運賃・料金改定と乗車変更(2)

前回、消費税増税前に購入した乗車券は消費税増税後に乗車変更しても旧運賃で発券されることを記事にしました。

これは運賃だけでなく料金(特急料金、指定席料金、寝台料金等)でも同様です。
また運賃・料金といった金額面だけでなく、効力についても原券購入日の時点で有効な規定が適用されます。


立川から新宿への自由席特急券です。3月31日に購入したものを4月1日に変更しました。
区間の特急料金は3月31日まで500円、4月1日以降は510円です。旧料金の500円で発券されました。
4月1日以降、急行券・自由席特急券の有効日数は1日に改められましたが、2日間有効であった3月31日に購入した特急券は、4月1日以降に変更しても2日間有効のままとなります。


4月7日に購入した新宿から立川への自由席特急券です。特急料金510円、1日間有効となっています。




契約が成立した時点(=きっぷ購入時)での規則が有効と定めた東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第5条東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則第8条で準用されているため、JR線完結の乗車券に限らず連絡乗車券においても同様の結果となります。


東京から南新宿への片道乗車券です。3月30日に購入した乗車券を原券として4月7日に変更しました。


東京(東北本線)神田(中央本線)代々木(山手線)新宿(小田原線)南新宿の経路のJR→小田急線連絡乗車券です。
マルスシステムに運賃が入っている会社線の場合は、会社線の運賃についても原券購入日を指定することで旧運賃を自動的に適用させることが可能です。

改定前の運賃はJR東日本190円、小田急電鉄120円で合計310円です。
現行運賃はJR東日本200円(IC194円)、小田急電鉄130円(IC124円)で330円(IC318円)です。


4月7日に購入した東京→南新宿間の片道乗車券です。現行運賃の330円が発売額になっています。



新宿から荏原中延への片道乗車券です。


JR→東急の連絡乗車券で、経路は新宿(山手線)五反田(池上線)荏原中延です。
五反田接続の東急線マルスシステムに運賃が登録されていないので金額入力が必要です。金額入力の場合においても旧運賃での発売が可能です。
自・社区間入力操作の場合、JR線区間の運賃については原券購入日を基準とした新旧運賃が自動的に適用されますが、会社線区間の運賃は自動計算されません。
したがって改定前の旅客連絡運輸取扱基準規程別表(以下、連基別表)で旧運賃を調べて入力する必要があります。このため駅にはしばらくの間、新旧両方の連基別表が備え付けられていました。

改定前の運賃はJR東日本160円、東京急行電鉄120円で合計280円でした。
現行運賃はJR東日本170円(IC165円)、東京急行電鉄130円(IC124円)で300円(IC289円)となっています。



三鷹から千葉への片道乗車券です。
中野・西船橋東京メトロ線を経由する通過連絡の乗車券です。


中野・西船橋間の東京メトロ線運賃は中野接続・西船橋接続ともマルスシステムに登録されていないので、基準額入力操作または収受額入力操作が必要となります。
改定前運賃はJR線が三鷹〜中野 9.4km、西船橋〜千葉 18.6kmでJR線営業キロは28.0kmに対する450円、東京メトロ線 中野〜西船橋間は300円で合計750円です。現行運賃はJR線470円、東京メトロ線310円で780円です。
ICカード使用時は営業キロが通算されず三鷹〜中野165円、中野〜西船橋308円、西船橋〜千葉302円の3区間の合算で775円です。


【旅客営業規則】
(契約の成立時期及び適用規定)
第5条 旅客の運送等の契約は、その成立について別段の意思表示があつた場合を除き、旅客等が所定の運賃・料金を支払い、乗車券類等その契約に関する証票の交付を受けた時に成立する。
2 前項の規定によって契約の成立した時以後における取扱いは、別段の定めをしない限り、すべてその契約の成立した時の規定によるものとする。

【旅客連絡運輸規則】
(準用規定)
第8条 旅客規則第4条第1項、同条第2項第2号、第5条、第10条及び第11条の規定は、この編に準用する。
(注1)準用する旅客規則の内容は、次のとおりである。
第4条 運賃・料金前払の原則
第5条 契約の成立時期及び適用規定
第10条 乗車券類等に対する証明
第11条 旅客等の提出する書類
(注2)旅客規則第4条第2項第1号及び同第9章第1節に規定するギフトカードの取扱いは、旅客会社線の駅において旅客会社線発となる乗車券類への引換え及び乗車変更等の取扱いを行う場合に限って、連絡運輸に適用することができる。