現美新幹線の立席券

越後湯沢から新潟の現美新幹線とき453号の立席特急券です。


現美新幹線は運行当初、全車指定席で自由席なしでしたが、2016/5/21から2016/6/26の期間は指定席が満席の場合、立席特急券を発売していました。現在の現美新幹線は自由席の設定があるため、立席特急券は発売されません。
現美新幹線は座席配置が通常のとき号と異なるため、マルスシステム上でも列車名「現美新幹線とき」となり、とき号とは別の列車として扱われます。「とき453号」で要求すると該当列車がないためエラーとなります。マルスシステムでは列車名「現美新幹線とき」(カナ:ケントキ)、号数「453」号、設備「立席/定員」(ME形)又は「普通定員」(MR形)で発売可能です。


大宮から越後湯沢まで自由席、越後湯沢から新潟まで現美新幹線立席という利用も可能でした。現美新幹線指定席が満席の場合に限ります。
この場合、全区間立席特急券+立席区間(越後湯沢→新潟)の立席券の2枚で発売となっていました。現在は全区間の自由席特急券が発売されます。


このような一部自由・一部立席の特急券が発売が出来る規定上の根拠は東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第57条第5項です。
区間立席特急券を発売し、一部区間(今回の場合、大宮→越後湯沢)で乗車列車を指定しないで発売することがある、と規定しています。乗車列車を指定する区間(今回の場合、越後湯沢→新潟の現美新幹線とき453号)に対しては立席券が発券されます。
立席券は指定券であってこれ自体は特急券ではないのですが、券面には「立席特急券では着席できません」と印字されています。システム上、立席の特急券と指定券で同じ印字を使っているようです。

このような場合の特急料金は規則第125条第1項第1号のイの(ロ)のaにより、別表第2号ラに規定される大宮〜新潟間の指定席特急料金4740円から520円を減じた4220円です。

(急行券の発売)
第57条 旅客が、急行列車に乗車する場合は、次の各号に定めるところにより、急行列車ごとに特別急行券又は普通急行券を発売する。
 (1)特別急行
  イ 指定席特急券
  (略)
  ロ 立席特急券
  別に定める特別急行列車の特別車両以外の座席車又は第13条第3項の規定によりB寝台を設備した寝台車に乗車する場合に、乗車する日、列車及び乗車区間を指定し、座席の使用を条件としないで発売する。ただし、乗車する列車を限定しないで発売することがある。
 (中略)
2 前項本文の規定にかかわらず、次の各号に定めるところにより急行列車に乗車するときは、1個の急行列車とみなして1枚の急行券を発売する。
 (1)東京・新函館北斗間、大宮・新潟間及び高崎・金沢間の新幹線の2個以上の特別急行列車に乗車する場合であつて、駅において出場しないで乗継ぎとなるとき。ただし、大宮駅又は高崎駅で乗継ぎとなる場合であつて別に定めるときを除く。
 (以下略)
3〜4 略
5 新幹線の2個以上の特別急行列車を駅において出場しないで乗り継ぐ旅客に対し、第1項第1号ロ及び第2項の規定により立席特急券を発売する場合は、別に定めるところによりその一部区間について乗車する列車を指定しないで発売することがある。
(以下略)

(大人急行料金)
第125条 大人急行料金は、次の各号に定めるとおりとする。
 (1)特別急行料金
  イ 新幹線
   (イ)指定席特急料金(特別車両以外の個室に乗車する場合は、1人当りの料金とする。)
    略
   (ロ)立席特急料金
    a b、c、d、e、f及びg以外の立席特急料金
     別表第2号ツ、ネ、ナ、ナの2、ラ、ム、ウ及びノに定める料金から520円を低減した額とする。
(以下略)


東京(都区内)〜新潟の新幹線回数券です。回数券の指定席枠で立席券の交付を受けることも可能でした。


新幹線回数券は普通車指定席が利用可能で6枚綴り58620円、1枚あたり9770円です。
通常期の運賃・特急料金合計が10570円ですので割引額は800円、7.5%引です。

新幹線回数券は新幹線区間を1個列車の指定席で利用するのが基本ではありますが、改札を出ない限りは乗り継いでも新幹線特急料金が通算されるのと同じように、回数券での指定席についても改札を出ない乗り換えであれば2個列車以上の指定を取ることが可能です。


東京から越後湯沢のとき363号指定券(※)と、現美新幹線とき453号の立席券です。
※東京→越後湯沢の指定券に越後湯沢駅の無効印が押印されているのは、越後湯沢駅で払い戻しを行った際のものです。新幹線改札にみどりの窓口がないため一時的に出場を認めて頂けました。


このときは越後湯沢→新潟間で現美新幹線を利用したく、越後湯沢まではとき号指定席、越後湯沢からは現美新幹線の立席を利用しました。新幹線回数券では普通車指定席を利用できますが、この日の現美新幹線は満席であったために立席での利用となりました。


現美新む幹線の座席設備の変遷は以下の通りです。
徐々に緩和されていく様が見て取れます。運行開始直後の混雑を避けるための措置だったのでしょう。立席券が発売されていたのは5月21日から6月26日までの約1ヶ月というわずかな期間でした。
2016/4/29〜2016/5/15:11号車指定席、12〜16号車旅行商品専用
2016/5/21〜2016/6/26:11号車指定席、12〜16号車旅行商品専用(立席特急券で12〜16号車利用可能)
2016/7/2以降:11号車指定席、12〜16号車自由席(旅行商品は12〜16号車を利用)

運行開始以降一貫してみどりの窓口指定席券売機等で購入できる指定席は1両しかないため座席が確保しづらい傾向にありますが、現在は自由席特急券でも利用できますので特に問題はないでしょう。


最後に、「立席特急券」は一般的に「たちせきとっきゅうけん」と読まれ、実際に出札係員や自動放送もそのように案内しますが、規則第223条第3号(特殊指定共通券)裏面様式に示される名称は「リッセキトッキュウケン」です。
※第3号の特殊指定共通券はK型マルス端末で発券されるものを規定しています。現存しませんが、規定上は今も現役です。