株主優待割引と乗継割引

大宮から新青森への新幹線特急券と、青森から弘前への在来線自由席特急券です。
新幹線特急券にはJR東日本株主優待割引(4割引)、自由席特急券には新幹線からの乗継割引(5割引)が適用されています。



大宮→新青森はやぶさ号指定席特急料金は6470円、乗車日の8月29日は繁忙期ですので200円を加算し6670円です。これに株主優待割引4割引を適用すると4002円、10円未満を切り捨てて4000円です。
青森→弘前37.4kmの自由席特急料金は510円、乗継割引で半額となり255円、10円未満切り捨てで250円が発売額です。

一枚の特急券株主優待割引と乗継割引を併用することはできません。東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第76条では同一の乗車券類に対して複数の割引を適用しないと規定しています。
JR東日本の株主優待割引証ご案内のページにも以下の記載があります。

・他の割引との重複適用はいたしません。
※他の割引とは、往復、学生、団体、乗継、身体障害者、大人の休日倶楽部などの割引をいいます。


例として、「燕三条→新潟(新幹線)」+「新潟→秋田(いなほ号)」と乗り継ぐ場合、いなほ号株主優待割引と乗継割引の両方の適用はできません。

一方で新幹線→在来線特急と乗り継ぐ場合で新幹線に株主優待割引、在来線特急に新幹線からの乗継割引を適用することは「同一の乗車券類」に複数の割引を適用しておらず、乗継割引の条件を満たす場合(接続駅、乗車日、同時購入等。以下では全て満たしている前提)は今回のようにそれぞれの割引を適用することが可能です。


なお、東海道新幹線の回数券(特別企画乗車券)の説明ページには以下の記載があります。

● 他の割引との併用はできません。
● 乗継割引の適用はいたしません。

乗継割引の適用自体が否定されています。新幹線回数券を新幹線特急券とみなし、在来線特急に乗り換えて乗継割引の適用はできないことになります。


過去に今回と同じような特急券を購入しようとした時は「新幹線の株主優待割引と、在来線特急の乗継割引は併用不可」と断られてしまいました。
当時はそういうものだと特に疑問も持たずそのまま購入しましたが、今回改めて確認したところ重複適用にあたらない、両方の割引適用が可能とのことでした。規定上も新幹線と在来線特急の両方を割引することが正しいように思われます。

なお、JR東海株主優待割引においても同じ扱いとなることを確認しています。例として「東京→名古屋(新幹線)」+「名古屋→新宮(南紀号※)」と乗り継ぐ場合、新幹線に株主優待割引(1割引または2割引)、在来線特急に乗継割引(5割引)を適用させることが可能です。
※特急(ワイドビュー)南紀号は河原田・津間で伊勢鉄道線を経由します。株主優待割引利用時も通過連絡の乗車券・特急券を購入できますが、会社線区間の運賃・料金は無割引です。
JR西日本においては少々事情が特殊で、片道乗車券の区間内の列車は何度でも割引になります。従って新幹線と在来線特急の乗継においても乗継割引ではなく株主優待割引により半額となるため、割引の同時適用を考慮する必要がありません。

(旅客運賃・料金割引の重複適用の禁止)
第76条 旅客は、旅客運賃・料金について2以上の割引条件に該当する場合であつても、同一の乗車券類について、重複して旅客運賃・料金の割引を請求することができない。
2 前項の規定にかかわらず、学生割引普通乗車券を購入する旅客は、第94条に規定する往復割引の普通旅客運賃に対して、第92条に規定する学生割引の適用を請求することができる。