岡山から下関への片道乗車券です。
経由は「山陽」とあります。
2017年3月3日まで山陽本線には369M列車という岡山から下関を7時間36分かけて運行する日本最長の普通列車が存在していました(※)。
※始発駅から終着駅までの所要時間では根室本線普通列車2427D滝川発釧路行きが8時間19分でこちらの方が長いですが、2016年8月の台風の影響で室蘭本線東鹿越〜新得間が不通となっており、現在も運転されていません。なお滝川から釧路への根室本線経由の営業キロは308.4kmです。
岡山から下関への山陽本線経由の営業キロは384.7kmです。幹線384.7kmに対する運賃は6480円ですが、岩国〜櫛ヶ浜間は東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第69条第1項第9号に規定される経路特定区間ですので山陽本線経由であっても短い岩徳線経由で運賃・料金を計算します。従って369Mの運行経路通り、全区間山陽本線経由の乗車券というものは購入できないことになります。なお規則第158条第1項の規定により、規則第69条第1項第9号により岩徳線経由で運賃計算された乗車券は、山陽本線経由での迂回乗車も可能です。
運賃計算上の営業キロは岩徳線経由で363.0km、運賃計算キロは367.4km、運賃は6260円です。
有効日数は営業キロ363.0kmで計算し3日間、途中下車も可能です。
普通列車369Mで2分以上停車時間のある駅は以下の通りでした。これは休日ダイヤです。
平日は海田市でも停車時間があり、代わりに広島の停車時間が若干短くなっています。
着 発
岡山 ---- 1617
福山 1715 1717
糸崎 1744 1748
広島 1905 1913
岩国 2006 2014
由宇 2030 2035
徳山 2127 2200
下関 2350 ----
下関では1分の待ち合わせで23:51発、山陽本線・鹿児島本線経由、門司停車・小倉行最終列車5239Mに接続しています。
5239Mは門司に23:58に着きます。ギリギリ当日中に九州入りが可能ということになります。さらに5239Mは小倉に0:04着、1分の待ち合わせで0:05発、日豊本線普通柳ヶ浦行2591Mにも接続しています。
小倉では鹿児島本線下り列車が終了しているため、博多方面への乗継はありません。
2017年3月4日のダイヤ改正により369Mの時間帯の列車は普通列車371M岡山発緑井行き(平日)・岩国行き(休日)及び普通列車369M糸崎発下関行きに系統が分断されました。371Mから369Mへは乗継ができませんが、後続の373M(平日)・671M(休日)が徳山で369Mに追いつきます。
369M 平371M 休371M 平373M 休671M
岡山 ---- 1617 1617 ---- ----
福山 ---- 1726 1726 ---- ----
糸崎 1746 1801 1801 1829 ----
広 || || || || 1847
広島 1914 1935 1931 1953 1955
緑井 || 2001 || || ||
岩国 2014 ---- 2030 2050 2050
由宇 2035 ---- ---- 2106 2106
徳山 2159 ---- ---- 2157 2157
下関 2350 ---- ---- ---- ----
長距離の普通列車ですので青春18きっぷとの相性が非常によく、実際に18きっぷシーズンに乗り通した例はいくつもあるようですが、普通乗車券で乗り通したという事例は見たことがありません。
18きっぷ1日あたり2370円の区間を正規運賃6260円で乗り通すような物好きはさすがに居なかったようです。ので試してみましたが、直通運転自体がとりやめられてしまいました。
(特定区間における旅客運賃・料金計算の営業キロ又は運賃計算キロ)
第69条 第67条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる区間の普通旅客運賃・料金は、その旅客運賃・料金計算経路が当該各号末尾のかっこ内の両線路にまたがる場合を除いて、○印の経路の営業キロ(第9号については運賃計算キロ。ただし、岩国・櫛ヶ浜間相互発着の場合にあっては営業キロ)によって計算する。この場合、各号の区間内については、経路の指定を行わない。
(1)〜(8)略
(9)岩国以遠(和木方面)の各駅と、櫛ヶ浜以遠(徳山方面)の各駅との相互間
山陽本線
○岩徳線
(以下略)(特定区間におけるう回乗車)
第158条 第69条の規定により発売した乗車券を所持する旅客は、同条第1項各号の規定の末尾に記載されたかっこ内の○印のない経路をう回して乗車することができる。
(以下略)