宇都宮から渋谷への連絡乗車券

宇都宮から渋谷への片道乗車券です。


経由は「宇都宮・新幹線・新青森・奥羽・羽越・信越上越高崎線(以降手書き)東北、東海、横浜、東急線」とあります。
横浜を接続駅とするJR東日本東京急行電鉄の連絡乗車券ですが、この乗車券の経路は宇都宮(東北新幹線)新青森(奥羽本線)秋田(羽越本線)新津(信越本線)宮内(上越線)高崎(高崎線)大宮(東北本線)東京(東海道本線)横浜(東横線)渋谷です。
平成25年10月に購入したものですので、消費税増税前の運賃です。JR線1405.3km 15230円、東急線24.2km 260円で合計1429.5km 15490円、現行運賃はJR線15660円、東急線270円で合計15930円です。有効日数は9日間で、東急線を含め各駅で途中下車が可能となります。

連絡乗車券の発売においては、発駅・着駅の範囲、接続駅と経由する輸送機関(※)のみが指定されています。JR線の経路については経由輸送機関に含まれないJR線でなければ特に制限はありません。発駅をJR線宇都宮、接続駅を横浜、着駅を東急線渋谷、JR線区間新青森を経由していますが全区間JR東日本線です。連絡運輸上、JR線が遠回りとなる経路で発売しない規定は特に無いため、このような著しく遠回りとなる連絡乗車券も発売可能です。
この乗車券の購入を申し出た駅ではマルスで発券できるところまでは行けましたが、本当に発売していいかどうかをどこかに確認した上で発売頂きました。発駅→宇都宮までの乗車券を別に購入し、大宮駅で乗車券2枚を提示して新幹線を利用したため、宇都宮からの乗車券ですが大宮駅の改札印が押印されています。

横浜接続の東急線渋谷はマルスシステムに運賃が登録されているため、金額入力操作を行うことなく発券できます。
もし運賃登録がなければ金額入力操作が必要ですが、この経路の経由線は10であり自・社区間入力の上限である8を上回っています。このため自・社区間入力での発券が出来ず、出札補充券での発券となるものと思われます。


東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則別表においてそれぞれの連絡会社線 接続駅ごとの「経由運輸機関及び区間」で示されています。JR東日本線→社線において途中経由する輸送機関を意味しており、空欄または東日本旅客会社線とある場合はJR東日本線と連絡会社線以外の他社線を経由する乗車券は発売できません。
東京急行電鉄株式会社線 横浜接続においてはJR東日本東京急行電鉄以外の他社線を経由する乗車券は発売できません。したがってJR線宇都宮→(JR東日本線)→横浜接続→東急線渋谷は可、JR線宇都宮→(JR東日本線・IGR線・青い森鉄道線)→横浜接続→東急線渋谷やJR線宇都宮→(JR東日本線・JR東海線)→横浜接続→東急線渋谷は不可となります。

横浜を接続駅とするJR東日本東京急行電鉄の連絡範囲は以下のとおりです。
JR東日本東海道本線、山手線、赤羽線南武線鶴見線武蔵野線横浜線根岸線横須賀線、相模線、伊東線中央本線 東京〜甲府間、青梅線五日市線東北本線 東京〜宇都宮間・尾久・北赤羽〜北与野間、常磐線 日暮里〜水戸間、川越線高崎線両毛線総武本線京葉線外房線内房線成田線
東京急行電鉄東横線目黒線東急多摩川線大井町線、池上線、田園都市線 二子玉川〜つくし野間


この乗車券はJR区間で新幹線を経由していますが、2014年4月1日以降、東京急行電鉄ではJR東日本への連絡乗車券のうち新幹線を経由するものを発売しない旨が規定上明記されています。そのため、この乗車券の逆経路となるものは東京急行電鉄では発売できません。
もっとも、新幹線経由を発売していた時期であってもこのような著しく遠回りとなる乗車券は、東京急行電鉄側での運賃計算が困難であり、実質的に発売できなかったものと推測されます。


ところで、横浜から渋谷への東急線の経路としては最も一般的な横浜(東横線)渋谷の他、横浜(東横線)田園調布(目黒線)大岡山(大井町線)自由が丘(東横線)渋谷や、横浜(東横線)多摩川(東急多摩川線)蒲田(池上線)旗の台(大井町線)大岡山(目黒線)田園調布(東横線)自由が丘(大井町線)二子玉川(田園都市線)渋谷などの迂回経路が考えられます。
JR線からの連絡乗車券で東京急行電鉄線内の迂回乗車や、迂回経路上での途中下車は可能なのでしょうか。