JR線と大井川鐵道線の連絡乗車券

新横浜から井川への片道乗車券です。
金谷でJR線と大井川鐵道線を乗り継ぐ連絡乗車券として発売されました。

経路は以下のとおりです。
新横浜(東海道新幹線)静岡(東海道本線)金谷(大井川本線)千頭(井川線)井川

JR線は184.1km 3260円、大井川鐵道線は大井川本線が39.5km 1810円、井川線が25.5km 1280円です。
合計で249.1km、6350円となります。片道200kmを超えていますので有効日数は3日ですが、JR線部分は200km以下ですので[浜]横浜市内ではなく新横浜(単駅)となります。

大井川鐵道千頭を境に運転系統がわかれており、走行方式・車両限界等が異なる他、運賃も千頭で打ち切り合算となります。
同一の会社の路線で運賃を通算しない例はあまりありませんが、京成電鉄(千原線成田空港線とそれ以外)のように他社でも同様の事例は存在します。


今回の乗車券では大井川鐵道線の合計は3090円です。JR線と比べて営業キロは1/3強ですが、運賃はほぼ同じということになります。この運賃はJRを除く鉄道会社単独の運賃としては最高額となります。
キロあたりの単価を計算するとJR線:3260/184.1=17.70円/km、大井川本線:45.82円/km、井川線:50.19円/kmです。大井川鐵道の運賃は高いですね……。
この日、大井川鐵道の旅客はほとんどがツアー参加か同社に多数設定されているフリーきっぷでの利用でした。連絡乗車券を購入して利用するようなケースはほとんど無いようです。


大井川鐵道硬券乗車券です。自動券売機のない駅が多く、そのかわりに硬券が多数設備されています。

井川から千頭への片道乗車券です。運賃は1280円で黄色の地紋です。千頭駅で持ち帰りを申し出ると○済のはんこが押されました。

千頭から一つ隣の崎平への片道乗車券です。150円で同社の最低運賃となります。地紋は緑色です。


硬券入場券です。金谷・新金谷・千頭・井川で購入しました。


千頭駅にはこのような大型の軟券入場券もあります。
価格は硬券入場券と同じ150円です。入場券としての効力に差はありません。



大井川鐵道の出札窓口にはJR線連絡を含めほとんどの区間硬券があるのですが、補充券もあります。

新金谷から東京都区内への片道乗車券です。
新金谷駅には東京都区内への硬券がありませんので、補充片道乗車券での発売となります。

大井川鐵道線2.3km 150円、JR線212.9km 3570円で発売額は3720円です。営業キロが215.2kmですので3日間有効となります。
大井川鐵道JR東海としか連絡運輸を行っていませんので、東京までの経路を東海道本線として発売はできません。
このため経由に新幹線経由とありますが、東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則第77条第1項第1号の規定により、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第157条第1項の区間において選択乗車が可能となり、東海道本線経由で乗車できます。券面の「新横浜のりかえ」は新横浜駅途中下車の際に押印されたのですが、発売時と異なる経路での乗車による会社間の運賃精算時に使われるのでしょうか。


新金谷から六合への往復乗車券です。補充往復乗車券による発売です。
大井川鐵道線2.3km 150円、JR線8.0km 190円で片道340円、往復で680円となります。

補充片道乗車券、補充往復乗車券とも小児用もあり、元号は昭和のままとなっていました。ほとんど発売実績はないようです。


井川から閑蔵への片道乗車券です。硬券乗車券もあるのですが、大井川鐵道の特別補充券で発売頂きました。
事由欄は「片」とだけ書くのが同社では正しいようです。


SL急行券です。区間の表記がありませんが、1乗車800円ということなのでしょうか。
急行券の図案は購入箇所や時期によって何種類かあるようです。


川根両国から千頭への片道乗車券です。井川線の車掌さんから購入した車内補充券です。
大井川本線はSL列車を除きワンマン運転なのですが、機関車牽引となる井川線ワンマン運転ができませんので、全列車に乗務員が乗務します。
ただし前述のとおりほとんどの旅客はフリーきっぷで利用しているため、車掌の業務は乗車券の発売・精算より沿線の観光案内放送がメインです。


千頭から長島ダムへの使用済み乗車券を使った乗車証明書です。
車内補充券とともに井川線乗務の車掌さんから購入しました。いくつかの区間が用意されていましたが、どの区間でも50円です。



大井川鐵道は使用済み乗車券の持ち帰りは自社線完結のものについては原則可ですが、JR線連絡となるものは必ず回収とのことでした。


JR東海から大井川鐵道への連絡範囲は以下のとおりです。
JR東海東海道本線(東海道新幹線) 東京(※)・新横浜・小田原・熱海・三島〜名古屋(※)・岐阜
大井川鐵道大井川本線 新金谷・五和・神尾・福用・家山・抜里・川根温泉笹間渡・地名・塩郷・下泉・田野口・駿河徳山・青部・崎平・千頭
      井川線 沢間・川根小山・奥泉・長島ダム接岨峡温泉・閑蔵・井川
※東京都区内の各駅を含まず、名古屋市内の各駅を含む。大井川鐵道JR東日本とは連絡運輸を行っていませんので、東海道本線 東京は東京都区内の各駅とはなりません。
 ただし、東京〜金谷間は最短経路である東海道本線経由でも212.9kmありますので、東京から購入すると東京都区内となります。

大井川本線はほとんどの駅が連絡範囲である一方、井川線の連絡範囲は半分ほどの駅に限られます。下車需要のありそうな駅に限定したのでしょうか。