JR北海道バスとの通過連絡運輸

[札]札幌市内から[札]札幌市内への片道乗車券です。
鉄道のみの乗車券に見えますが、深川〜名寄間でジェイ・アール北海道バス深名線を経由しています。

経由は以下のとおりです。
[札]札幌市内(函館本線)深川(深名線[バス])名寄(宗谷本線)旭川(富良野線)富良野(根室本線)新得(石勝線)南千歳(千歳線)[札]札幌市内

この乗車券はJR線〜バス路線〜JR線の形態の連絡運輸で、前後のJR線の運賃を通算しています。このような連絡運輸は通過連絡運輸と呼ばれています。
かつては多くの交通機関が通過連絡の対象となっていましたが最近は縮小が進んでおり、バス路線を挟む形態の通過連絡運輸はここ深名線ただ一つとなりました。

ジェイ・アール北海道バスJR北海道の通過連絡範囲は以下のとおりです。

JR北海道:各駅
ジェイ・アール北海道バス深名線 深川・名寄間(経由)
JR北海道:各駅

名寄→深川、深川→名寄のどちらの利用でも発売可能です。
深名線国鉄JR北海道の路線をバス転換した歴史的な経緯から、過去にはJR6社との通過連絡運輸を行なっていたようです。


この乗車券は東京駅にあるJR北海道プラザ東京支店で購入しました。
窓口の方は鉄道とバスの連絡運輸(通過連絡運輸)を行なっていることはご存知だったようで、発売自体はスムーズでした。過去に発売実績もあったようです。

運賃はJR線通算の運賃+バス運賃2400円となります。
札幌市内発着ですので、運賃計算上は札幌〜深川+名寄〜札幌となります。幹線と地方交通線を経由していますので以下で一路線ずつ計算してみます。

函館本線:札幌〜深川 幹線106.6km
宗谷本線:名寄〜旭川 地方交通線76.2km(換算キロ83.8km)
富良野線旭川富良野 地方交通線54.8km(換算キロ60.3km)
根室本線富良野新得 幹線81.7km
石勝線:新得〜南千歳 幹線132.4km
千歳線:南千歳〜白石 幹線38.2km
函館本線:白石〜札幌 幹線5.8km

営業キロ495.7km、換算キロで計算した運賃計算キロは508.8kmです。
501〜520kmに相当する8290円が鉄道の運賃となり、バス運賃2400円との合算である10690円が発売額です。
有効期間は鉄道の営業キロから算出した4日間に、バス連絡で1日が加算され5日間となるようです。


なお、ジェイ・アール北海道バスの運賃はマルスシステムには登録されていないようです。
総販システムにもバス路線の運賃は定期券・連絡定期券のみ登録されているようで、金額入力操作での発売となりました。通過連絡運輸の場合は基準額入力操作が用いられます。
バス区間は接続駅コード1070(深川)→1071(名寄)、基準額2400円で発売できます。

基準額入力操作では、経由欄に何も印字されないことから手書きとなるのですが「深川・名寄・旭川富良野新得・南千歳」と経由駅のみが列挙され、ジェイ・アール北海道バス線を経由するということが読み取れません。
深川→名寄→旭川という経由から、函館本線・宗谷本線経由でないというのは分かりますが……。


深名線については、JR北海道ジェイ・アール北海道バスへの連絡運輸も深川と名寄で取り扱っています。
連絡範囲は以下のとおりです。
JR北海道:各駅
ジェイ・アール北海道バス
 (深川接続):幌加内・湖畔・母子里・名寄
 (名寄接続):母子里・湖畔・幌加内・深川

さらに、深川と名寄ではジェイ・アール北海道バス完結の片道乗車券も発売しているようです。ただし着駅(停留所)として発売できるのは上記連絡範囲である幌加内・湖畔・母子里に限られるとのことです。