町田から南町田への片道乗車券

町田から南町田への片道乗車券です。

渋谷を接続駅とするJR東日本東京急行電鉄(当時の社名)の連絡乗車券です。出札補充券で発売されました。

 

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この乗車券の経路は町田(横浜線)八王子(中央本線)新宿(山手線)田端(東北本線)上野(東北新幹線・東京折返)神田(中央本線)代々木(山手線)渋谷(田園都市線)南町田です。

JR線83.6km 1420円、東急線29.2km 300円で合計112.8km 1720円です。

片道100kmを超え、大都市近郊区間に含まれない東北新幹線を経路に含むため2日間有効で途中下車可です。

 

南町田駅は2019年10月1日に南町田グランベリーパーク駅に駅名を変更しました。この乗車券は駅名変更前のものです。金額入力の自・社区間で発券できそうですが、出札補充券での発売となりました。

なおJR東日本が発売する場合、南町田(現:南町田グランベリーパーク)を発着駅にできるのは渋谷接続に限られます。最短経路で需要もありそうな長津田接続はどういうわけか連絡範囲外となっています。

 

岡山から津山への片道乗車券(中国高速線経由)

岡山から津山への片道乗車券です。

区間だけ見ると津山線経由のJR線単独のようにも見えますが、新大阪接続の西日本JRバス(中国高速線経由)の連絡乗車券です。

 

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西日本JRバスの中国高速線(中国ハイウェイバス)は大阪・新大阪・津山接続でJR西日本の各駅と連絡運輸を扱っていますが、存在自体が殆ど知られていない上に社線運賃の登録のない区間、駅名(バス停名)自体が登録されていない駅など発売が困難な区間も多く、さらに近年は中国ハイウェイバス交通系ICカードが使えるようになったことから実際の連絡乗車券の需要はほぼないと言っていいでしょう。

なお、バスの指定券はJR西日本の駅では発券できず、連絡乗車券を西日本JRバスの出札窓口に提示して交付を受ける必要があります。

 

なお、新大阪接続の津山はマルスシステムに社線運賃が登録されており、85mm券での発券が可能です。新幹線を含め自動改札機にも対応しています。

 

この乗車券の経路は岡山(山陽本線)神戸(東海道本線)新大阪(中国高速線)津山です。

JR線176.5km 3020円(西日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第88条(西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則第45条で準用)により、運賃計算は岡山→大阪)と西日本JRバス線158.9km 2830円で、合わせて5850円です。

有効日数は鉄道区間営業キロによる2日と、自動車線による1日で3日間有効となります。

 

この乗車券では大阪と新大阪で途中下車しました。JR線単独の乗車券では岡山→大阪・新大阪となるので大阪または新大阪のどちらかで下車した時点で旅行終了となり、両方での下車はできません。

自動車線内での途中下車可否は不明ですが、過去の資料では美作インターに限り途中下車を扱うようです。現在も扱っているのかどうかはわかりません。

姫路から姫路への片道乗車券

姫路から姫路への片道乗車券です。

 

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この乗車券の経路は以下のとおりです。智頭〜上郡間で智頭急行線を経由しています。

姫路(姫新線)東津山(因美線)智頭(智頭線)上郡(山陽本線)姫路

JR線は前後の営業キロを通算して157.4km(運賃計算キロ169.7km) 3020円、智頭急行線56.1km 1300円で、合計4320円です(消費税8%の運賃)。

営業キロは合わせて225.8kmですので3日間有効、途中下車も可能です。

 

この乗車券、マルスシステムでは上記の通り運賃計算ができて発券も可能ですが、佐用駅をJR線と智頭急行線で2度通過しています。

JR線と連絡会社線にまたがる8の字乗車券の発売は環状線一周を超えることから片道乗車券として成立しないとも解釈できますが、この乗車券を購入したときはJR線と社線で別であるとの解釈から発売されました。

片道乗車券の発売を規定している西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則第16条第1号では打ち切り条件を旅客規則により営業キロ等を打ち切る場合(=JR線区間環状線一周等)に限定しており、JR線と連絡会社線環状線一周となるケースは含まれないとも解釈できます。

今回発売されたのは上記のような判断がなされたのでしょうか。単にマルスで運賃計算できただけのような気もします。

 

