特急列車の指定席変更券(1)

立川から新宿への自由席特急券を購入し特急列車に乗車しました。
車内は混んでいませんでしたが、敢えて自由席から指定席への変更を申し出てみました。
なお、念のため事前に発売されていない指定席を確認のうえで申し出ました。


特急かいじ112号の車内で購入した指定席変更券です。券種は[指変]とあります。
自由席特急券と指定席の特急券との差額に相当する510円が発売額です。
もちろん、この近距離でわざわざ指定席を利用する意味はほとんどありません。

かつて特急列車が全車指定席であった時代の名残で、現在もJRにおいては「特急券」と言う場合、それは指定席の特急券を指します。それに対する指定席を確保しない特急券が「自由席特急券」です。
規則上は「指定席特急券」という言い回しもありますが(※)、原則は上記のとおり「特急券」に対する「自由席特急券」です。
※東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第18条第2号「指定席特急券

そのため、特急料金と指定席料金は本来不可分なものであり、「特急列車の指定席料金」というものは存在しません。今回の支払った額は、事実上指定席料金ですが、厳密には特急料金と自由席特急料金との差額となります。


さて、券面を見てみます。
乗車駅、下車駅、列車名、号車、席番号が何も印字されていません。
これはミスというわけではなく、原券(立川〜新宿の自由席特急券)と乗車区間が同じであるため、印字を行わないというのが正当な扱いです。このため自由席特急券は検札の後返却され、「原急行券と共に使用の場合有効です」とあるとおり、自由席特急券と指定席変更券の二枚一組で初めて有効となります。
急行券」というのは、この場合広義の急行券を指しており急行券特急券(特別急行)を指しています。

また、車内で指定席に変更した場合は券面印字の通り、「お客様が見えたら席をお移りください」とあるとおり、座席が保証されません。このため号車・席番号も空欄が正しい扱いです。


(乗車券類の種類)
第18条 乗車券類の種類は、次の各号に定めるとおりとする。
(1)乗車券
 イ 普通乗車券 片道乗車券
         往復乗車券
         連続乗車券
 ロ 定期乗車券 通勤定期乗車券
         通学定期乗車券
         特殊定期乗車券 特別車両定期乗車券
                 特殊均一定期乗車券
 ハ 普通回数乗車券
 ニ 団体乗車券
 ホ 貸切乗車券
(2)急行券
 特別急行券 指定席特急券
       立席特急券
       自由席特急券
       特定特急券
 普通急行
(3)特別車両券
 特別車両券(A) 指定席特別車両券(A)
         自由席特別車両券(A)
 特別車両券(B) 指定席特別車両券(B)
         自由席特別車両券(B)
(4)寝台券
 A寝台券
 B寝台券
(5)コンパートメント券
(6)座席指定券