八ツ森駅・西仙台ハイランド駅の廃止、はやぶさ号に自由席設定?

平成26年2月10日に、平成26年3月15日から有効となる旅客営業規則(以下、規則)の改正が公告されました。
JR九州のウェブサイトでは改正の内容を公開しています。

その中で規則第86条第10号で特定都区市内(仙台市内)の変更が記載されています。
仙台市内のうち、仙山線から作並〜奥新川間の八ツ森(やつもり)駅、熊ヶ根〜作並間の西仙台ハイランド(にしせんだいハイランド)駅が削除されることになりました。

これら2駅はどちらも臨時駅扱いとなっていますが、八ツ森駅は2002年11月5日以降、西仙台ハイランド駅は2003年10月1日以降、10年以上も停車する列車が設定されておらず事実上廃止状態となっていました。本年3月15日のダイヤ改正に合わせ、両駅を廃止するものと思われます。
※2014年2月12日現在、両駅を廃止する公式発表等は調べた限りでは見つかりませんでした。
※2014年2月15日追記 2月14日にJR東日本仙台支社のウェブサイトで、両駅の廃止が発表されました。

また、同日に海峡線 竜飛海底(たっぴかいてい)駅・吉岡海底(よしおかかいてい)駅・知内(しりうち)駅が廃止されることに合わせて規則第57条の2第1号ロの記述が「竜飛海底方面」から「木古内方面」に変更されます。

(乗継急行券の発売)
第57条の2 旅客が、急行列車相互間に乗継ぎをする場合で、次の各号に該当するとき(以下「乗継条件」という。)は、第1号に規定する○印の1個の急行列車に対して割引の急行券を発売する。ただし、設備定員が複数の寝台個室及び別に定める特別急行列車の個室に乗車する場合に発売する特別急行券については、割引の取扱いをしない。

(1)次に掲げる急行列車相互間について、それぞれに定める乗継駅において直接乗継ぎをする場合(同一の急行列車を先乗列車及び後乗列車として直接乗継ぎをする場合を含む。)
  急行列車                    乗継駅
イ (略)
ロ 奥羽本線を経由する特別急行列車(津軽新城以遠  新青森駅又は青森駅
  (鶴ヶ坂方面)の各駅と新青森駅又は青森駅との相
  互間を乗車する場合に限る。)
  ○津軽線及び海峡線を経由する急行列車(新青森
  駅又は青森駅津軽今別以遠(竜飛海底方面)の
  各駅との相互間を乗車する場合に限る。)
ハ (略)
二 (略)

  急行列車                    乗継駅
イ (略)
ロ 奥羽本線を経由する特別急行列車(津軽新城以遠  新青森駅又は青森駅
  (鶴ヶ坂方面)の各駅と新青森駅又は青森駅との相
  互間を乗車する場合に限る。)
  ○津軽線及び海峡線を経由する急行列車(新青森
  駅又は青森駅津軽今別以遠(木古内方面)の
  各駅との相互間を乗車する場合に限る。)
ハ (略)
二 (略)
(以下略)

竜飛海底駅は2013年11月11日から、吉岡海底駅は2006年8月28日から停車する列車がなくなりました。
どちらの駅もトンネル見学者のために停車していました。

函館から竜飛海底への自由席特急券です。営業キロは96.5kmですので自由席特急料金は900円となります。


海底駅見学整理券(竜飛3コース)です。
北海道新幹線の建設進捗に伴い海底駅の廃止が発表された頃から人気が出始め、末期には発売と同時に完売するほどだったようです。

この整理券は鉄道の切符ではなくイベント券ですので、発売は1ヶ月前の午前10時ではなく駅窓口の営業開始と同時(※)でした。
海底駅見学整理券に限っては、いわゆるマルス10時打ちは意味がありませんでした。
※厳密には日付が変わった瞬間(午前0時0分)だったようですが、その時間に営業している窓口はありません。

海峡線3駅の廃止により津軽今別の北海道側の隣の駅は木古内となり、駅間74.8kmということになります。


この他の改正点は、
(1)秋田新幹線の車両がE6系に統一されることから「スーパーこまち号」の名称が廃止され、「こまち号」に統一されること(第57条第8項)
(2)グランクラス東北新幹線E5系の他、長野新幹線(北陸新幹線)E7系にも設定されること(第58条第3項)
(3)自由席特急料金に規則別表第2号「ナの2」が適用されること(第125条第2号イの(ハ)のa)
が挙げられています。

(急行券の発売)
第57条 旅客が、急行列車に乗車する場合は、次の各号に定めるところにより、急行列車ごとに特別急行券又は普通急行券を発売する。
1〜7 略
8 第2項第1号の規定により、旅客が東京・新青森間を運転する特別急行列車はやぶさ号又は東京・盛岡間を運転する特別急行列車スーパーこまち号(以下これらを「はやぶさ号等」という。)とはやぶさ号等以外の新幹線の特別急行列車とを乗り継いで乗車する場合は、大宮駅で乗継ぎとなる場合であつて別に定めるときを除き、駅において出場しない限り、全区間に対して別に定める特別急行料金により1枚の特別急行券を発売する。

