山手線内の最長経路乗車券を上回る乗車券

先日、東京山手線内の最長経路片道乗車券 - きっぷメモ。において山手線内の最長経路となる乗車券として新宿発御茶ノ水行き、営業キロ42.3kmで運賃600円となる片道乗車券をご紹介しました。矛盾しているようですが、今回はそれを更に上回る乗車券をご紹介します。

新宿発、神田行きの片道乗車券です。

経由欄が新幹線入出場の印字と重なっており読みづらいですが「東北・上野・新幹線・中央東・品川・新幹線・東京・東北」とあります。
経路としては新宿(山手線)田端(東北本線)上野(東北新幹線)神田(中央本線)代々木(山手線)品川(東海道新幹線)東京(東北本線)神田となります。
運賃は前回ご紹介した乗車券と同じ600円ですが、営業キロは42.1kmにしかなりません。なぜこれが最長となるのでしょうか。

経路をよく見ると、「(新幹線)神田(中央本線)」「(中央本線)代々木(山手線)」となっています。実はこれらの2区間は旅客営業取扱基準規程第151条、きっぷあれこれ > 運賃計算の特例:JR東日本で定める「分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例」に該当します。今回の場合では神田〜東京間、代々木〜新宿間においてはそれぞれ神田・代々木を通過する列車に乗車している場合、この区間を往復しての乗車が可能です。これにより実際に乗車する経路の営業キロにおいては最長経路を上回ることとなります。

実際の乗車経路は以下に示すとおり、営業キロは46.1kmとなります。最長経路としてあげた乗車券より更に3.8km長くなりました。
これは山手線一周(34.5km)と、その内側の中央本線(8.3km)・総武本線(0.9km)のすべての合計43.7kmをも上回ります。

新宿(山手線)田端(東北本線)上野(東北新幹線)東京※1(東北本線)神田(中央本線)新宿※2(山手線)品川(東海道新幹線)東京(東北本線)神田

※1、※2が重複する乗車箇所となります。新宿駅・東京駅を2度通り、神田〜東京間に至っては3度も通過しています。おおよそ一般的な理解の片道乗車券では有り得ない経路ですが、折り返しの例外を適用することにより片道乗車券でこのような乗車が可能となります。


なお上野〜東京間の新幹線は神田駅を通過するために必要(運行時間中であれば、京浜東北線快速電車でも可)ですが品川〜東京間は新幹線に乗車する意味はあまりありません。今回は新幹線自動改札機の入出場印字を確認したくこのようなルートにしました。
上野入場、東京出場、品川入場、東京出場で新幹線自動改札機を4度通過していますが印字は3度までです。かつては85mm券の幅いっぱいになるまで入出場印字が可能でしたが券面記載事項が読みづらくなることから、何年か前に入出場印字は何度通過しても3回目までしか印字しないよう自動改札機が改修されました。通常は入場・出場が1回ずつであることがほとんどですので1回分余裕をもたせたものと思われます。

東海道新幹線東北新幹線の自動改札機の入出場記録印字が微妙に異なっており、趣味的に面白い結果となりました。
東北新幹線「111030 17:04 上 野 入場」「111030 17:21 東 京 出場」
東海道新幹線「10.30 18:14 品川 入」
仮に東京駅で出場が印字された場合は「10.30 18:XX 東京 出」となるのでしょうか。