JR東海の区間変更券

JR東海区間変更券です。改札補充券で発行されました。

原券は「京都市内→立川 経由:京都・新幹線・新横浜・横浜線中央東線」です。
これを新横浜から先を新幹線・東京・中央東線経由に変更したものです。

原券の運賃は、京都(東海道新幹線)新横浜(横浜線)八王子(中央本線)立川の531.2km、運賃は8190円です。

今回の区間変更は発着駅を変更せず経路のみが変更となることから、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第249条第1項(3)の規定に基づく区間変更となります。
原乗車券は同第2項(1)ロ「大都市近郊区間内相互発着・片道100km以内」に該当しない乗車券ですので、同イ(ロ)に定める「不乗区間(変更により乗らなくなる区間)と変更区間(変更後、新たに乗る区間)の運賃の差額」が精算額として適用されます。不乗区間の方が高くなる場合でも払戻しはありません。


今回の場合の収受額は、以下のように計算されます。
【不乗区間新横浜(横浜線)八王子(中央本線)立川、46.4kmで780円です。
【変更区間新横浜(東海道新幹線)東京(中央本線)立川ですが、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第70条の規定に基づき、運賃計算は以下の経路で行われます。
新横浜(東海道新幹線)品川(山手線)代々木(中央本線)立川、59.8kmで950円です。


変更区間950円-不乗区間780円の差額、170円が券面にあるとおり収受額となります。原券8190円と合わせ、8360円が、今回支払った総額です。
なお、上記変更後の区間を最初から通しで購入した場合は、京都(東海道新幹線)品川(山手線)代々木(中央本線)立川、544.6kmで運賃は8510円となります。

今回の場合は、区間変更を行ったほうが通しで購入するより150円安くなります。
使用開始後に変更を行ったほうが安くなるという奇妙な結果となりましたが、旅客営業規則どおりですので規則上は正当な収受額となります。


なお制度上は上記の通りなのですが、このような不乗区間と変更区間の差額精算となる区間変更は正しく取扱れないこともあるそうです。やはりマルスシステムが「不乗区間と変更区間の差額精算」に対応していないため補充券扱いとなる、というのが大きいと思われます。
マルスシステムにおいては、原券を「新横浜〜立川、経由:横浜線・中央東」として区間変更券「新横浜〜立川、経由:新横浜・新幹線・中央東」を発売すると精算額170円と金額は正しい区間変更券が発券できます。しかし有効日数は1日となり、原券の有効日数が引き継がれず下車前途無効となってしまいます。有効日数まで対応させるには、やはり補充券で発売する必要があります。
なお車掌端末による区間変更券の発行は、有効日数を含め正しく取り扱うことができます。通常は車内で変更したほうが後々スムーズとなることでしょう。


今回は東京駅の東海道新幹線精算所で区間変更を申し出ました。途中下車するか聞かれ、する予定と答えたところご覧の改札補充券での発売となりました。


裏面の(ご案内)記載内容です。

(1)で大阪市内から新加美駅(2008年開業)が除外されています。
新加美駅九大学研都市駅(2005年開業)開業以前に作成され、除外駅の記載が抜けているものがある中、この補充券は新しい様式となっています。

区間変更)
第249条 普通乗車券、自由席特急券、特定特急券普通急行券又は自由席特別車両券を所持する旅客は、旅行開始後又は使用開始後に、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、当該乗車券類に表示された着駅、営業キロ又は経路について、次の各号に定める変更(この変更を「区間変更」という。)をすることができる。
(1)着駅又は営業キロを、当該着駅を超えた駅又は当該営業キロを超えた営業キロへの変更
(2)着駅を、当該着駅と異なる方向の駅への変更
(3)経路を、当該経路と異なる経路への変更

2 区間変更の取扱いをする場合は、次の各号に定めるところにより取り扱う。
(1)普通乗車券
イ 次により取り扱う。この場合、原乗車券が割引普通乗車券(学生割引普通乗車券を除く。)であつて、その割引が実際に乗車する区間に対しても適用のあるものであるときは、変更区間及び不乗区間に対する旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
(イ)前項第1号に規定する場合は、変更区間に対す普通旅客運賃を収受する。
(ロ)前項第2号及び第3号に規定する場合は、変更区間(変更区間が2区間以上ある場合で、その変更区間の間に原乗車券の区間があるときは、これを変更区間とみなす。以下同じ。)に対する普通旅客運賃と、原乗車券の不乗区間に対する普通旅客運賃とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払いもどしをしない。

ロ イの場合において、原乗車券(学生割引普通乗車券を除く。)が次のいずれかに該当するときは、原乗車券の区間に対するすでに収受した旅客運賃と、実際の乗車区間に対する普通旅客運賃とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払いもどしをしない。この場合、原乗車券が割引普通乗車券であつて、その割引が実際に乗車する区間に対しても適用のあるものであるときは、実際の乗車区間に対する普通旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
(イ)大都市近郊区間内にある駅相互発着の乗車券で、同区間内の駅に区間変更の取扱いをするとき。
(ロ)片道の乗車区間営業キロが100キロメートル以内の普通乗車券で区間変更の取扱いをするとき。