東京メトロ線への連絡乗車券

JRと私鉄・地下鉄・第三セクターなど(以下 会社線)は一部の区間で連絡乗車券という通しの乗車券を購入できます。
連絡乗車券の発売はほとんど自動券売機となりますが、みどりの窓口などでも発売は可能です。

ただし、後述する通り購入は時間がかかりますしJR東日本の場合、連絡乗車券はほとんどが120mmの自動改札機を通過できない長い乗車券で発券されます。
Suica/PASMOが普及した現状にあってはわざわざ窓口に並んでまで連絡乗車券を購入するメリットは鉄道会社・旅客ともに薄いですし、まず断られるでしょう。


それはさておき、立川発、銀座行きの片道乗車券です。
中野でJR東日本東京メトロを乗り継いでいます。
発売額は610円、JR東日本の380円と東京メトロの230円を合算した運賃となります。

中野駅を接続駅とするJR東日本から東京メトロへの連絡範囲は以下のとおりです。
JR東日本:中央線 高円寺〜立川間
東京メトロ東西線各駅、銀座〜三越前間、東銀座〜小伝馬町


以下、ご参考までに発売の手順です。
立川発〜銀座行き、中野経由、東京メトロへの連絡乗車券の発売を行うケースです。

  1. 旅客連絡運輸取扱基準規程別表(赤いバインダー、以下連規別表)の(233)東京地下鉄のページを開く。中野接続、立川〜銀座間が連絡運輸範囲であることを確認する。
  2. マルス端末の乗車券メニューより「金額入力−自・社区間」を選択する。発駅[立川]、着駅[銀座]を入力し、経路を指定する。経路自動案内でも経路入力でも良い。
  3. マルスより「口座なし」が回答される。「口座なし」とは「発売できない」という意味ではなく、「運賃・営業キロが未登録」ぐらいの意味です。
  4. 連規別表の(233)東京地下鉄線のページから中野の接続コード、中野から銀座までの運賃、営業キロを探す。
  5. 中野駅接続であるので、乗車券の経路を中野までに変更する。立川〜中野であれば[中央東]となる。
  6. 中野の接続駅コード[4608]、自・社基準額に中野〜銀座間の運賃[230]円、営業キロ[12.3]kmを入力する。
  7. マルスより「YES」が回答される。乗車券が発券可能となる。


このような金額を手入力する発券方法は金額入力と呼ばれます。
乗車券右下に「額」が印字されること、必ず120mmの長い乗車券で発売されることが特徴です。120mmの乗車券ではJR線・会社線とも自動改札機を通過できません。丸印に×の「(×)」は自動改札機が通過不可であることを示しています。
連絡乗車券として発売でき、運賃が収容されていない区間であることが明らかな場合は4.から始める場合もあります。
なお6.の操作において入力する金額を誤ると、誤った金額の乗車券が発券されてしまいます。
いずれにしても、大変に手間のかかる乗車券であることは間違いありません。駅で断られるのも当然でしょう。


この乗車券は、銀座線の連絡範囲が銀座〜三越前間と日本橋から南北に伸びており日本橋乗り換えを想定していると思われますが、東京メトロの普通乗車券と同様、重複しない経路である限り遠回りしての乗車が可能です。この乗車券を使用したときは大手町から丸ノ内線に乗り換え、銀座に向かいました。

大手町駅東京メトロ丸ノ内線東西線・千代田線・半蔵門線が集まるターミナルですが、東西線丸ノ内線は直接つながっておらず半蔵門線・千代田線ホーム経由の遠回りをする必要があります。
このため改札内で乗り換えできるにも関わらず、一旦出場しての乗り換えが認められており、一部の自動改札機も途中出場に対応しています。このような乗り換えは改札外乗り換え、ラッチ外乗り換えなどと呼ばれます。

しかしこの乗車券は自動改札機を通過できません。改札の係員に見せ、出場・入場となりました。この手のJRからの連絡乗車券は初めて見たとのことでした。