名鉄一宮から名鉄一宮への一周乗車券

名鉄一宮から名鉄一宮への片道乗車券です。名古屋鉄道の特殊補充券で発売されました。


経由欄は「津、須」と略記されています。それぞれ津島、須ケ口を意味します。経路は以下のとおりです。

名鉄一宮(尾西線)津島(津島線)須ケ口(名古屋本線)名鉄一宮

名古屋鉄道では折り返しとなる場合・環状線一周を超える場合以外は運賃計算キロを通算としています(※1)ので環状線一周の乗車券を片道乗車券として購入できることとなります。
※1名古屋鉄道株式会社 旅客営業規則第21条・第40条・第41条

以下の環状線を構成する区間は最短経路で計算となっていますので、今回のような乗車経路通りに計算した乗車券の他、環状線内の隣駅までの往復乗車券で一周乗車が可能と思われます。
名古屋本線 枇杷島分岐点(※2)〜名鉄岐阜間、津島線 須ヶ口〜津島間、尾西線 津島〜名鉄一宮間、犬山線 枇杷島分岐点(※2)〜新鵜沼間、各務原線 名鉄岐阜新鵜沼
※2名古屋本線犬山線の分岐は東枇杷島の西0.6kmにある枇杷島分岐点で、枇杷島分岐点経由として運賃を計算し、枇杷島分岐点名鉄名古屋間は別途運賃を払うことなく折り返し乗車が認められています。

この一周乗車券の運賃を計算してみます。名鉄の運賃は、路線ごとに設定された運賃計算区分を元とした運賃計算キロにより計算されます。
運賃計算区分はA・B・Cの三種類あります。区分ごとに営業キロを合算し、Aは1.00倍、Bは1.15倍、Cは1.25倍したものを0.1km単位に切り上げます。これを合算したものが運賃計算キロです。

今回の乗車券の場合、名古屋本線はA、津島線はB、尾西線はCです。
A:名古屋本線 須ケ口名鉄一宮営業キロ12.9km、運賃計算キロ12.9km
B:津島線 津島〜須ケ口営業キロ11.8km、運賃計算キロ11.8×1.15=13.57→13.6km
C:尾西線 名鉄一宮〜津島、営業キロ17.1km、運賃計算キロ17.1×1.25=21.375→21.4km

以上から運賃計算キロは12.9+13.6+21.4=47.9kmとなり、45km〜48kmの運賃である770円(2014年4月1日以降は790円)が発売額となります。


名鉄にはこれ以外にも環状一周となる経路があります。
例えば名鉄岐阜(名古屋本線)枇杷島分岐点(犬山線)新鵜沼(各務原線)名鉄岐阜となる経路です。


この区間の運賃を計算してみます。運賃区分は、名古屋本線がAで犬山線各務原線がBです。
A:名古屋本線 名鉄岐阜枇杷島分岐点営業キロ28.5km、運賃計算キロ28.5km
B:犬山線各務原線 枇杷島分岐点名鉄岐阜営業キロ44.4km、運賃計算キロ44.4×1.15=51.06→51.1km

運賃計算キロは28.5+51.1=79.6kmで、77〜80km間の1230円が運賃となります。
枇杷島分岐点の運賃計算が複雑になると思い今回は購入しませんでした。

この乗車券は名鉄一宮駅の出札窓口で購入を申し出たところ、手書きの切符になるので少し時間頂きます、と発券に取り掛かって頂けました。
改札係員の方もご存知だったようで、最近発売された実績があったように思われました。現在でも発売しているのでしょうか。