新宿三丁目から押上への往復乗車券です。東京メトロの特別補充券により発売頂きました。
自社線内完結なので特別補充券1枚での発券も可能なように思われますが、入鋏欄は往復に対応しておらず、発券マニュアルも2枚使用するのが正しいとのことです。
東京メトロには、東京地下鉄株式会社 旅客営業規程第14条(1)アの規定により往復乗車券が制度上は存在しますが公式ウェブサイトや駅では一切案内がなく、自動券売機にも設定がありません。このため、発売には特別補充券(※)が用いられます。
有効日数は2日ですが、それぞれの券片は距離にかかわらず下車前途無効ですし、往復で割引が発生するわけでもありません。特別補充券の発行で時間がかかること、自動改札機が使用できないことなど旅客側へのデメリットも多く、通常は乗車の都度片道乗車券を購入するよう案内され、往復乗車券の発売は断られるでしょう。
※東京地下鉄株式会社 旅客営業規程第106条第2項(1)の規定では特別補充券 一般用の「駅用記入式特別補充券」と呼称しています。
券面を見てみます。
一般的な往復乗車券と同様、往路券(ゆき券に相当)は領収額が空欄で復路券(かえり券)に往復分の運賃が記載されます。
経由欄は空欄ですが、これは東京メトロ線内で完結する区間であるためと思われます。
着駅が押上となっていますが、東京メトロ・東武鉄道の押上駅は運賃計算上、東武鉄道のとうきょうスカイツリー駅と同一扱いとなっています。そのため東京メトロ線完結の乗車券であっても、とうきょうスカイツリー駅での乗車・下車が可能です。
「復路用」に東武鉄道 とうきょうスカイツリー駅の入鋏印が押印されているのは同駅から乗車したためです。
とうきょうスカイツリーから曳舟を経由し、押上(以下、半蔵門線内)への経路となりますが、この乗車券で曳舟駅から乗車することは出来ませんし、東武線を経由し北千住で千代田線・日比谷線に乗り換えるような乗車も出来ません。あくまで旅行開始駅を同一駅扱いであるとうきょうスカイツリー駅にもできる、というだけのものです。
(乗車券類の種類)
第14条 乗車券類の種類は、次のとおりとする。
(1)乗車券
ア 普通乗車券
片道乗車券
往復乗車券
一日乗車券
イ 定期乗車券
通勤定期乗車券
通学定期乗車券
全線定期乗車券
ウ 回数乗車券
普通回数乗車券
時差回数乗車券
土・休日割引回数乗車券
エ 団体乗車券