青森駅の定期入場券

青森駅の定期入場券です。青森駅は現在では珍しくなりましたが、定期入場券を扱っています。


定期入場券の料金は東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第295条第2号に規定されています。青森駅電車特定区間内の駅ではありませんので4410円(当時。現行4540円)です。
規則296条第1項の規定により、定期入場券は1ヶ月有効となるもののみ発売されます。3ヶ月・6ヶ月の定期入場券はありません。発売価格は大人用と小児用に限られ、学生用の価格は存在しません。

定期入場券を発売する駅は、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程(以下、基準規程)第381条の3第1項において支社長が定めるとされていますが、実際にはどの駅で発売されているかを知ることは困難です。かつてはJR時刻表で「電車特定区間内の定期入場券の発売駅は東京と高尾」と明記されていましたが、いつの間にか記載がなくなってしまいました。

東京駅で発売している理由は不明ですが、高尾駅はJR側と京王側の通り抜けができない構造上の問題によるものと思われます。八王子市は高齢者等向けに高尾駅の入場券・定期入場券購入の補助を行っており、市のウェブサイトにも記載があります。青森駅も状況は高尾駅と似ており、西口と東口の通り抜けのためと思われます。

なお、青森駅Suicaエリア外ではありますが、Suicaエリアである東京駅・高尾駅においても定期入場券は磁気券に限られます。東京駅においてはJR東日本JR東海どちらでも発売しており、普通入場券と同様にどちらで購入した定期入場券であっても在来線・新幹線とも入場可能です。高尾駅の定期入場券はJR東日本のみ発売・有効で、京王電鉄では発売も使用もできません。

基準規程381条の3第2項では、定期入場券の発売要件として「駅長が認めた場合に限り」と定めていますが、実際は申込書を記入し提出するだけで購入できました。
定期入場券は青森駅・東京駅・高尾駅の他に大阪駅でも取扱いがありました。なおマルス端末は仕様上、定期入場券を扱っていない駅においても定期入場券を発券すること自体は可能です。



本州三社における普通入場券の料金は大阪電車特定区間が120円、それ以外はすべて140円です。
一方で定期入場券の料金設定は謎で、東京電車特定区間が3880円、大阪電車特定区間が3890円、それ以外が4540円です。

普通入場券は大阪電車特定区間<東京電車特定区間=その他エリア、定期入場券は東京電車特定区間<大阪電車特定区間<その他エリアと普通券と定期券で順序が入れ替わる逆転現象が発生しています。

定期入場券の料金を30日、31日で割ってみると、東京電車特定区間:129.33円/125.16円、大阪電車特定区間:129.66円/125.48円、それ以外:151.33円/146.45円です。つまり東京電車特定区間以外の定期入場券においては、毎日1回の入場では元が取れません。定期入場券は時間制限がないというメリット(規則第296条第1項)があるにはあるのですが……。

【旅客営業規則】
(入場券の種類及び料金)
第295条 入場券は、普通入場券及び定期入場券の2種類とし、その料金は、1枚について次の各号に掲げるとおりとする。
(1)普通入場券
 イ ロ以外の駅
   大人140円
   小児 70円
 ロ 大阪附近の電車特定区間内の各駅
   大人120円
   小児 60円
(2)定期入場券
 イ ロ又はハ以外の駅
   大人4,540円
   小児2,260円
 ロ 東京附近の電車特定区間内の各駅
   大人3,880円
   小児1,940円
 ハ 大阪附近の電車特定区間内の各駅
   大人3,890円
   小児1,940円
(以下略)

(入場券の効力)
第296条 普通入場券は、発売駅で発売当日中に1人1回に限つて、定期入場券は、発売日から1箇月間発売駅において記名人に限つて使用することができる。この場合、第294条第2項の規定により使用時間を制限して発売した普通入場券にあつては、当該制限された使用時間(以下「制限使用時間」という。)内に限つて使用することができる。
2 入場券所持者は、列車に立ち入ることができない。ただし、当社が特に認める場合は、この限りでない。

【旅客営業取扱基準規程】
(定期入場券の発売)
第381条の3 定期入場券を発売する駅は、支社長が定めるものとする。
2 定期入場券は、その使用が継続的である等駅長において必要と認めた場合に限り発売するものとする。