終着駅の下車印

駒込から武蔵五日市への往復乗車券です。JR東日本の出札補充券により発売されました。
券面下部の「(入鋏・途中下車印)」欄には武蔵五日市駅の途中下車印が押印されています。

武蔵五日市は五日市線の終着駅です。終着駅を超えて利用できる乗車券は通常はありませんので、途中下車印が押印される機会はまずないのですが、出札補充券で往復乗車券を購入すると一葉で発売されます。
往路と復路で同じ駅での下車ができますので、「復路利用中」を示すために終着駅では途中下車印の押印が必要になってきます(※)。
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程第143条第3項

なお、マルス端末で発券すると往復乗車券・連続乗車券とも、きっぷは2枚となります。出札補充券による連続乗車券も通常は2枚で発売されます。このように終着駅の途中下車印が押印されるのは出札補充券での往復乗車券のみということになります。


この乗車券は、以下の経路で購入しました。
駒込(山手線)田端(東北本線)赤羽(赤羽線)池袋(山手線)代々木(中央本線)神田(東北本線)秋葉原(総武本線)錦糸町(総武本線)東京(東海道新幹線)品川(東海道本線)鶴見(鶴見線)浜川崎(南武線)尻手(南武線)立川(青梅線)拝島(五日市線)武蔵五日市
営業キロは119.2km、運賃は1790円で往復は3580円です。
電車特定区間内相互発着ですので、通常の幹線101〜120kmまでの運賃1890円よりは安価となります。

東海道新幹線を経由しているため大都市近郊区間内相互発着の乗車券ではなく、片道100kmを超えているので途中下車が可能となります。有効日数は片道で2日、往復ですので4日となります。

この乗車券は、以下のとおり経路数が17でマルス端末に入力できないため、出札補充券での発売となります。
1.山手線2
2.東北本線
3.赤羽線
4.山手線2
5.中央東線
6.東北本線
7.総武本線
8.総武本線
9.東京
10.東海山陽新幹線
11.品川
12.東海道本線
13.鶴見線
14.南武線
15.南武線
16.青梅線
17.五日市線

窓口設置のPOS端末で運賃を調べ、出札補充券に金額、業務連絡書に経路を記載して発売頂きました。
JR東日本のPOS端末は20経路まで入力可能ですので、17経路以上20経路以下の場合の運賃はPOS端末で調べることができます。

経路が記載された業務連絡書です。出札担当者の氏名、駅電話番号等が記載されているので券面は加工してあります。
出札補充券と業務連絡書にそれぞれの券番号を記載し、併用時のみ利用できるようにしてあります。もっとも、途中下車時に業務連絡書の内容を確認されることはありませんでしたが……。


出札補充券の裏面です。

ご案内の(1)を見ると大阪市内から新加美、福岡市内から姪浜・下山門・今宿・九大学研都市周船寺が除外されています。
(2)は「東京、大阪、福岡及び新潟近郊区間」とあります。
現在、出札補充券はあまり出番が無いこともあり古い様式のものが残っていることが多いのですが、これは少なくとも平成20年(新加美駅開業)以降のものいうことになります。


なお、駒込から武蔵五日市への最短経路は以下のとおりです。
駒込(山手線)新宿(中央本線)立川(青梅線)拝島(五日市線)武蔵五日市
営業キロは53.6km、運賃は890円で往復1780円、2日間有効で下車前途無効です。


【旅客営業取扱基準規程】

(途中下車印の押なつ方)
第144条 旅客が途中下車をした場合は、自駅名を表示した次に掲げる途中下車印を当該乗車券の表面に押すものとする。
3 往復乗車券又は連続乗車券として発行した1枚の出札補充券、改札補充券又は車内補充券を所持している旅客が、往路の着駅又は旅客運賃の計算が打切りとなる駅で下車をする場合は、往路又は当該駅までの旅行を終えた証として、途中下車印を押さなければならない。