お先にトクだ値スペシャル

東京(山手線内)から宇都宮への乗車券となすの号特急券です。

一見したところ運賃加算された特急券のように見えますが、券面上部に印字されている通り「トクだ値」で発売されたものです。
切符の種類としては(企)があることから特別企画乗車券であることがわかります。
トクだ値」は割引率の順に「お先にトクだ値スペシャル」「お先にトクだ値」「えきねっとトクだ値」とあり、割引率の他購入期限が異なります。

今年はJR東日本の東北・山形・秋田・上越・長野の各新幹線が節目の年(※)となることから、一ヶ月ごとに路線・席数を限定し半額となるきっぷ「お先にトクだ値スペシャル」の発売を行なっています。
東北新幹線30周年(八戸延伸10年)、山形新幹線20周年、秋田新幹線15周年、上越新幹線30周年、長野新幹線15周年

9月は東北新幹線が半額となっていましたので宇都宮へ行って来ました。
通常は4800円(運賃1890円、特急料金2910円)が2390円(運賃相当額940円、特急料金相当額1450円)となっています。


非常に安いのですが、安いだけあって制約も多々あります。
(1)えきねっとのみでの発売・変更・払戻
 JR東日本ポータルサイト「えきねっと」のみで発売されます。みどりの窓口指定席券売機は受け取りに利用するのみで、発売はしていません。変更・払戻もえきねっとのみでの取扱となります。
(2)購入は2週間前まで
 1ヶ月前の午前10時から2週間前、厳密には13日前の午前1時40分までに決済を完了させる必要があります。
 これは「お先にトクだ値スペシャル」「お先にトクだ値」に限られ、通常の「えきねっとトクだ値」は乗車当日の午前1時40分までの発売となります。
(3)きっぷ受取後の払い戻し手数料が非常に高額
 きっぷを受け取る前であれば1枚あたり300円で払戻できるのですが、受取後は割引率分の手数料(最低530円)が発生します。今回は5割引きですので、払戻額がなくなってしまいます。
(4)乗り遅れ時の救済措置が一切なし
 通常のきっぷであれば後続の列車の自由席を利用できるのですが、トクだ値は指定列車以外では無効です。乗車券としても使えませんので完全に紙切れと化します。
(5)距離にかかわらず、下車前途無効・当日限り有効、乗継割引適用なし
 東京〜宇都宮は109.5kmですので、通常の新幹線経由の乗車券の場合は2日間有効で途中下車もできるのですが、トクだ値では途中下車した時点で乗車券としても無効となります。新幹線と在来線の特急の乗継割引も適用されません。

(3)と(4)が特に厳しく、きっぷ受取後は旅客都合の変更・払い戻しが非常に制限されます。必ずその列車に乗る、というのであれば有利なのですが流動的な予定には不向きといえるでしょう。


券面を見てみます。85mm券に通常のきっぷの印字内容に加え、トクだ値特有の印字がされているためかなり混みいっています。
えきねっと列車限定割引 トクだ値50(乗車券つき)】
「乗車変更はできません 5割」「下車前途無効」「指定列車のみ有効。乗遅れの際は乗車券・料金券とも無効。」

「料金券」という言い回しが気になるところです。
トクだ値は普通車指定席の他にグリーン車指定席も対象としていますので「特急券」だけでは不十分なのですが、「料金券」という言い回しで鉄道に詳しくない旅客に通じるかどうかは微妙なところです。

このきっぷは、宇都宮駅下車時に持ち帰りを申告しました。
無効印の押印と大きめのパンチ穴が空きましたが、マルス券の持ち帰りは認めて頂けるようです。