新宿から東京への連絡乗車券

新宿から東京への片道乗車券です。
小田急電鉄の特別補充券により発売されました。小田急線とJR線を藤沢で乗り継ぐ連絡乗車券です。


区間だけ見るとJR完結のように見えなくもないのですが、経由欄に「藤沢・品川・新幹線」とあります。
この乗車券の経由は以下のようになっています。

新宿(小田原線)相模大野(江ノ島線)藤沢(東海道本線)品川(東海道新幹線)東京

小田急線570円(55.4km)、JR線950円(51.1km)で合計1520円です。JR線の運賃の高さが際立っています。
券面の人員欄に記載の通り、大人2名分で発売頂きましたので発売額は3040円となります。
なお小田急電鉄では非機械発券の場合、クレジットカードでの決済はできないようです。マルスシステムのように非機械発券でも決済額を手入力できる機能があればいいのですが……。

小田急線とJR線の営業キロの合算は106.5kmとなります。
JR線部分で東海道新幹線を利用しており大都市近郊区間相互発着の乗車券ではないため、有効期間は2日間で小田急線内を含めた各駅での途中下車が可能です。

また、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第16条の2(1)の規定に基づき、新幹線と新幹線に並行する在来線は同一の路線として扱われています。
この乗車券で東海道新幹線経由の品川〜東京間を東海道本線経由で利用することは可能ですし、田町〜有楽町間の各駅で途中下車も可能となります。

東海道本線(新幹線)、山陽本線(新幹線)、東北本線(新幹線)、高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)、信越本線(新幹線)及び鹿児島本線(新幹線)に対する取扱い)
第16条の2 次の各号の左欄に掲げる線区と当該右欄に掲げる線区とは、同一の線路としての取扱いをする。
(1)東海道本線山陽本線中神戸・新下関間 / 東海道本線(新幹線)及び山陽本線(新幹線)中新神戸新下関
(以下略)

ところで小田急電鉄ではJR線を含め連絡会社線への乗車券は、自動券売機の他に窓口のMSR端末でも発売しています。
この乗車券と同じ区間である新宿から藤沢乗り換えで東京と指定すると「新宿から/藤沢→JR東日本線 950円区間 当日限り有効 下車前途無効」という乗車券が発売されます。
これは、MSR端末の仕様として経由駅を一つしか指定できず、連絡会社線内の経由の指定も出来ないということによるものです。藤沢接続でJR線の東京まで、という発券に対しては「東海道本線経由」という経路でしか発券できません。大都市近郊区間内相互発着の乗車券となりますので、途中下車ができなくなります。

小田急電鉄JR東日本の他にJR東海とも連絡運輸を行なっており、東海道新幹線を経由する連絡乗車券も規則上は発売は可能なのですが、上記理由によりMSR端末では発券ができません。
通常は自社区間となる藤沢までを発売し改めて藤沢で買い直すよう案内されるのですが、今回の場合はJR線部分単独では100キロを超えていません。接続駅で買い直しとすると全区間で途中下車ができなくなるため、途中下車をするためには発駅からの連絡乗車券を購入する必要があります。

このため、ご覧のとおり特別補充券による発売となります。


ただし小田急電鉄は特別補充券によるきっぷ類の発売は通常行なっていません、MSR端末で発券できるものが実情としての発売範囲です。
今回のように特別補充券で発売する必要があり、制度上も発売可能な場合においても実際の購入は非常に困難と思われます。