(小田急線)新宿への連絡乗車券

東京から新宿への片道乗車券です。
着駅に(小田急線)新宿とあるとおり、小田急線への連絡乗車券です。

経路は以下の通りです。
東京(東海道新幹線)品川(東海道本線)東神奈川(横浜線)八王子(中央本線)立川(南武線)登戸(小田原線)新宿

JR線97.7km 1530円、小田原線15.2km 240円で発売額は1770円です。2014年4月1日以降はJR線1580円、小田急線250円で1830円となっています。
片道112.9kmと100kmを超えており、新幹線経由で大都市近郊区間内相互発着の乗車券ではないため、2日間有効で途中下車が可能となります。

小田急線の各接続駅からの運賃は割引区間を含め基本的にマルスシステムに登録されているのですが、新宿接続の小田急線登戸、登戸接続の小田急線新宿の2区間については運賃登録がありません。このため金額入力操作が必要となります。
かつては新宿接続登戸については運賃登録がされていたようですが、平成22年3月の通過連絡運輸廃止に伴い削除されたようです。誤発売を防ぐためでしょうか。

この乗車券は自・社区間入力操作による発券です。接続駅コード4635(登戸)、社線営業キロ15.2km、社線運賃240円で発券されます。発行箇所は東京駅@7とあります。八重洲側のみどりの窓口ですが、対面式のカウンターではなく裏方に設置されているいわゆる裏マルスによる発券です。連絡範囲・運賃等を調べつつ、その場で発券したようです。



東京から新宿への片道乗車券です。JR東海の出札補充券により発売されました。


区間・経路はJR東日本で購入したものと同じなのですが、JR東海マルス端末は画面上に金額入力のボタンがなく(ボタンはあるが操作禁止?)、マルスシステムに運賃が登録されていない会社線マルス券での発券ができないようです(※)。
※かつては金額入力操作のボタンがありましたが、現在は削除されたとの噂があります。ただしJR東海マルス端末は旅客から画面が見えない配置となっているため本当に削除されたか、ボタンがあっても操作禁止になっているのか詳しいことは分かりません。

JR東海に関連する連絡運輸は、接続各駅から発売できる駅について運賃がマルスシステムに運賃が登録されているのですが、上記小田急線2区間については現在もマルス端末での発券ができません。このため出札補充券による発売となります。なお、新宿接続小田急線登戸については、新宿からの運賃が同額となる向ヶ丘遊園着とすることで金額入力を回避した発券が可能です。

経由は補充券の経由欄に書けなくもない分量ではありますが、別紙参照となり業務連絡書が添付されました。



なお、マルス端末における金額入力のうち、収受額入力・基準額入力操作はJR線の会社間運賃分配が行えず全額発売会社の運賃として扱われるのに対し、自・社区間入力操作はJR線の経路が入力されることに加え、(2−タ)と他社関連を意識した券面となっていることからも運賃配分が(おそらく)されているものと思われますが、指定券等自動発売装置取扱基準規程第6条第3項第5号では以下のように定めています。「指定券等自動発売装置」とはマルス端末を指します。

(5)金額入力の取扱い
指定券等自動発売システムに入力されていない自動車線及び連絡会社線区間について、普通乗車券、定期乗車券、急行券等を発行する場合、旅客運賃及び料金を入力して発行することができる。ただし、2以上の旅客鉄道会社線にまたがる場合は、これを行わない。

本記事執筆にあたり参考にしたのは平成9年の単行規定集であり、現行の指定券等自動発売装置取扱基準規程においてもこの規定が有効かどうかは確認できていません。第2項第1号で回数券をマルス端末で発売対象外とするなど現状は異なっていると考えられますが、仮に上記金額入力に関する規定が有効であるとすればJR東日本JR東海にまたがる今回の乗車券は金額入力操作では発行できないということになります。
JR東海が出札補充券で発行したのは、この規程に従った結果であるのか、単純にマルス端末が金額入力操作を扱えなかったのか、もしくはそれ以外の理由なのか、残念ながら知る手段はありません。


【指定券等自動発売装置取扱基準規程】
(指定券等自動発売業務の対象)
第6条 指定券等自動発売業務の対象となる普通乗車券等の発売区間(以下「自動化対象区間」という。)及び列車等(以下「自動化対象列車」という。)については、次の各号に定めるとおりとする。
(1)自動化対象区間とは、指定席塔自動発売システムにより発売操作可能な区間とする。
(2)自動化対象列車は、別に定める基本プログラム表のとおりとする。
2 指定券等自動発売業務により発行する乗車券類は、次の各号に掲げるものとし、取扱端末装置は別に定める指定券等自動発売システム端末装置操作標準等(以下「端末操作標準」という。)による。
(1)旅客規則第18条に規定する乗車券類(回数乗車券及び貸切乗車券を除く。)
(2)旅客規則第295条に規定する入場券
(3)指定席券
(4)バス指定席券
(5)東日本旅客鉄道株式会社周遊割引乗車券発売規則(昭和62年4月東日本旅客鉄道株式会社公告第8号。以下「周遊券規則」という。)第3条第2号イに規定する均一周遊乗車券(周遊券規則第16条第2項に規定する一般用均一周遊乗車券を除く。)
(6)別に定める特別企画乗車券等
3 前項に規定する指定券等の発行のほか、次の各号に掲げる取扱いをする。
(1)運賃加算の取扱い
ア 発売操作の場合で、指定席又は寝台を使用する区間(旅客規則第57条第5項の規定により1個の急行列車とみなして急行券を発売する区間を除く。)と同一区間(旅客運賃が同額のため、着駅が共通となる区間を含む。ただし、共通着駅となる駅が2以上の旅客鉄道会社にまたがりとなるものを除く。)の普通乗車券を同時に発行すること(以下この取扱いを「運賃加算の取扱い」という。)ができる。この場合、指定席又は寝台を使用する区間とまたがつて、そのまま指定席以外の座席を使用する区間を乗車するときは、指定席又は寝台を使用する区間以外の区間であつても運賃加算の取扱いをすることができる。
イ 自由席特急券、特定特急券普通急行券及び自由席特別車両券と同一区間の普通乗車券を別葉で発行するとき、運賃加算の取扱いができる。
(2)固定乗継の取扱い
旅客規則第57条の2に規定する乗継の取扱いを端末装置により1回の要求操作によつて先乗列車および後乗列車の指定席を同時に発行すること(以下この取扱いを「固定乗継の取扱い」という。)ができる。なお、固定乗継の取扱いと同時に前号に規定する運賃加算の取扱いをした場合は、指定券と普通乗車券とを別券片により発行をする。
(3)各種割引の取扱い
端末装置を操作し、割引等を適用した指定券等を発行する場合は、端末操作標準及び別に定めるところにより発行することができる。(以下この取扱いを「各種割引の取扱い」という。)
(4)後払等の取扱い
後払い及び免税を適用した指定券等は、端末操作標準及び別に定めるところにより発行することができる。
(5)金額入力の取扱い
指定券等自動発売システムに入力されていない自動車線及び連絡会社線区間について、普通乗車券、定期乗車券、急行券等を発行する場合、旅客運賃及び料金を入力して発行することができる。ただし、2以上の旅客鉄道会社にまたがる場合は、これを行わない。
(6)定期乗車券の再交付の取扱い
旅客規則第149条、同第164条並びに旅客規程第139条第2号、同第242条第1項第7号及び同第212条の規定により定期乗車券を再交付することができる。