自由席と立席の通しの新幹線特急券

はやぶさ号・はやて号・こまち号(以下、はやて号と表記)は全車指定席なのですが、満席の場合に限り立席特急券を発売することを先日ご紹介しました。

満席の場合の他にも、以下のケースで指定を受けること無くはやて号に乗車が可能です。
(1)仙台〜盛岡間に停車駅のあるはやて号で同区間相互「のみ」を利用する場合は、自由席特急券ではやて号普通車指定席の空席に着席できます。
(2)盛岡以北のはやて号において同区間相互「のみ」を利用する場合は、満席でなくても特定特急券(立席)を発売し、普通車指定席の空席に着席できます。盛岡以南の立席特急券とは異なり、枚数の制限はありません。

(1)は仙台以北で自由席連結の列車本数が少ないこと、(2)は盛岡以北が全列車全席指定であることへのそれぞれ救済措置的な位置づけです。なお(2)の特定特急券(立席)の発売額は、通常期の特急料金から510円を引いた額です。

盛岡以北は自由席を連結した列車が存在しないため、通常の特急券(指定席)と自由席料金に相当する特定特急券(立席)しか発売されません(※1)。
※1 早朝・夜間の仙台・盛岡〜新青森間の列車は自由席を連結していますが、東京方面との通しの発売ができない時間帯の運行ですので省略します。
それでは、盛岡以南と以北で自由席と立席を乗り継ぐと特急料金はどのようになるのでしょうか。

これについては、乗車全区間の通しの通常期指定席特急料金から指定席料金相当額である510円を引いた、自由席特急料金と同額での発売が可能としているようです(※2)。
ただし実際のところは自由席と立席の通算は出来ず、盛岡打ち切りで特急券が2枚となるため通しの指定席より高額となる、といった案内がされることもあるようです。
※2 東京圏マルス指令室の回答による


仙台から新青森への立席特急券と、盛岡から新青森へのはやて号の新幹線指定券(立席)です。



仙台〜盛岡間はやまびこ号自由席、盛岡〜新青森間ははやて号立席で利用しました。

仙台から新青森への通常期の特急料金は4610円です。これから510円を引いた4100円が発売額です。
指定券(立席)は、列車が指定されないことから、日付のみ指定され、時刻は空欄で発券されます。列車名も「はやて号」のみで、号数の指定がありません。
規定上、立席特急券は乗車列車を指定して発売するのが原則ですが、列車を指定しないで発売するケースもあります(東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第57条第1項第1号のロ及び同但し書き)。
列車が指定されない区間については自由席の利用となります。
今回は全区間立席特急券で発売し、列車が指定されない仙台〜盛岡間は自由席、列車を指定する盛岡〜新青森は立席券を発行し立席(ただし、普通車指定席の空席を利用可能)の利用となります。


今回の発券方法ですが、やや特殊です。
(1)マルス端末の任意乗継画面から、列車1を仙台〜盛岡 やまびこ97号自由席・列車2を盛岡〜新青森 はやて11号立席で指定します。仙台〜新青森の新幹線立席特急券、はやて11号の新幹線指定券(立席)の2枚が発券されます。
(2)(1)で発券されたはやて11号 新幹線指定券(立席)を控除します。
(3)盛岡〜新青森、列車名「はやて(特定)」で新幹線指定券(立席)を座席券のみ発券します。
(4)(1)の新幹線立席特急券と(3)の新幹線指定券(立席)の2枚を旅客に交付します。発売額は(1)に印字されている4100円です。

(1)において、やまびこ号→はやて号を盛岡において乗継できる列車の組み合わせとしないと、乗り継ぎ不可でマルスシステムはエラーを回答します。上記に示した組み合わせである必要はなく、盛岡で乗継ができるならどのような列車でも問題ないものと思われます。
(2)で一旦指定券を控除するのは、(1)で発券される新幹線指定券(立席)は、盛岡以南の座席数を管理している立席券であるためです。今回の発券により発売数が減少してしまうため、控除して座席を戻す必要があります。
(3)で発券する立席券は、座席数を管理しない立席券です。列車名を「はやて(特定)」とすることで発券されます。なお「はやぶさ(特定)」という列車もあるようですが、使われることはないようです。


なお首都圏の駅では、上記の発券手順をまとめた冊子をみどりの窓口に配置しています。今回の発券時もその冊子を参照しながら発売いただきました。


(急行券の発売)
第57条 旅客が、急行列車に乗車する場合は、次の各号に定めるところにより、急行列車ごとに特別急行券又は普通急行券を発売する。
(1)特別急行
イ 略
ロ 立席特急券
別に定める特別急行列車の特別車両以外の座席車又は第13条第3項の規定によりB寝台を設備した寝台車に乗車する場合に、乗車する日、列車及び乗車区間を指定し、座席の使用を条件としないで発売する。ただし、乗車する列車を限定しないで発売することがある。
(以下略)