通り東北本線、神田、中央東線の経路で要求することも可能です。
東京から御茶ノ水の乗車券、「経由:東北・中央東」です。


「経由:中央東」の乗車券と経路としては同じですが経由印字は異なります。C符号は同じなのは偶然なのか、同じ乗車券と見なしているのかはわかりません。



東京から御茶ノ水は上記に示した経路が一般的ではありますが、東京(東北本線)秋葉原(総武本線[御茶ノ水支線])御茶ノ水という経路も考えられます。この経路で購入したのが次に示す乗車券です。
東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:東北」です。


経路通りに印字すると「経由:東北・総武」となるところですが、総武本線(御茶ノ水支線)は印字されないことから、「経由:東北」のみの印字となります。営業キロは2.9kmと初乗り区間内ですので、運賃は最短経路の乗車券と同じ140円です。



前述の通り東京・神田間は中央東線(チユト)を指定することも可能です。東京、中央東線、神田、東北本線秋葉原御茶ノ水支線、御茶ノ水で発売した乗車券を以下に示します。
東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:中央東・東北」です。


経路としては「経由:東北」の乗車券と同じですが、東京・神田間を中央東線(チユト)としました。
東北経由の乗車券のC符号はC33、中央東・東北経由の乗車券はC55と今回は異なっています。



「経由:東北・中央東」と「経由:中央東・東北」の乗車券を並べてみます。発着駅が同じ、運賃も同じなのに経由の印字が逆転している珍しいケースと言えます。



東京から御茶ノ水、片道140円の乗車券の券面パターンはこの4通りです。
同じ発着駅、初乗り運賃で4通りも存在するのは都心部の駅間が短いこと、路線網が複雑なこと、マルスシステム上重複区間となっていることなどが挙げられます。



しかしながら、初乗り区間にこだわらなければさらに複雑な経路の乗車券が考えられます。

東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:東北・中央東・東北・中央東」です。
東北と中央東の組み合わせが2度印字されています。


最早どのような経路なのか見当もつかないような印字ですが、この乗車券の経路は東京(東北本線)神田(中央本線)御茶ノ水(総武本線[御茶ノ水支線])秋葉原(東北本線)田端(山手線)代々木(中央本線)御茶ノ水です。東京・神田間を東北本線マルスシステムに要求しています。営業キロ26.3kmで運賃は410円となります。
経由線でいうと東北本線中央東線総武本線2、東北本線、山手線2、中央東線です。このうち総武本線2、山手線2が経由印字されないため、東北本線中央東線東北本線中央東線が残り、印字は「東北・中央東・東北・中央東」となります。
同じ路線名の組み合わせが2回繰り返し、それ以外の路線名が印字されないのはマルスシステムの印字省略機能による印字を除けばここくらいではないでしょうか。


なお、指定席券売機では東京→御茶ノ水の乗車券を購入すると全区間中央東線(チユト)」で要求したものを発売します。
券面の経由印字は「中央東」です。