なお、券面のとおり佐用駅では2度途中下車しました。1回目はJR線として、2回目は連絡会社線としてです。

佐用駅は構造上改札が1箇所しかなく、1回目も2回目も同じ係員の方でした。同じ駅の途中下車印が並ぶというよくわからない状況でしたが、特に止められることもなく途中下車は可能でした。

 

(普通乗車券の発売)

第16条 旅客が列車等に乗車船する場合は、次の各号に定めるところにより、片道乗車券、往復乗車券又は連続乗車券を発売する。(1)片道乗車券普通旅客運賃計算経路の連続した区間を片道1回乗車船(以下「片道乗車」という。)する場合に発売する。ただし、旅客規則第68条第4項の規定により営業キロ擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切つて計算する場合は、当該打切りとなる駅までの区間のものに限り発売する。

 (以下略)

 

 

 

普通車指定席用の回数券でのグリーン車乗車

広島→博多のAグリーン券です。

新幹線グリーン車の車内でグリーン券を購入した際に発券されました。グリーン券単独での発売です。

 

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西日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第63条第1項では、特急列車のグリーン券の発売は急行券と同時に発売する場合に限ると規定されており、本来はグリーン券単独での発売は行いません。

 

 このグリーン券は、博多(市内)⇔広島(市内)の新幹線回数券(普通車用)で新幹線に乗車し、車内でグリーン車への変更を申し出た際に発売されたものです。

 

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普通車用の新幹線回数券は当然ながら普通車でしか使用できませんが、使用開始後については「乗車後車内に余席があり運輸上支障がない場合」は「所定のグリーン料金」を支払うことでグリーン車へ変更できます。 

 

この場合の「所定のグリーン料金」とは、普通車指定席特急料金4140円とグリーン車指定席特急料金7800円の差額3660円ではなく、広島→博多間280.7kmに相当するグリーン料金4190円となります。

グリーン車利用時の指定席料金相当額530円の減額がなく、グリーン料金がそのまま必要となるため割高ではあります。

車内補充券発行機はこのようなケースを想定し、グリーン券単独での発売にも対応しています。

 

(指定券の関連発売等)

第63条 旅客が、特別急行列車の指定席(特別車両の指定席及びコンパートメント個室に限る。)又は寝台を使用する場合の指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券は、指定席特急券と同時に購入するときに限って発売する。

近距離での120mm券

池袋から池袋の片道乗車券です。横に長い120mm券で発券されました。

 

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マルス券の乗車券は一定の条件を満たすことにより85mm券ではなく120mm券で発券されます。条件にはいくつかあり、

 

・経路数が多いこと

・金額入力操作を行うこと

会社線完結であること

 

などが知られています。このうち経路数については諸説ありますが、10経路程度が境界と言われています。ただしその条件に合わないこともあり、詳細はよくわかりません。

 

10経路を超える乗車券となるとかなりの長距離で運賃も高額となりそうなものですが、多数の路線がある首都圏では経路の指定によっては近距離のみでも120mm券とすることが可能です。

 

この乗車券の経路は以下の通りです。

池袋(山手線)品川(東海道新幹線)東京(東北本線)神田(中央本線)御茶ノ水(総武本線)秋葉原(東北本線)赤羽(東北本線)田端(山手線)赤羽

営業キロは48.4km、運賃は820円です。

 

マルスシステム上の経由線で考えると、

1.山手線2

2.中央東線

3.山手線

品川乗換

4.新幹線

東京乗換

5.東北本線

6.中央東線

7.総武本線2

8.東北本線

9.東北本線2

10.山手線2

で10経路となります(品川乗換・東京乗換を除く)。

経由欄の印字が8の東北で終わっており、尾久・赤羽・田端経由であることを読み取るのは困難です。

 

なお、東京や新宿発着では120mm券にはなりません。

駅料金の車内グリーン券

印字が読みにくいですが、武蔵小杉から東京への普通列車グリーン券です。車内補充券での発行ですが、事前料金(券面印字は「駅」)で発売されています。

 

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武蔵小杉から東京は16.8km、平日の事前料金は780円です。

武蔵小杉駅改札内外に券売機が設置されているため事前購入が原則であり、車内で購入すると通常は車内料金1040円での発売となるのですが、当時は台風19号の被害による発電設備の故障で券売機が停止しており、特例として車内でも事前料金で発売が可能となっていました。

現在はこの扱いは終了しています。

 

車内補充券発行機でも事前料金での発売は可能です。一部時間帯の駅では現在も車内で事前料金での発売が行われています。