東急線→JR線 新幹線経由の連絡乗車券

たまプラーザから高崎への片道乗車券です。
東京急行電鉄の特別補充券により発売されました。

経由欄はかすれてよく読めませんが、以下のように記載されています。
「渋谷、原宿、山手線、赤羽線東北線、大宮、新幹線」


発売日である平成24年10月27日は東横線渋谷駅移転による連絡運輸の改訂前の時期です。
このため、田園都市線から渋谷接続JR線は、東急線内において二子玉川・自由が丘経由の大井町線東横線経由でしか行われていませんでした。
たまプラーザ駅の自動券売機は渋谷接続のJR線連絡乗車券を発売していませんので、特別補充券での発売となります。ただし途中下車可否が絡むような経路でない限りは分けて購入しても運賃は変わりませんので、通常は渋谷での買い直しを案内されるでしょう。

この乗車券の経路は以下のとおりです。
たまプラーザ(田園都市線)二子玉川(大井町線)自由が丘(東横線)渋谷(山手線)池袋(赤羽線)赤羽(東北本線)大宮(上越新幹線)高崎

東急線は18.8km 240円です。
JR線は券面の経路に従えば105.5km 1890円なのですが、この乗車券の東急線とJR線の接続駅である渋谷は東京山手線内に含まれており、なおかつ東京〜高崎間は営業キロが105.0kmと100kmを超えています。
このため東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則(以下、連規)第48条、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第87条の規定によりJR線部分は東京山手線内が適用され、東京起点で運賃が計算されます。東京([山]東京山手線内)→高崎で営業キロ105.0km、1890円です。

合わせて123.8km、2130円となります。券面の人員欄のとおり大人2名で利用しましたので、発売額は4260円となります。


片道100kmを超えており、なおかつJR線部分が新幹線経由で大都市近郊区間内相互発着の乗車券ではないため、2日間有効で途中下車可となります。
JR線は[山]東京山手線内となると書きましたが、連規第76条注意書きの規定により、渋谷〜池袋間の順路(※)においても途中下車できます。渋谷で分けて購入すると東京山手線内は下車前途無効になりますので、わずかですが効力が異なってきます。
※「順路」が具体的にどういう経路を指すのかは不明ですが、極端な大回りは不可と思われます。

なお、現在では東急線部分はたまプラーザ(田園都市線)渋谷、17.1km 240円となります。この区間に限れば制度改訂前後で運賃は変わりません。

【旅客営業規則】
(東京山手線内にある駅に関連する片道普通旅客運賃の計算方)
第87条 東京山手線内にある駅と、中心駅から片道の営業キロが100キロメートルを超え200キロメートル以下の区間内にある駅との相互間の片道普通旅客運賃は、当該中心駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによつて計算する。
ただし、東京山手線内にある駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、東京山手線内の外を経て、再び東京山手線内を通過するとき、又は東京山手線内にある駅を着駅とする場合で、発駅からの普通旅客運賃の計算経路が、東京山手線内を通過して、東京山手線内の外を経るときを除く。


【旅客連絡運輸規則】
(大人普通旅客運賃)
第48条 大人普通旅客運賃は、次の各号に定めるところにより計算した額とする。
(1)大人片道普通旅客運賃は、次に掲げる旅客会社線と連絡会社線の大人片道普通旅客運賃を併算した額とする。
イ 旅客会社線 旅客規則の定めるところによって計算した運賃
ロ 連絡会社線 別に連絡会社線ごとに定める旅客運賃
(以下略)

(途中下車)
第76条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によって、その券面に表示された発着区間内の着駅(旅客運賃が同額のため2駅以上を共通の着駅とした乗車券については最終着駅)以外の駅に下車して出場した後、再び列車等に乗り継いで旅行すること(以下「途中下車」という。)ができる。ただし、次の各号に定める駅(連絡接続駅を除く。)においては、途中下車をすることができない。
(1)全区間のキロ程が片道100キロメートルまでの区間に対する普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅。ただし、列車等の接続等で、接続関係等の理由により、旅客が下車を希望する場合を除く。
(2)第46条及び第47条の規定によって発売した乗車券を使用する場合は、当該乗車券の券面に表示された発駅又は着駅と同一の特定都区市内又は東京山手線内の旅客会社線
(3)前条第1項第1号イの(ロ)に規定する区間に発着する普通乗車券所持の旅客は、その区間内の駅
(4)自動車線区間の駅。ただし、運輸機関が指定した駅を除く。
(5)運輸機関が特に途中下車できない駅を指定した場合は、その指定した駅

(注)第46条又は第47条の規定によって発売した乗車券を使用する場合であっても、特定都区市内は東京山手線内にある旅客会社線駅に接続する連絡会社線の駅発又は着の乗車券による旅客は、その接続駅と同一の都区市内又は東京山手線内旅客会社線の順路内の駅で途中下車をすることができる。

2013年3月15日までの渋谷接続のJR東日本東京急行電鉄の連絡範囲は以下のとおりでした。
JR東日本東海道本線(※)、南武線武蔵野線横浜線横須賀線、相模線、伊東線中央本線 吉祥寺〜甲府間、青梅線五日市線東北本線 川口〜宇都宮間・戸田公園〜北与野間、常磐線 松戸〜水戸間、川越線高崎線両毛線総武本線京葉線外房線内房線成田線
東京急行電鉄東横線目黒線多摩川線、大井町線田園都市線 二子玉川〜中央林間間(自由が丘経由)、池上線 旗の台〜蒲田間
※東京都区内・横浜市内の各駅を含む。

※2014年4月27日追記 東京急行電鉄では2014年4月1日以降、JR東日本への連絡乗車券のうち新幹線経由となるものを発売しないことが規定上明記されました(連絡運輸範囲自体に変更はありません)。
そのため、この区間の乗車券は現在では発売できないことになります。