気仙沼線BRTに関する乗車券

12月22日発行の御岳堂から陸前横山への片道乗車券です。
着駅が「BRT陸前横山」、経由欄は「気仙沼線・柳津・BRT線」とあります。

12月21日まで気仙沼線の柳津〜気仙沼間はミヤコーバス委託の代行輸送が行われていましたが、昨日12月22日から新たにBRT(バス高速輸送システム、Bus Rapid Transit)線として運行(PDF)されることとなりました。
2012年7月26日には東日本旅客鉄道株式会社が一般乗合旅客自動車運送事業の経営許可を柳津駅〜気仙沼駅間(66.3km)などで受けており気仙沼線BRTはJR東日本のバス路線ということになります。ただし実際の運行は引き続きミヤコーバスが行います。

今までは鉄道の代行ということで通しの鉄道の運賃が適用されていたのですが、BRT線として運行するにあたりJR線とBRT線の運賃は切り離され、接続駅である柳津および気仙沼で運賃を打ち切ってそれぞれを合算に改められました。BRT駅間の運賃は鉄道線と同じとされています。ただし、鉄道線とBRT線をまたぐ利用で特定の区間に限っては、合算額から大人100円(小児50円)を差し引くと定められています(※)。
※BRT線各駅と、東北新幹線 古川〜くりこま高原間、東北本線 仙台〜有壁間・岩切〜利府間、仙石線 あおば通陸前原ノ町間・福田町〜石巻間、陸羽東線 小牛田〜鳴子御殿湯間、石巻線 小牛田〜女川間、気仙沼線 前谷地〜柳津間、大船渡線 一ノ関〜盛間(バス代行区間を含む)

御岳堂駅は割引運賃区間に含まれますので、御岳堂から陸前横山間の運賃は以下のとおりとなります。
気仙沼線(鉄道):御岳堂〜柳津は地方交通線3.9km、180円
気仙沼線(BRT):柳津〜陸前横山は4.8km、鉄道線の地方交通線として計算すると180円

合計360円、100円を引き260円が発売額となります。



BRT線運行開始にあたりマルスシステムが12月22日の未明に更新されたようで、BRT区間の駅は「JR東日本BRT○○」という駅が登録されました。
マルス上の路線名は「JR東日本BRT線」のようです。
また、経由欄に「柳津・BRT線」と印字されることから、マルスシステム上は連絡会社線として扱われ、柳津と気仙沼には接続駅コードが設定されているようです。特定の区間に限り割引運賃を設定する関係上、そうしたほうが都合が良かったのでしょう。




12月21日まで発売されていた御岳堂から陸前横山への片道乗車券です。
全線鉄道線として計算するため地方交通線8.7kmで、運賃は200円です。

この区間においては60円の値上げとなりますが、JR東日本仙台支社の例によると前谷地〜気仙沼間は1280円→1330円(50円値上げ)、小牛田〜気仙沼間は1620円→1580円(40円値下げ)、大宮〜志津川(ベイサイドアリーナ)は6620円で変わらずとなっています。
接続駅で打ち切って合算し、特定区間は割引を行うという計算方法のため、値上げ、値下げ、同額になる区間がそれぞれ存在します。


なお、BRT運行開始前日の12月21日までは12月22日以降の利用分であっても、鉄道線とBRT線を分けて計算することができませんでした。
このため以下のように全線を鉄道線として通しで計算した、誤った運賃の乗車券が発券されていました。指定席券売機で購入したものですが、明らかに誤発券であるため発行箇所は伏せてあります。
※12月21日以前に発売した乗車券については、1月31日までは券面記載の区間においてBRT線で有効となる特例措置が設けられていたようです。


気仙沼線BRT運行開始により、旅客鉄道会社直営のバス路線が運行されることになるのですが、規則上の根拠としては2012年12月22日施行の旅客営業規則第17条に規定されています。
12月22日時点で、JR東日本公式サイトでは2012年3月の古い旅客営業規則しかありませんが、JR九州で以下の通り公開されています。
なおJR東海JR西日本JR北海道においても改訂はされていません。
※2013年2月7日追記:JR東日本JR北海道の旅客営業規則は2012年12月22日現在のものが公開されています。JR東海JR西日本は2012年3月17日のままです。

(気仙沼線柳津・気仙沼間の特殊扱い)
第17条 気仙沼線柳津・気仙沼間の一部または全部の区間を乗車する旅客の取扱い等については、別に定める。

何か特殊な扱いがされることは読み取れますが、具体的に何なのかは全くわかりません。旅客営業規則としては最低限の改正にとどめたかったものと思われます。
「別に定める」は旅客営業取扱基準規程などが該当すると思われますが、JR各社の規則等は書籍として刊行されなくなったため、確認のしようがありません。仙台支社のプレスリリースや、時刻表の注記に記載される説明で通常は事足りると思いますが。

