自由席特急券と料金指定券

新得から南千歳への自由席特急券です。

JR北海道営業キロ132.4kmのA特急区間ですので通常期の指定席特急料金は2260円、自由席特急料金は1750円となります。
これは東日本旅客鉄道会社 旅客営業規則第57条の3第2項同旅客営業取扱基準規程第97条の2(7)および第129条の2(7)の規定によります。


今回、乗車前に新得駅で指定席への変更を申し出ました。
自由席特急券を指定席特急券に変更する場合、乗車券類変更として原券自由席特急券を回収し、指定席特急券を新たに発行し差額を収受となるのが普通ですが(※1)、JR北海道JR四国JR九州の駅(および旅行センター、委託発売所など)においては、自社線内の特急列車に限り以下の指定料金券を追加で発売し、指定席特急券の発券に代えることがあります(※2)。
(※1)東日本旅客鉄道 旅客営業規則第248条第1項(5)、同第4項
(※2)東日本旅客鉄道 旅客営業規則第57条第10項

新得から南千歳へのスーパーおおぞら14号の指定料金券です。
乗車日の平成24年11月6日はJR北海道の閑散期ですので、指定席料金は通常期より200円安い310円となります。


なぜJR北海道JR四国JR九州に限り指定料金券の扱いがあるのかはよくわかりません。
原券の自由席特急券には特に指定券を発券した旨は記載されていませんが、払い戻しや再度の変更時はどのように扱われるのでしょうか?

この指定料金券ですが、東日本旅客鉄道会社 旅客営業取扱基準規程第96条の3によると「旅客会社の社長」が定めるとあります。「支社長」や「営業部長」が定めるものは多数ありますが、「社長」が定めるものは428条まである旅客営業取扱基準規程の中でもこの第96条の3のみです。
これ、もしかすると「支社長」の誤記だったりするのでしょうか……?

(自由席特急券に指定料金券を添付して指定席特急券として発売する場合の取扱い等)
第96条の3 規則第57条第10項の規定により、自由席特急券に指定料金券を添付して指定席特急券として発売する場合の指定料金券の取扱い等については、当該発売区間を所管する旅客会社の社長が別に定めるものとする。


本記事で取り上げた規則類を以下にまとめます。

【旅客営業規則】
(特定の特別急行券の発売)
第57条の3 第57条第1項第1号イの規定により指定席特急券を発売する場合で、次の各号に掲げる期間内の日に特別車両及びコンパートメント個室以外の座席車に乗車するときは、特定の特別急行料金によつて指定席特急券を発売する。ただし、乗車する列車を限定して発売することがある。
2 前項の規定によるほか、新幹線以外の線区であつて、別に定める区間を乗車するときは、特定の特別急行料金によつて指定席特急券立席特急券、自由席特急券又は特定特急券を発売する。ただし、乗車する列車を限定して発売することがある。
(中略)
10 北海道旅客鉄道会社線四国旅客鉄道会社線又は九州旅客鉄道会社線内の停車駅相互間について、第1項第1号イの(イ)の指定席特急券を発売する場合は、自由席特急券に別に定める指定料金券を添付し、指定席特急券として発売することがある。ただし、当該取扱いは、北海道旅客鉄道会社線内、四国旅客鉄道会社線内又は九州旅客鉄道会社線内における別に定める駅又は乗車券類の発売を委託した箇所に限つて取り扱う。

(乗車券類変更)
第248条 普通乗車券、急行券、特別車両券、寝台券、コンパートメント券又は座席指定券を所持する旅客は、旅行開始前又は使用開始前に、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、1回に限つて、当該乗車券類から同種類の他の乗車券類に変更(この変更を「乗車券類変更」という。)することができる。ただし、次の各号に定める乗車券類の変更については、これを同種類のものとみなして取り扱うことができる。
(5)指定急行券以外の急行券又は自由席特別車両券から指定券への変更
(中略)
4 乗車券類変更の取扱いをする場合は、原乗車券類に対するすでに収受した旅客運賃及び料金と、変更する乗車券類に対する旅客運賃及び料金とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払いもどしをする。

【旅客営業取扱基準規程】
(特定の特別急行券の発売区間)
第97条の2 規則第57条の3第2項の規定による特別急行券の発売区間は、次の各号に定めるとおりとする。
(7)北海道旅客鉄道会社線内に運転する特別急行列車の150km以内の停車駅相互間とする。ただし、第1号イに定める線区又は区間のうち、海峡線、江差線木古内五稜郭間及び函館本線五稜郭・函館間を除く。

(大人の特別急行料金の特定)
第129条の2 規則第125条第1号ロの(イ)の規定にかかわらず、次の各号に掲げる特別急行券に対する特別急行料金は、当該各号に定める額とする。
(7) 第97条の2第7号の規定により発売する特別急行
ア 指定席特急料金
次表に定める料金とする。ただし、規則第57条の3第1項第3号の規定により発売するものにあつては、同表に定める料金から200円を、同条第3項の規定により発売するものにあつては、同表に定める料金から510円をそれぞれ低減した額とし、また、同条第1項第4号の規定により発売するものにあつては、同表に定める料金に200円を加算した額とする。

営業キロ地帯 25キロメートルまで 50キロメートルまで 100キロメートルまで 150キロメートルまで
料金 810円 1,110円 1,610円 2,260円

イ 立席特急料金及び自由席特急料金
アの表に定める料金から510円を低減した額とする。