鹿島臨海鉄道の通過連絡乗車券

常陸青柳から成田への片道乗車券です。
券面印字の通り水戸駅みどりの窓口で購入しました。

経由は「水郡・水戸・鹿島サッカースタジアム・鹿島・成田線」とあります。
常陸青柳(水郡線)水戸(大洗鹿島線)鹿島サッカースタジアム(鹿島線)香取(成田線)成田の経路の乗車券です。

JR東日本鹿島臨海鉄道では、JR-社-JRの形態となる鹿島臨海鉄道を経由してJR線にまたがる連絡運輸を扱っています。
このような形態の連絡運輸は通過連絡運輸といい、旧国鉄・JR線を転換した路線に設定されることが多いですが例外もあります。
前後のJR線で営業キロを通算しますので、分けて購入するより安価になることが多いです。

今回の場合の営業キロ、運賃は以下のとおりです。
JR線(1):常陸青柳〜水戸 地方交通線1.9km(換算キロ2.1km)
JR線(2):鹿島サッカースタジアム〜香取 地方交通線17.4km(換算キロ19.2km)、香取〜成田 幹線30.5km
鹿島臨海鉄道線:水戸〜鹿島サッカースタジアム 53.0km

JR運賃計算キロ:2.1+19.2+30.5=51.8km→950円
鹿島臨海鉄道線運賃:1350円

以上を合計すると、このようになります。
運賃合計:2300円
営業キロ計:1.9+53.0+17.4+30.5=102.8km

水郡線を経由するため大都市近郊区間内相互発着の乗車券ではなく、片道101kmを超えているため2日間有効、途中下車可となります。


今回は水郡線常陸青柳駅から旅行開始しました。同駅は無人駅でありながら自動券売機が設置されていますが、発売しているのはJR線の近距離乗車券に限られ鹿島臨海鉄道線への連絡乗車券は扱っていません。
連絡乗車券は乗換駅で買い直しても殆どの場合は運賃が変わらないのですが、通過連絡運輸を扱っている場合は買い直しで運賃に差が出てしまう場合があります。また、今回は分けて買うことで途中下車もできなくなります(※)。
※通過連絡運輸を適用しない場合、JR線1 140円、鹿島臨海鉄道線 1350円、JR線2 820円で2310円となり、通しで買うより10円高くなります。分けて買うことで片道営業キロが100km以下または大都市近郊区間相互発着のため下車前途無効となります。


とはいえ駅で発売していない以上どうしようもありませんので常陸青柳から水戸までの運賃に相当する140円の乗車券を自動券売機で購入しました。
車内で買替えを請求しようかと思いましたが、常陸青柳から水戸は3〜4分ですので時間がなく、水戸駅での買替えとなりました。

券面に「○ム」の印字があります。
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第27条第2項、東日本旅客鉄道株式会社 旅客取扱規準規程第44条に規定される、「旅客の請求に応じられない場合に特殊発売された乗車券」であることを示しています。
これを原券として水戸駅の特急・鹿島臨海鉄道線の乗換改札で買替えを請求してみましたが、乗り換え改札の改善型車発機では鹿島臨海鉄道線に関連する乗車券は発売できないようですので、続いて改札で相談してみます。
常陸青柳鹿島臨海鉄道経由の通過連絡運輸を扱っていること、水戸で買い直すと運賃が変わることはご存知だったようですが、改札では乗車券の発売ができないとのことでみどりの窓口での買替えとなりました。常陸青柳〜成田2300円と原券140円の差額である2160円を支払い、上記の乗車券を購入しました。
※旅客営業取扱基準規程では買替えは常備券・補充券での発券しか規定されていませんが、マルス端末・POS端末で発券し差額収受(または払戻し)の取り扱いが一般的なようです。

鹿島臨海鉄道の通過連絡乗車券はえきねっとで購入可能ですので先に買っておけばよかったと思うところです。

【旅客営業規則】
(普通乗車券の特殊発売)
第27条 旅客が列車内において普通乗車券の発売を請求する場合、当該列車の係員が携帯する普通乗車券ではその請求に応じられないときは、普通旅客運賃(旅客が旅客運賃割引証を所持する場合又は旅客の請求する区間について旅客運賃割引の 取扱いができる場合であつても、無割引の普通旅客運賃)を収受して、係員がその携帯する普通乗車券によつて乗車方向の最遠の駅又は乗継駅までのものを発売し、同乗車券の券面に、途中駅まで発売した旨を表示する。
2 前項の規定は、第21条の2の規定により乗車券の発売区間に制限のある駅において、その発売区間外の普通乗車券の発売の請求があつた場合に準用する。
3 前各項の規定によつて発売した乗車券を所持する旅客に対しては、前途の駅又は車内において、これと引換に旅客の請求する区間の普通乗車券を発売する。この場合、既に収受した旅客運賃と旅客の請求する区間の普通旅客運賃(旅客が旅客運賃割引証を提出した場合又は旅客の請求する区間について旅客運賃割引の取扱いができる場合は、割引の普通旅客運賃)とを比較して不足額を収受し、過剰額は駅(取扱箇所が車内の場合にあつては前途の駅)において払いもどしをする。


【旅客営業取扱基準規程】
(普通乗車券の特殊発売方)
第44条 規則第27条第1項又は同条第2項の規定により普通乗車券を発売する場合は、その乗車券の表面に「(ム)」の表示をして発売するものとする。この場合、前途の駅又は車内においてその乗車券と引換えに旅客の請求する全区間の乗車券を発売する(以下これを「買替え」という。) 旨を案内しなければならない。
2 前項の場合、旅客が旅客運賃割引証を提出したときは、全区間のものを発売する前途の駅又は車内までこれを所持するように案内するものとする。
3 規則第27条第3項の規定により旅客から全区間の乗車券を請求された場合は、原乗車券を回収し、常備片道乗車券、補充片道乗車券又は特別補充券によつて発売するものとする。この場合の有効期間は、全区間に対する所定の有効期間からすでに経過した日数(取扱いの当日は含めない。) を差し引いた残余の日数とし、常備片道乗車券を使用する場合に有効期間の訂正を要するときは、第195条の規定を準用して取り扱うものとする。
4 前項の場合、旅客の所持する乗車券が金額式の普通乗車券で、かつ、車内において取り扱うときは、原乗車券を回収しないで、特別補充券とともに所持させることができる。

JR東日本鹿島臨海鉄道の通過連絡運輸の取り扱い範囲は以下のとおりです。
水戸接続・鹿島サッカースタジアム接続の連絡範囲をそれぞれ縮小したような範囲です。

JR東日本常磐線 藤代〜日立間、水郡線 常陸青柳常陸大宮間・南酒出〜常陸太田間、水戸線 結城〜友部間
鹿島臨海鉄道大洗鹿島線 水戸・鹿島サッカースタジアム間(経由)
JR東日本成田線 成田〜佐原間、鹿島線