第17条は、12月21日までは「削除」とだけ記載されていましたが、かつては自動車線連絡において同一扱いする駅を定めたものでした。

(自動車線駅と鉄道駅との特殊取扱)
第17条 次に掲げる自動車線の駅は、かつこ内の鉄道駅と同一の駅とみなして旅客の取扱をする。
(以下略)


ところで、JR線〜BRT線〜JR線の形態となる通過連絡運輸については、そもそも可能かどうかを含め仙台支社のプレスリリースには何も記載がありません。
自動車線連絡があった頃は旅客営業規則第68条第1項(2)において、以下のように通過連絡運輸について定められていました。

(旅客運賃・料金計算上の営業キロ等の計算方)
第68条 営業キロ又は擬制キロを使用して旅客運賃を計算する場合は、別に定める場合を除いて、次の各号により営業キロ又は擬制キロを通算して計算する。
(2)自動車線が鉄道の中間に介在する場合、これを通じて乗車券を発売するときは、前後の鉄道区間営業キロを通算する。

上記条文が復活していませんので、BRT線を介した通過連絡運輸は出来ないものと思っていましたが、以下の乗車券が指定席券売機で発券されました。
御岳堂から新月への片道乗車券です。

経由は「気仙沼線・柳津・BRT線・気仙沼大船渡線」とあり、JR線〜BRT線〜JR線の形態となっています。接続駅が2箇所印字されており、通過連絡運輸のような体裁となっています。

それぞれの区間営業キロは以下のとおりです。
JR1:御岳堂〜柳津 地方交通線3.9km、180円
BRT:柳津〜気仙沼 55.3km、地方交通線として計算すると1110円
JR2:気仙沼新月 地方交通線6.7km、200円

発売額の1340円は、それぞれの合算である180+1110+200=1490円とも、御岳堂〜柳津〜気仙沼(180+1110-100=1190)と気仙沼新月200円の合算1390円(以下、気仙沼打ち切り)とも、12月21日までの扱いである全線鉄道扱いの1280円(以下、全線鉄道扱い)とも異なります。

JR1+JR2=地方交通線10.6kmの運賃230円と、BRT線1110円の合計が1340円(以下、通過連絡扱い)となり、これは券面の金額と一致します。
JR線〜BRT線〜JR線で通過連絡運輸が行われているようです。

BRT線を介した通過連絡運輸を行うという規則上の根拠は確認できませんが、マルスシステム上では通過連絡運輸が設定されています。
発売範囲は不明ですが、JR東日本の路線であるということを考えるとJR6社各駅〜BRT線〜JR6社各駅となるのでしょうか。


規則上の根拠が分かりませんので、各乗換案内サイトで「御岳堂〜新月」間を検索してみました。

JR東日本えきねっとでは「この経路の運賃・料金の合計金額は表示できません。」
ジョルダン乗換案内Google乗換案内では通過連絡扱いの1340円
Yahoo!ロコ駅探NAVITIMEexcite乗り換え案内では気仙沼打ち切りの1390円
goo路線は全線鉄道扱いの1280円
などとなっています(12/23 午前0時頃の検索結果です)。
※2013年2月7日追記:Yahoo!ロコ、goo路線は通過連絡扱いの1340円が回答されるようになっています。


回答不可のえきねっとや、明らかに誤っている全線鉄道扱いのgooは置いておくとして、どうも気仙沼打ち切りの結果を回答するのが主流なようです。
もちろん、任意の区間で打ち切った運賃は誤りであるとは言い切れず、そうすることで運賃が安価となるなら選択肢として有りでしょう。
ただし、マルスシステムは通過連絡扱いを回答し実際に発券されますので、旅客営業規則第17条の「別に定める」の中で通過連絡運輸について定められていると考えるべきでしょう。



なお、青春18きっぷでのBRT線の扱いですが、JR北海道のホームページのみ「利用可」との記載がありますが、他5社は言及していません。
BRT線はJR線ですのでわざわざ言及する必要はないとも言えますが、JR北海道の書き方が一番わかり易いのは言うまでもありません。赤字は当方強調によるものです。

JR北海道 「JR線以外の路線(JRバス含む)は、ご利用になれません。別途、ご利用になる区間に有効な乗車券類が必要です(BRTJR西日本宮島フェリーはご利用になれます)。」
JR東日本 「JR全線の普通列車(快速含む)の普通車自由席およびJR西日本宮島フェリーがご利用になれます。」
JR東海 「JR線及びJR西日本宮島フェリー以外の路線はご利用になれません。」
JR西日本 「JR線及びJR西日本宮島フェリー以外の会社線はご利用になれません。」
JR四国 「JR線及びJR西日本宮島フェリー以外の路線はご利用になれません。」
JR九州 「JR線以外の路線(JRバス含む)はご利用になれません。」

JR西日本の書き方は誤解を招きそうな言い回しですが……。