8 第2項第1号の規定により、旅客が東京・新青森間を運転する特別急行列車はやぶさ号又は東京・盛岡間を運転する特別急行列車こまち号(以下これらを「はやぶさ号等」という。)とはやぶさ号等以外の新幹線の特別急行列車とを乗り継いで乗車する場合は、大宮駅で乗継ぎとなる場合であつて別に定めるときを除き、駅において出場しない限り、全区間に対して別に定める特別急行料金により1枚の特別急行券を発売する。
(以下略)


(特別車両券の発売)
第58条 旅客が、特別車両に乗車する場合は、次の各号に定めるところにより、特別車両に乗車する列車ごとに、特別車両券を発売する。
1〜2 略
3 前項第1号の規定により、1個の急行列車とみなして特別車両券を発売する場合であつて、旅客がE5系車両の特別車両グランクラス(以下「グランクラス」という。)を次の各号に定めるところにより乗り継いで乗車するときは、大宮駅で乗継ぎとなる場合であつて別に定めるときを除き、駅において出場しない限り、全区間に対して別に定める特別車両料金により1枚の特別車両券を発売する。
(1)特別急行列車なすの号及び別に定める特別急行列車(以下これらを「なすの号等」という。)以外のグランクラスとなすの号等のグランクラスとを乗り継いで乗車するとき
(2)なすの号等以外のグランクラスグランクラス以外の新幹線の特別急行列車の特別車両とを乗り継いで乗車するとき
(3)なすの号等のグランクラスグランクラス以外の新幹線の特別急行列車の特別車両とを乗り継いで乗車するとき
(4)なすの号等以外のグランクラス及びなすの号等のグランクラスグランクラス以外の新幹線の特別急行列車の特別車両とを乗り継いで乗車するとき

3 前項第1号の規定により、1個の急行列車とみなして特別車両券を発売する場合であつて、旅客が新幹線の特別急行列車の特別車両グランクラス(以下「グランクラス」という。)を次の各号に定めるところにより乗り継いで乗車するときは、大宮駅で乗継ぎとなる場合であつて別に定めるときを除き、駅において出場しない限り、全区間に対して別に定める特別車両料金により1枚の特別車両券を発売する。
(1)特別急行列車なすの号あさま号及び別に定める特別急行列車(以下これらを「なすの号等」という。)以外のグランクラスとなすの号等のグランクラスとを乗り継いで乗車するとき
(2)なすの号等以外のグランクラスグランクラス以外の新幹線の特別急行列車の特別車両とを乗り継いで乗車するとき
(3)なすの号等のグランクラスグランクラス以外の新幹線の特別急行列車の特別車両とを乗り継いで乗車するとき
(4)なすの号等以外のグランクラス及びなすの号等のグランクラスグランクラス以外の新幹線の特別急行列車の特別車両とを乗り継いで乗車するとき
(以下略)


(大人急行料金)
第125条 大人急行料金は、次の各号に定めるとおりとする。
(1)特別急行料金
 イ 新幹線
 (イ)(ロ)略
 (ハ)自由席特急料金
  a b、c及びd以外の自由席特急料金
   別表第2号ツ、ネ、ナ、ラ、ム及びウに定める料金から510円を低減した額とする。
  ↓
  a b、c及びd以外の自由席特急料金
   別表第2号ツ、ネ、ナ、ナの2、ラ、ム及びウに定める料金から510円を低減した額とする。
(以下略)

別表第2号「ナの2」は、東北新幹線における現行のはやぶさスーパーこまちの特急料金です。

スーパーこまちの廃止(名称統一)、長野新幹線へのグランクラス連結(シートのみ営業)は既に発表されていましたが、自由席特急料金が「ナの2」の列車にも適用されるということは、同列車に自由席が設定されることになります。はやぶさ系の列車に自由席が設定されるのでしょうか?と思って調べてみたところ、3月15日のダイヤ改正から仙台〜盛岡間で一部停車・各駅停車となるはやぶさ号が設定されるようになります。

例えば上野・八戸通過となるはやぶさ5号は東京8時20分発、盛岡10時31分着(2時間11分)です。一方、仙台〜盛岡間各駅停車となるはやぶさ101号は東京7時56分発、盛岡10時49分着(2時間53分)で、はやぶさ号に抜かれるはやぶさ号というものも設定されるようになります。
はやぶさ101号とはやぶさ5号のようにはやぶさ号の間でも所要時間が大きく異なる列車が設定されること、さらにはやて号が大きく削減されはやぶさ号が多数設定されることから、2003年10月からのぞみ号に自由席が設定されたように、はやぶさ号にも自由席もしくはそれに類する座席が設定されるのではないでしょうか?

もっとも、規則のみ整備しておいて実際には設定しないという可能性もなくはないです。
そのような料金体系の変更があるのなら、ダイヤ改正のプレスリリースで発表するはずですし……。

2014年2月13日追記
仙台・盛岡〜秋田・新青森間の区間運転となる朝の下り・夜の上りのはやて号・こまち号(現行)には自由席が設定されています。
2014年3月の改正で一部がはやぶさ号・こまち号(統一後)に置き換えられることにより、仙台〜新青森間でははやぶさ号・こまち号(統一後)に自由席が連結されるようになるため、自由席特急料金が規定されたものと思われます。