折尾→博多の区間変更券(新幹線経由)

折尾から博多への区間変更券です。
この区間変更券は「[区]東京都区内→[九]北九州市内、新幹線・小倉経由」の乗車券を原券に新幹線車内で博多までの乗り越しを申し出た際に発行されました。


過去にご紹介した博多→折尾(新幹線経由)の乗車券の逆パターンですが、前回は手持ちの乗車券に繋がる乗車券を追加で購入したのに対し、今回は区間変更です。「収受・変更区間 折尾→博多、経由:折尾・新幹線・博多」と、博多→折尾(新幹線経由)の乗車券と同様に折尾駅が新幹線の駅であるような券面になっています。

[区]東京都区内→[九]北九州市内の乗車券で博多まで乗り越す場合、着駅を超える方向に変更ですので東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第249条第1項第1号に規定される区間変更となり、同条第2項第1号(イ)により「変更区間に対する普通旅客運賃」が必要です。

新下関〜博多間の山陽新幹線山陽本線鹿児島本線規則第16条の2に規定される新幹線と在来線の同一扱いの路線に含まれていません。このため小倉→博多間の山陽新幹線経由と鹿児島本線経由は別の乗車券です。
さらに規則第86条第8号の規定から北九州市内の山陽新幹線の出入口駅は小倉ですので、北九州市内着の乗車券で博多まで乗り越す場合は小倉→博多(山陽新幹線経由)、JR西日本幹線営業キロ67.2kmに対する運賃1140円が本来は必要となります。

しかしながら北九州市内着の乗車券で新幹線を経由し博多(博多より先も含む。以下同)へ乗り越す場合、鹿児島本線における北九州市内の出入口駅である折尾から博多までの営業キロ(48.1km)をJR西日本の賃率で計算した840円(※)で区間変更を行うと言う取扱い、いわば山陽新幹線上に折尾駅が仮想的に存在するとみなした取扱いを行っています。
JR九州の幹線48.1kmに対する運賃は940円です。

この取扱いの根拠はよくわかりませんが、西日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程(以下、基準規程)第275条第1号で特定都区市内・東京山手線内着の乗車券で区間変更する場合、それぞれの出口駅を着駅とみなすと定め、さらに(例)において「小倉・博多間を新幹線に乗車する区間変更の取扱いを申し出たときは、北九州市内又は福岡市内の出口の駅からの営業キロ又は運賃計算キロによつて普通旅客運賃を計算するものとする。」としています。北九州市内から博多方面の場合、「出口の駅」は小倉とも折尾とも解釈できますが、具体的な規定はありません。
ここから「新幹線乗車時は折尾→博多をJR西日本の賃率で計算する」という実際の扱いは読み取れませんが、基準規程でわざわざ定めているということは、小倉→博多(新幹線経由)の精算が必要という本来の扱いを何らかの形で緩和する意図があるということなのでしょうか。


なお、かつてこの区間変更を申し出た際は車内ではできないので駅での精算、とのことでした。結局は博多駅の精算所で折尾を起点とする精算が可能でした。
今回は車内で変更できましたが、当時の車内補充券発行機が対応していなかったのかどうかは今となってはわかりません。

【旅客営業規則】
(東海道本線(新幹線)、山陽本線(新幹線)、東北本線(新幹線)、高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)、信越本線(新幹線)及び鹿児島本線(新幹線)に対する取扱い)
第16条の2 次の各号の左欄に掲げる線区と当該右欄に掲げる線区とは、同一の線路としての取扱いをする。

(1) 東海道本線山陽本線中神戸・新下関 東海道本線(新幹線)及び山陽本線(新幹線)中新神戸新下関
(2) 東北本線 東北本線(新幹線)
(3) 高崎線上越線及び信越本線 高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)及び信越本線(新幹線)
(4) 鹿児島本線中博多・新八代間及び川内・鹿児島中央 鹿児島本線(新幹線)中博多・新八代間及び川内・鹿児島中央

(以下略)

(特定都区市内にある駅に関連する片道普通旅客運賃の計算方)
第86条 次の各号の図に掲げる東京都区内、横浜市内(川崎駅、尻手駅八丁畷駅及び川崎新町駅並びに鶴見線各駅を含む。)、名古屋市内、京都市内、大阪市内(新加美駅を除く。)、神戸市内(道場駅を除く。)、広島市内(海田市駅及び向洋駅を含む。)、北九州市内、福岡市内(姪浜駅下山門駅今宿駅九大学研都市駅及び周船寺駅を除く。)、仙台市内又は札幌市内(以下これらを「特定都区市内」という。)にある駅と、当該各号に掲げる当該特定都区市内の◎印の駅(以下「中心駅」という。)から片道の営業キロが200キロメートルを超える区間内にある駅との相互間の片道普通旅客運賃は、当該中心駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによつて計算する。ただし、特定都区市内にある駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内の外を経て、再び同じ特定都区市内を通過するとき、又は特定都区市内にある駅を着駅とする場合で、発駅からの普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内を通過して、その特定都区市内の外を経るときを除く。
(以下略)

(区間変更)
第249条 普通乗車券、自由席特急券、特定特急券普通急行券又は自由席特別車両券を所持する旅客は、旅行開始後又は使用開始後に、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、当該乗車券類に表示された着駅、営業キロ又は経路について、次の各号に定める変更(この変更を「区間変更」という。)をすることができる。
(1)着駅又は営業キロを、当該着駅を超えた駅又は当該営業キロを超えた営業キロへの変更
(2)着駅を、当該着駅と異なる方向の駅への変更
(3)経路を、当該経路と異なる経路への変更
2 区間変更の取扱いをする場合は、次の各号に定めるところにより取り扱う。
(1)普通乗車券
 イ 次により取り扱う。この場合、原乗車券が割引普通乗車券(学生割引普通乗車券を除く。)であつて、その割引が実際に乗車する区間に対しても適用のあるものであるときは、変更区間及び不乗区間に対する旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
  (イ)前項第1号に規定する場合は、変更区間に対する普通旅客運賃を収受する。
  (ロ)前項第2号及び第3号に規定する場合は、変更区間(変更区間が2区間以上ある場合で、その変更区間の間に原乗車券の区間があるときは、これを変更区間とみなす。以下同じ。)に対する普通旅客運賃と、原乗車券の不乗区間に対する普通旅客運賃とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払いもどしをしない。
(以下略)

【旅客営業取扱基準規程】
(特定都区市内等に関連する乗車券で区間変更をする場合の旅客運賃の計算方)
第275条 特定都区市内又は東京山手線内着若しくは発の乗車券を所持する旅客が、区間変更の取扱いを申し出た場合は、次の各号に定めるところにより旅客運賃を計算するものとする。
(1)規則第249条第1項第1号に規定する区間変更の取扱いをする場合は、変更する着駅の方向の駅に関連するそれぞれの特定都区市内又は東京山手線内の出口となる駅着のものとして取り扱う。
(例)仙台発横浜市内着の乗車券を所持する旅客が、豊橋まで区間変更を申し出たときは、戸塚(横浜市内の出口の駅)・豊橋間(普通旅客運賃は規則第86条の規定により横浜・豊橋間)の普通旅客運賃を収受する。この場合、北九州市内又は福岡市内着の乗車券を所持する旅客が、小倉・博多間を新幹線に乗車する区間変更の取扱いを申し出たときは、北九州市内又は福岡市内の出口の駅からの営業キロ又は運賃計算キロによつて普通旅客運賃を計算するものとする。
(以下略)